特集:懐かしの健康法特集 2014年12月4日

寒い冬の朝に、上半身裸になって体をタオルでゴシゴシ…という経験はないでしょうか。昔は幼稚園や小学校などで、子どもたちがみんなそろって乾布摩擦を行ったものですが、最近ではそんな光景もほとんど見られなくなりました。
しかし、近年、乾布摩擦が健康によいということで、再び注目を集めています。ただし昔の乾布摩擦と違うのは、洋服を着たまま行うこと。洋服を着たまま体をこするだけで、どんな効果があるのでしょうか。
乾布摩擦というと、刺激の強いもので肌を直接こすることによって健康効果を得られる、と思われがちですが、肌に強い刺激を与えると皮膚を傷つけてしまい、ひどい場合は皮膚炎になってしまうことも。乾布摩擦の効果は、肌をやさしくこすることでも得ることができます。服の上からこするだけでもOKですし、裸で行う場合なら、手で直接皮膚をこするだけでもよいでしょう。
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皮膚に刺激を与えることで、血管が拡張し体が温まります。手や足などの血液のめぐりもよくなるので、冷え症改善に効果があるといえるでしょう。
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乾布摩擦を行うことで副交感神経が刺激され、自律神経を整えることができます。さらに、血行がよくなって体温が上昇するため、免疫力アップにつながります。その結果、風邪を引きにくくなるほか、ぜんそくも改善に向かうというデータもあります。
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全身の血行がよくなると、新陳代謝が上がり、脂肪が燃えやすい体になります。また、自身で乾布摩擦を行うことが軽い運動にもなります。
薄手のシャツの上から、柔らかいタオルでこするようにします。ナイロン製や硬めのタオルは避けましょう。寒い日に外で行うイメージが強いせいか、寒いところでしか意味がないと思われがちですが、場所はどこでもかまいません。自分自身が落ち着く場所を選んで行いましょう。
血液を心臓に押し返すような感覚で、手足の先端から始め、体の中心に向かってゆっくり進めます。こする強さは、リラックスして心地よさを感じる程度。肌への負担になるので、ゴシゴシと強めにこするのは避けましょう。
- まずは足の先から膝まで、手の先から肘までをこすります。左右各15回(往復)行います。
- 次にひざから足の付け根へ、手首から肩へとこすります。それぞれ左右各15回(往復)行います。
- 最後にお腹から胸へ向けて、背中はタオルをクロスさせてこすります。それぞれ15回(往復)行いましょう。

乾布摩擦を行うのは、朝がおすすめです。太陽の光を浴びることで体も目覚めますから、朝日を浴びながら乾布摩擦を行うといいでしょう。