西島大介「Girl/Boy EP」セルフライナーノーツ~2017年トゥルーエンドを探して~

2017/11/24

WRITER西島大介

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西島大介「Girl / Boy EP」セルフライナーノーツ~2017年トゥルーエンドを探して~

泉信行さんとの連載「私たちの気付かない漫画のこと」で挿絵・イラストを担当されている漫画家・西島大介さんの展示会「トゥルーエンドを探して/In Search of the TRUE END」が2017年11月18日(土)~12月2日(土)まで開催中。Zing!の「西島大介による『ディエンビエンフー TRUE END』最終案内」でもふれられている『ディエンビエンフー TRUE END』6話の生原稿や絵画、立体作品などが展示されています。また、音楽家「DJまほうつかい」名義での「Girl/Boy EP」アナログ盤も会場で先行発売中! 足を運んでみてはいかがでしょうか。今回は展示会場でも公開されている、(西島さん曰く)「長すぎる」セルフライナーノーツをZing!だけで公開します!


「Girl/Boy EP」

真っ白な「ぼうや」の立体作品に、シンプルな「Girl/Boy EP」の文字。2017年、椎間板ヘルニアを発症し闘病中のはずのDJまほうつかいから突然届けられたのは、CDでも配信でもなく、初のアナログ7inchレコードだった。
かつてAPHEX TWINがリリースした同名EPへのオマージュかと思わされるが、テーマは「娘と息子」。「Girl Side」にはピアノ曲2曲に加え、実の娘の声をエディットしたリミックスを収録。「Boy Side」では息子に捧げた未発表のピアノ曲や盟友detune.との共作を収録。タイトル以外はAPHEX TWINとは無関係なようだが、しかしそこにはコーンウォールの田園風景にも似た、静かな音楽世界が広がっていた。

個展「トゥルーエンドを探して/In Search of the TRUE END」の開催と時を合わせて先行リリースされるレコード『Girl/Boy EP』の発売を記念して、3rdアルバム『Metaltronica』リリース以降、2012年から現在に至るDJまほうつかいの活動をまとめてみた。『Girl/Boy EP』のタイトル中にある「/(スラッシュ)」のように、男の子/女の子、生/死、白/黒、東京/地方都市、震災以前/以後など、様々な切断面を発見することができるはずだ。針を落とす前に、いや針を落としながら、お読みいただきたい。

【2012年】

2012年初頭、DJまほうつかいは孤独の中ふと思い立ちSoundcloudでラジオ番組「DJまほうつかいのwindandwindows」をスタート。過去何度かゲスト出演した蓮沼執太のポッドキャスト「windandwindows」の模倣で、震災を経て地方に暮らす環境の中淡々とピアノ曲のスケッチを配信するという内容だった。放送回数は全32回、トータル時間は4時間27分16秒に及んだ(後にデータCD-R化)。

同年3月、OTOTOYの震災復興コンピレーション『Play for Japan 2012』vol.11 にピアノ曲「All those moments will be lost in time」ライブテイクを提供。

同年8月9日、横川シネマで開催されたシンガーソングライター・二階堂和美主催の「堂脈」と、音楽家・大友良英の「フェスティバルFUKUSHIMA!」の共同イベント「二階堂和美 presents 堂脈vol.7×フェスティバルFUKUSHIMA!」に客入れピアノ演奏者として出演。真夏、超満員の観客がすべて着席するまでに予想以上の時間を要し、結果的に1時間以上もステージ上で汗だくでピアノを演奏し続けることに。これが縁となり翌2013年の「フェスティバルFUKUSHIMA!」のポスターのヴィジュアルを手がける。この年から盆踊りにはまり、浴衣の着付けを習得する。また下記はweb ele-kingに寄稿した「僕が考える盆踊りDJ」プレイリストである。

