松本進のNews Letter from USA

Vol.3「ゴルフから学ぶビジネス論」ゴルフから学ぶビジネス論

今年1月26日、東京のパレスホテルにて全国経営者セミナーのイベントがあり、私もそこで講演をさせて頂きました。

このイベントは、政治家や大手企業社長、堀江貴文氏のようなIT起業家や経済学者など、ありとあらゆる分野から講師を招いて、経営者に向けて講義を3日間に渡って行なうものです。

私のテーマは『ゴルフから学ぶ人生、経営』というテーマでした。
と言うのも、ゴルフと人生、経営とは、実は共通していることが多々あります。究極、ゴルフが上達するプロセスも、ビジネスが成功するプロセスも、全て一緒なのです。その証拠に、私が「成功の秘訣は?」と尋ねると、トッププロから、トップコーチ、トップ経営者まで、みな口をそろえて同じことを言います。
ここに講演内容をすべて書くことはできないのですが、1点だけ、皆さんも明日からできる事をご紹介しましょう。

それは「成功から学ぶ」ということです。

私はこの言葉を最初にDavid Wright氏から聞きました。
彼は2つの心理学の博士号を持ちながら、PGAインストラクターという異色の経歴を持つ人物です。
“成功から学ぶ”なんていうと、ピンとこない人もいるかもしれませんが、何事も成功から学ぶことがとても大事なのです。

日本の教育の中で18歳まで過ごした私にとって、この言葉を初めて聞いたときは“はあ??”という感じでした。
成功したことはもうできたことなのだから、忘れて「失敗から学べ!」とずっと教えられてきた私にとって、最初はとても不可解な言葉だったのを覚えています。
なぜ、失敗からでなく成功から学ぶ必要があるのでしょう?
それは、イメージと脳の仕組みが大きく関係しているのです!

ここで、面白いお話をご紹介しましょう。
以前、私は“イップス”に悩むある男子プロと話す機会がありました。彼は、トーナメントの最終局面でバンカーからホームランをしてしまい、大きく順位を落とすこととなりました。
彼はこの苦い経験から二度と同じ失敗をしないために、何度も何度も同じような設定で、バンカーショットの練習をしたそうです。
そして、その努力の結果“イップス”になってしまったのです。

※イップスとは、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識ができなくなる症状のこと。

二度と同じ失敗をしないように、失敗したことを繰り返し練習することのどこが悪いの?と思いますよね。私も信条的にはそう思います。
しかし、失敗の克服の仕方を誤ると、実はもっと大変なことになるのです。
その理由は、“なぜ失敗したか”をリアルに思い出すということは、実際には一度しかしていない失敗を、何度も何度も繰り返すことになるのです。
そのミスをリアルに思い出すたびに、実はミスショットを打っているのと同じ現象が脳内では起きます。
真面目に何度もバンカーショットの練習をして、ミスショットのイメージが出来上がった結果、脳内ではしっかりとパターンが構築されてしまい、バンカーでクラブを構えると、その嫌な場面が勝手に思い浮かんで、“イップス”になってしまったのです。

本当に理不尽にも聞こえますが、脳の仕組み上、これは変えることができない事実なのです。
何が本当(現実に起きたこと)で、何が嘘(頭の中で想像したこと)なのか、脳は判別できません。リアルに情景をイメージすれば、それは本当のこと(現実に起きたこと)になるのです。現実に起きたことではないのに、怖い映画を観たあとに怖い夢を見てうなされるのと同じことです。誤った反省の仕方をしてしまうと、真面目な人ほど損をしてしまう理由はここにあります。

皆さんの周りにもいませんか? あまり練習もしないのになぜか上手な人や、普段そんなに上手でなくてもここ一番になるとなぜか強い人。このような人は、得てして“成功から学ぶ人”なのです。
成功したときは良く覚えていて、失敗したことはすぐに忘れてしまう。

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