Vol.15:女子ゴルフ界の歴史的大事件!!

  • 渡米してから、今年で32年目になりますが、どんなに長く暮らしていても、いまだに理解できないことがたくさんあります。
    日本の友人に「アメリカ人って、なんで○○なの?」と聞かれても、正直答えられないことがたくさんあります。
    世界各国からの移住により、様々な人種で構成された社会のため、政治、ビジネス、学校教育、銃の問題に至るまで、色々な場面の“なぜ?”に答えられないことが数多くあります。
    その中の1つに、男女平等の権利があります。

    アメリカほど、男女平等であることが厳しく求められる国はないと思うのですが、実際には、その反対のことを感じる場面がたまにあります。

    例えば、多くのアメリカ人は日曜日の朝は教会に行きます。
    カトリックであれば、教会には神父がいますが、神父はその呼び名の通り、女性はなることができません。教会での説教は神父である男性のみの役割です。

    この男女平等に関して言えば、ゴルフ界でも大変話題になったことがありました。その話題は、世界中のゴルファー憧れのトーナメント“マスターズ”を開催しているオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブが舞台です。

    ほんの数年前の2012年まで、このオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブでは、女性はメンバーになることができなかったのです。
    このような規則は、アメリカの企業では絶対に認められることではありませんが、このオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブの会員規則には適用されていたのです。
    アメリカでは、女性やある特定の人種(マイノリティー)の比率が低いだけで、人種差別企業として世間から叩かれます。それほど、男女平等の権利ついて厳しいはずのアメリカで、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブだけは特別だったのです。

    しかしながら、いまアメリカ女子ゴルフ界で、これまでの歴史をひっくり返すような大事件が起きようとしています。

    女子のアマチュアゴルフトーナメントが、このオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブにて開催されることが決定したのです!
    この発表には、アメリカ人の誰もがびっくりしました。

    トーナメント名は、オーガスタ・ナショナル女子アマチュア選手権です。
    これだけ規則が厳しいことで有名なオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブが、“女子”の、しかも“アマチュア”のトーナメントをホストするのです。更には、伝統のマスターズトーナメントの前週に開催するというのですから、これは本当に凄いことです。

    いわば、土俵の女人禁制を伝統とする日本相撲協会が、大相撲本場所の前に女子の相撲大会を両国国技館で開催することを発表するようなものです。どれほどアメリカで話題になっているかが想像いただけるかと思います。

    過去に、私も何人もの日本人の方に「お金はいくらでも出すからオーガスタでプレーできないか?」と尋ねられたことがありました。
    オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブは、所属メンバーが300人程度とは言われているものの、正式には公表していませんので実態はわかりません。
    どんなにお金を持っていても、社会的地位が高い人だとしても、メンバー同伴か、もしくは、マスターズボランティアになるか、キャディーなどで従業員として働くか、メディア関係者としてメディアデー(マスターズトーナメント最終日の翌日)のくじ引きで当たるか、いずれかでない限りここでのプレーができないほど厳格なルールがあるコースなのです。

    なぜ今回、オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブでの女子アマチュアトーナメント開催に至ったのか、詳細な経緯は不明ですが、ゴルフ人口が減少傾向にあるなかで、女子ゴルフにも大きなインパクトを与えたかったことは確かです。