特集:乳がん 2009年10月1日
残念ながら、乳がんの初期には自覚症状がほとんど現れません。30歳以上の女性は定期的に検診を受け、早期に発見することが最大の予防となります。そのためにはマンモグラフィ検査や超音波検査などの画像検査は欠かせません。日本人の受診率はまだまだ低いのが現状ですが、一度受けてみると「短時間で終わり簡単だった。」と感じる人が多く、リピート率は高いようです。
乳がん検診では、マンモグラフィ検査と超音波検査があります。どちらの検査も極小のしこりを見つけることができ、それぞれ特徴があります。
乳房専用のX線撮影装置であるマンモグラフィ検査は、早期乳がんのサインである石灰化を鮮明に写し出すことができます。一方、超音波検査は、乳腺やしこりの内部を写し出すことができるので、どのような性質のものか詳細な情報を得ることができます。さらに、超音波画像は乳腺の密度に影響されないので、乳腺が発達している若い人の小さなしこりを見つけやすいと言う利点もあります。
今回はマンモグラフィ検査について、検査の流れや方法をご説明します。

乳房に違和感がある場合や、以前の検診で異常が見つかったことがある人、また、家族歴も参考になるので、家族に乳がんや卵巣がんの治療を受けた方がいる場合は医師に伝えましょう。
乳がんは女性ホルモンと関係しているので、初潮年齢や閉経年齢、月経周期などについて質問があり、その後、医師による視触診が行われます。
※ペースメーカーや豊胸術を受けた方は、マンモグラフィの撮影が行えない場合があるので、医師に伝えましょう。
- 上半身の衣類をとって技師の説明に従います。
- 透明の圧迫板で胸を挟んで薄く平らにします。
※人によっては痛みを感じる場合もあります - マンモグラフィ検査で何か異常が見つかれば、超音波検査を追加します。さらに必要と判断された場合、細胞や組織の検査(病理検査)を行います。

マンモグラフィ機器に向かって立ち、透明の圧迫板で胸を挟んで薄く平らにします。
撮影は斜め方向と上下方向。左右の乳房で合計4回行われます。
- 1980年代にアメリカではじまったピンクリボン運動は、ここ数年、日本でも大きな盛り上がりを見せています。各地で行われているイベントでは、体験者のトークショーや、乳がんのしこりを体験できる触診体験機器の設置、街をピンクに染める運動などが開催され、各企業や自治体が協力・協賛しています。
監修・指導:米田 光里医師