
大文字山?古都の夜景を楽しむトワイライトハイク?
京阪三条駅前から登山道
大の字目がけて銀閣寺道を進む
京阪三条駅前(※)からバスに乗り約20分。銀閣寺道のバス停に到着します。到着したら、まずは、慈照寺を目指して歩いてください。すると哲学の道にさしかかります。この辺りでは平日であっても国内はもとより海外からの観光客の姿がたくさん見受けられます。そこからしばらく、おかきや京都名物・生八つ橋を売る、おみやげ屋さんが並ぶ道を真っ直ぐと進めば、慈照寺の入口に到着します。そして、慈照寺の目の前の道を左に曲がり、道なりに行くと、大文字山山頂へ向かう道標が用意されています。その案内に従って進んでください。最初は、舗装された道路を歩きます。坂は急でしばらくきつく感じますが、頑張って登って行きましょう。少し進むと、舗装道が終わり木段に変わっていきます。周りには杉が多く見られます。
※バスは、京阪三条駅のほか京都駅、四条河原町方面からの運行もあります。詳しくは、ルートガイドの交通アクセスよりご確認下さい。
木段から大文字の火床
送り火の火床から見る京都の街
木段を上りしばらく進むと、コンクリートの階段に変わります。そこを上りきれば、五山の送り火の中でも有名な大文字の火床に到着します。京都の鴨川など下から眺めると一見、線で繋がっているように見えますが、火床が等間隔にあり薪を並べて送り火が行われていることを知ることができます。ちなみに五山の送り火の起源については諸説あり、平安時代初期に弘法大師(空海)が始めた、室町時代中期に足利義政が始めた、または江戸時代に近衛信尹が始めたなど時代も背景も全く違います。また、火床の数は75基で薪の数は約600束、そのほか松葉と麦わらがそれぞれ100束ずつ使われているようです。そんな伝統行事が行われている場所、かつ1時間未満で到達することもできるため、海外からの観光客が上っている姿を見られるのも京都のここ大文字山ならではの光景です。実際に、上った2月の中旬でもたくさんの外国人とすれ違いました。火床付近からは、京都の街が一望でき、大文字山随一の絶景ポイント。正面には御所、そこから南へ目をやると京都タワーなど市内全域が見渡せます。
※毎年、8月16日の五山の送り火当日は入山禁止となります。
大文字の火床から大文字山山頂
夕焼け、夜景と楽しみ方いろいろ
火床の様子や街の景色などを楽しんだら、三角点を目指して上へ。階段が少し続いた後、また森へと入っていきます。軟らかい土のところが続きますので、雨の日の翌日などは滑らないように注意しましょう。しばらく進むと山頂です。特に看板などはなく、三角点のみなので見過ごしてしまいそうですが、近くに展望用の椅子などが用意されているので、それを目印にするのも良いでしょう。山頂からは、山科、蹴上方面へ下る道もありますが、今回は、戻って火床からの夕焼け、夜景をご紹介します。少し休憩を取ったら、上ってきた道を火床まで戻ります。そして、日の入りまでゆっくりと過ごしましょう。大文字山は、466mと低山です。道も舗装道あり階段ありで上りやすく、普段よりも軽装で楽しめますので、日の入り時刻(「国立天文台 公式サイト」で調べることができます)まで過ごせるように、本などを用意していくと良いでしょう。徐々に太陽が沈み、明るかった空が暗くなると、少しずつ街に灯りがつき始めます。京都の街には、高層ビルがありませんので、ホテルの上層階から見る景色とは異なり、より自然との調和が取れた景色として目に飛び込んでくる気がします。ゆっくりと、夕方から夜にかけての景色を楽しんだら、ヘッドライトなど灯りを付けて下山です。
※夜景を見てから下山する時は、必ずヘッドライトなどの灯りを持参してください。帰り道に真っ暗になり足下がほぼ見えなくなります。
登山後の楽しみ
下山が遅くならなければ、哲学の道をバス停とは反対方向に向かって歩き、[南禅寺]に寄って帰るのも良いでしょう。赤煉瓦造りの水路「水路閣」や時代劇の撮影などにもよく使われる三門があり、石川五右衛門が「絶景かな」という言葉を残したほどの景色を、実際に三門に上り見ることもできるのでおすすめです。
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立ち寄りスポット情報
登山後記

観光登山にぴったりな大文字山。登山をしながら日本の伝統文化も紹介できるので、外国人を案内してあげるのも良いのではないでしょうか。また、京都の建物の特徴も上から眺めることでより強く認識することもできます。夜景も綺麗なので実際、デートで上っている学生さんもいました。カップルで上ってもよし、いろんな楽しみ方ができる山だと思います。
【取材】松村貴樹/【撮影】米田真也
更新日:2012年3月21日