ツール・ド・フランスとは?
夏季五輪、サッカーW杯に続く世界で3番目に大きいスポーツイベントのツール・ド・フランスは、今大会で第108回目となり、東京オリンピックの影響で例年より1週間早くスタートし、2021年6月26日から7月18日の3週間で開催される。当初、グランデパール(開幕地)は、デンマークのコペンハーゲンとなるはずであったが、新型コロナウイルスの影響でブルターニュ地方を代替地とした。
第108回大会、2021年シーズンに限りUCI(国際自転車競技連合)はグランツール出場チームを例年の22チームから1つ増やして23チームとすることを決定。全出走人数も176人(22チーム×8人)から184人(23チーム×8人)と拡大することになる。出場するのはUCIワールドチーム19と、招待枠を獲得したUCIプロコンチネンタルチーム4の計23チームとなる。
今大会の特長は、山頂フィニッシュが3つに留まり、ピュアクライマーよりもオールラウンダー向けのコースといえる。
スプリンターが活躍する平坦ステージは8ステージ、丘越えステージが5ステージ、そして山岳ステージが6ステージあり、また山岳ステージのうち3ステージが山頂ゴール地点、個人タイムトライアルが2ステージとなっている。
4回目のグランデパールとなるブルターニュのブレストをスタートする第1ステージから全長3km、平均勾配5.7%(最大勾配14%)の登坂フィニッシュ、続く第2ステージも3級山岳フィニッシュとなるので、スプリンターではなく登坂を得意とする選手がマイヨ・ジョーヌをキープするであろう。
第5ステージは27kmの個人タイムトライアル、第8、9ステージでアルプス山脈に入るので、第1週が終わるころには今大会のマイヨ・ジョーヌ争いが見えてくるはずだ。
第2週目序盤の第11ステージは、今大会注目の「南仏の巨人」モンヴァントゥーを2度登る過酷なステージ。2度目の登坂は、全長15.7km、平均勾配8.8%の伝統的な登りであるが、山頂フィニッシュではなく、22kmのダウンヒルののちにゴールとなる。第2週目の週末はピレネー山脈連戦となり、今大会最高峰標高2408mのエンパリーラ峠を経てアンドラにフィニッシュする第15ステージがクイーンステージとなる。
総合争いの雌雄が決する3週目は、第17、18ステージに山頂フィニッシュが用意され、最終日前日の第20ステージ個人タイムトライアル前にタイムを稼いでおきたいクライマーの勝負どころとなるが、2020年大会のように個人タイムトライアルでの逆転も予想され、最後まで目が離せない。
【放送概要】
J SPORTS 4で全21ステージ独占生中継!
また、J SPORTS オンデマンドでも全21ステージLIVE配信!
【期間】
2021年6月26日(土)~2021年7月18日(日)
※7月5日(月)と7月12日(月)は休息日
ツール・ド・フランスとジャージ
全21ステージ中、個人・チームタイムトライアルを除く通常ステージでは、先頭でフィニッシュラインを通過した選手がステージ優勝を手にする。
タイムトライアルでは、参加選手中で最も速くフィニッシュした選手が優勝。
タイムトライアルで同時タイムが計測された場合は、1/100秒単位までタイムを比較する。
ツール・ド・フランスでは、数種の賞が設定され、各賞に応じてた特別なジャージが与えられ、翌日のステージでそのジャージを着用する。
- 個人総合優勝
- 各ステージの所要時間を加算し、合計所要時間が最も少なかった、個人総合成績1位の選手には、黄色の「マイヨ・ジョーヌ」着用の権利が与えられ、最終ステージ終了時点で「マイヨ・ジョーヌ」着用の権利をもっている選手がツール・ド・フランスの頂点の証である総合優勝者となる。
- ポイント賞
- 各ステージのフィニッシュラインや、ステージ途中の中間スプリント地点通過順位に応じて、スプリントポイントが加算され、スプリントポイント1位の選手に緑色の「マイヨ・ヴェール」が与えられる。
- 山岳賞
- 山岳ポイントの通過順位に応じて山岳ポイントが加算され、山岳ポイント1位の選手に白地に赤い水玉の「マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ」が与えられる。
- 新人賞
- 25歳以下で総合成績最上位の選手に、白地の「マイヨ・ブラン」が与えられる。
ツール・ド・フランスのここがすごい!
世界約20億人が観戦する一大スポーツイベント
1903年から開催され今年108回目となるツール・ド・フランス。世界的にはオリンピック、サッカーW杯に並ぶ世界3大スポーツイベントの一つに数えられるほど人気が高い。期間中の観戦者だけでもフランスだけでなく世界各国から1500万人、190カ国に中継されるなどまさに世界最高峰と呼ぶべきスポーツイベント。
フランスのブルターニュ地方をスタートとして、今回はフランス国内を時計回りに巡るコースで総走行距離約3,383km!

- ブルターニュ地方のブレストをスタートして、山岳ステージはアルプス、中央山塊、ピレネーの順で回る。その後もフランスとスペインの間にあるアンドラなどを経て、最終ステージでパリへと飛ぶ全21ステージ。最長ステージは第7ステージの249.1km!2000年以降としては最長距離で大阪から静岡県浜松あたりまでの距離を1日で走ることになる。
レース賞金

- ツール・ド・フランスの賞金総額は、約230万ユーロ(約2億8千万円)にものぼる。個人総合優勝者が総額の5分の1以上を手にする。ツール・ド・フランスには様々な賞が設けられているがそれぞれに賞金が設定されている。(2020年時点)
ツール見どころのひとつ「山岳ステージ」

- 上り坂の勾配と長さに応じて5段階のカテゴリーが決められている。最も難度が高いカテゴリー超級とは、四輪駆動等ではない乗用車では通行が困難な箇所という意味合いを有する。
平均時速40km/h!

