Vol.20:「パッティングはジャンケンと同じ!?」

  • 皆さん、AJGAという名前を耳にしたことはありますか?
    ジュニアゴルファーを持つ保護者の方ならご存じかもですが、「American Junior Golf Association」の略です。

    このAJGAは、1997年に設立された非営利団体で、年間になんと198ものジュニアゴルフトーナメントを開催している団体です。
    AJGAホームページ

    年間に198試合です!!

    ほとんどの試合は、アメリカ国内での開催ですが、一部アジアで開催されることもあります。PGAツアーのように、試合日程の調整からトーナメント運営、表彰式、スポンサー探しまで、全てをAJGAが取り仕切っています。

    ちょっとしたジュニアゴルフ団体とは、スケールが違います。

    費用は、AJGAへの登録料として215ドル(日本円で約2万3千円)。このほか、毎試合エントリーフィーがかかります。エントリーフィーは、試合によって異なりますが、平均約3~4万円程度と決して安くありません。

    しかもAJGAは、誰にでも出場できるトーナメントではありません。
    試合は、プロゴルフツアーと同様、ポイントを持っているシード選手と予選を勝ち抜いた選手のみが出場でき、3ラウンドでの合計スコアで争われます。(2日間大会の場合、初日36ホール、2日目18ホール。3日間大会の場合は、各日18ホール)

    また、本選出場者とは別枠で、毎試合マンデートーナメントが開催されます。
    この流れも、プロゴルフツアーと全く同じです。
    このマンデートーナメントから本選に出場できるのは、マンデー参加者約70名のうち、6~8名程度とかなりの狭き門です。

    現在、世界的にジュニアゴルファーが減少してきており、大会の人数確保が難しい中、この団体だけは別格です。
    年間200近い試合を開催しているにもかかわらず、毎試合、定員で一杯になります。
    これだけの規模で、ジュニアゴルフトーナメントが運営されていることに驚くばかりです。

    このAJGAの大会には、アメリカのみならず、日本をはじめとしたアジア各国から、またヨーロッパやアフリカ、南米からも多数のゴルファーが参加しています。
    なぜ、世界中のジュニアゴルファーが高い渡航費や滞在費を支払ってまで、この大会に参加するのでしょうか?

    理由の1つとしては、高いレベルの大会に参加して、スキルアップしたいというゴルファーとしての純粋な想いがあると思いますが、実は、もう1つ大きな理由があります。

    それは、スカラシップ(※)の獲得を狙っているからです。
    ※日本でいう奨学金のこと。スカラシップ試験に合格すると学費免除や補助といった待遇が受けられる。

    ご存知の方もいるかもしれませんが、近年、アメリカの大学の学費は非常に高くなっています。学校や専攻によっても異なりますが、平均的な年間の授業料で約5万ドル(約550万円)。なかには年間10万ドル(約1,100万円)以上もかかる大学もたくさんあります。
    つまり4年生大学を卒業するためには、数千万円の授業料が必要になってくるのです。

    そんな高い授業料を支払わずに避けて通る道は、スカラシップしかありません。

    ゴルフのアスリート特待生としてスカラシップを獲得できれば、授業料が大幅に免除され、時にはフルスカラシップ(無料)になるケースもあります。

    このような事情があるため、世界中のジュニアゴルファーはスカウトの目に留まるように、ポイント稼ぎのため、AJGAの大会に出場するわけです。

    完全に揺らぐことのない、ジュニアゴルフツアーとしての地位を確保しているAJGA。
    現在、PGAツアーで活躍している選手のなかで、この大会に一度も出場したことがないという選手はいないと思います。それほど巨大で確立された組織なのです。

    そして先日、私はカリフォルニアのサンディエゴで開催された、AJGAの大会「ENAGIC JUNIOR CHAMPIONSHIP(July 14-16, 2019)」を見学する機会がありました。

    会場は、ロサンゼルス空港から南に1.5時間ぐらい下ったところにある、ミッションビエホ(Mission Viejo country club)というプライベートコース。私も知っていますが、決して簡単なコースではありません。

    この大会では、日本企業がスポンサーということもあり、通常より多くの日本人選手が出場していたのですが、今大会で歴史的なことが起こりました!!