- 総合優勝者の平均速度は40km/hを超える。ステージによっては50km/h近くになることも。ゴール前のスプリントでは時速60kmを軽く超える。下り坂では100kmを超えるスピードとなり、雨のステージなどはかなりスリリングな走りを見ることができる。
フランス各地の美しい景色

- フランス全土を3週間かけて駆け巡る。レースのことがよくわからなくても、フランス各地の美しい風景を見ているだけでも楽しくなる。美しい街並み、のどかな田園風景、中世のお城や教会、壮大な山岳風景などヘリコプターによる空撮を交えながら、マラソンなどの中継にはない多彩な風景が楽しめる。
自転車界のF1マシン
レースに使用される自転車は「ロードバイク」と呼ばれる競技用自転車。最先端の技術が投入され、軽量かつ長距離走行にも耐えられるよう、強靭に作られている。開発費には、数億円もかけられている自転車もあるという、まさに自転車界のF1マシンと言える。ただ、お金さえ許せば、選手と同じ自転車に乗れるというのも魅力の一つ。
悪魔おじさん
熱狂的なサイクルロードレースファンで、赤いマントに角と尻尾をつけた悪魔のコスチュームを着て、手には三叉のフォークを持った姿で沿道に現れ応援する。彼が現れる数km手前には三叉フォークのペイントが道路に描かれている。今年はどこに現れるのか?
日本人出場の可能性

- 日本人選手で出場の可能性があるのは、バーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也。チーム内でも信頼されるアシストの地位を確立しており、出場が叶えば日本を代表するエースによる悲願のツールステージ優勝を果たして欲しい。または、EFエデュケーション・NIPPOの別府史之と中根英登。特に日本屈指のクライマーの中根のツール初出場に期待。
※大会開催時点で出場していない場合があります。
大会スケジュール
- ステージ
- 開催日
- 場所
- 第1ステージ
- ■第1ステージ
- 6月26日(土)
- [ブレスト〜ランデルノー]187 km (丘越え)
- 第2ステージ
- ■第2ステージ
- 6月27日(日)
- [ペロス・ギレック〜ミュール・ド・ブルターニュ/ゲルレダン]182 km (丘越え)
- 第3ステージ
- ■第3ステージ
- 6月28日(月)
- [ロリアン〜ポンティビー]182 km (平坦)
- 第4ステージ
- ■第4ステージ
- 6月29日(火)
- [ルドン〜フジェール]152 km (平坦)
- 第5ステージ
- ■第5ステージ
- 6月30日(水)
- [シャンジェ〜ラヴァル(エスパス・マイエンヌ)]27 km (個人TT)
- 第6ステージ
- ■第6ステージ
- 7月1日(木)
- [トゥール〜シャトールー]144 km (平坦)
- 第7ステージ
- ■第7ステージ
- 7月2日(金)
- [ヴィエルゾン〜ル・クルゾ]249.1 km (丘越え)
- 第8ステージ
- ■第8ステージ
- 7月3日(土)
- [オヨナ〜ル・グラン・ボルナン]151 km (山岳)
- 第9ステージ
- ■第9ステージ
- 7月4日(日)
- [クルーズ〜ティニュ]145 km (山岳/頂上ゴール)
- 休息日
- 休息日
- 7月5日(月)
- 第10ステージ
- ■第10ステージ
- 7月6日(火)
- [アルベールヴィル〜ヴァランス]186 km (平坦)
- 第11ステージ
- ■第11ステージ
- 7月7日(水)
- [ソルグ〜マロセーヌ]199 km (山岳/※モン・ヴァントゥ区間)
- 第12ステージ
- ■第12ステージ
- 7月8日(木)
- [サン・ポール・トロワ・シャトー〜ニーム]161 km (平坦)
- 第13ステージ
- ■第13ステージ
- 7月9日(金)
- [ニーム〜カルカソンヌ]220 km (平坦)
- 第14ステージ
- ■第14ステージ
- 7月10日(土)
- [カルカソンヌ〜キヨン]184 km (丘越え)
- 第15ステージ
- ■第15ステージ
- 7月11日(日)
- [セレ〜アンドラ・ラ・ヴィエイユ(アンドラ)]192 km (山岳)
- 休息日
- 休息日
- 7月12日(月)
- 第16ステージ
- ■第16ステージ
- 7月13日(火)
- [パ・ド・ラ・カーズ(アンドラ)〜サン・ゴダンス]169 km (丘越え)
- 第17ステージ
- ■第17ステージ
- 7月14日(水)
- [ミュレ〜サン・ラリー・スラン(コル・デュ・ポルテ)]178 km (山岳/頂上ゴール)
- 第18ステージ
- ■第18ステージ
- 7月15日(木)
- [ポー〜リュス・アルディデン]130 km (山岳/頂上ゴール)
- 第19ステージ
- ■第19ステージ
- 7月16日(金)
- [ムランクス〜リブールヌ]203 km (平坦)
- 第20ステージ
- ■第20ステージ
- 7月17日(土)
- [リブールヌ〜サン・テミリオン]31 km (個人TT)
- 第21ステージ
- ■第21ステージ
- 7月18日(日)
- [シャトゥ〜パリ〜シャンゼリゼ]112 km (平坦)







