1.Shing02 - 雨ニモマケズ (intro)
2.向井秀徳 vs スガダイロー - 二〇一一年 五月十一日
3.二階堂和美 - ショキショキチョン
4.SAKEROCK - 千のナイフと妖怪道中記
5.清竜人 - おどれどつきまわしたろか
6.DE DE MOUSE - east end girl (keeps singing) remixed by SENOR COCONUT
7.Starkey - New Cities (Featuring Kiki Hitomi)
8.オノマトペ大臣 - S.U.B.urban
9.小沢健二 - シッカショ節
10.プロジェクトFUKUSHIMA! - ええじゃないか音頭

10月14日、アサヒアートスクエア「蓮沼執太 9:STUDIES(for Event)」にヌケメバンドのゲストとしてSkypeで遠隔出演。「勉強」がテーマのこのイベントに合わせ、森高千里「勉強の歌」を自宅リビングから娘と一緒に熱唱。

10月31日には渋谷2.5D 「ひらめき☆マンガ学校 2.5D特別集中講座 試験に出る永野護とF.S.S.」に出演。『ディエンビエンフー』にも多大な影響を与えた『ファイブスター物語』の登場人物ダグラス・カイエンのコスプレ(「滅」の文字が入った浴衣)でDJブースに立ち、F.S.S.単行本のページをめくり続けるというパフォーマンスを披露。他出演者は、クラムボン・ミト、さやわか、岡田育、雨宮まみ。雨宮とは2010年「エクス・ポ・ナイト」X JAPANコピーバンドで「旗振り係」を担当してもらって以来の共演だった。

12月22日、六本木スーパーデラックスで開催された「CC 10th Anniversary Party!!」に出演(2005年に西島は「コモコモ」というクリエイティヴ・コモンズ対応のマスコットキャラクターを制作した)。自作曲とともに当時「音楽のクックパッド」として「2012年以降の音楽の著作権の解放」を宣言したインストバンド「サンガツ」の楽曲を著作権的に正しくカバー。VJは分解系の矢向。「コモコモ」が映像の中でプルプルと動いた。
コモコモ

2012年、まとまった形での音源のリリースはなかったが、「モーニング・ツー」誌のマンガ連載をまとめた『すべてがちょっとずつ優しい世界』を刊行。闇と静寂に包まれた「くらやみ村」を舞台にした寓話的な物語と、極限までシンプルで静的な絵柄は、DJまほうつかいのピアノ音楽と呼応し、これ以降音楽活動は静的なピアノに向かっていく。

【2013年】

2013年1月6日、新宿PitInnで開催されたフリージャズバンドのblacksheepと秘宝感との共同開催「大黒宝祭」に、プロデュースを依頼されていたディアステージ所属のアイドル「あさきゆめみし」(白水桜太郎&竜宮さかな)を伴って出演。Beckが楽譜のみで音楽をリリースしたことに共感し、譜面とピアノ伴奏だけでアイドルを作ろうと考え、そのコンセプトを「鍵盤と偶像」と命名。曲間はアイドル自身の寸劇やフリートークで埋められ、シアトリカルで即興性の高いステージを作った。PitInn内でファンによるオタ芸が発生するなど、大盛況となったが、このお披露目の日に「あさきゆめみし」は解散。

3月、大友良英らによるプロジェクトFUKUSHIMA!支援企画「DIY FUKUSHIMA!」に原発目線のピアノ曲「Don't Let Me Meltdown」を提供。配信リリース。

同月『すべてがちょっとずつ優しい世界』が、地元の書店が選ぶ「広島本大賞」を受賞したことをきっかけに、広島タワーレコードの25周年&リニューアル記念「NO MUSIC, NO LIFE」ポスターを制作。DJまほうつかい×タワーレコードグッズの制作や、インストアライブを開催するなど、交流が続く。

8月7日、初のピアノ曲『All those moments will be lost in time EP』(windanwindows 2/HEADZ 180)をリリース。90年代より愛聴していたレーベルHEADZからCDデビューする。当初はHEADZ内の蓮沼執太の個人レーベル「windandwindows」からの配信限定リリースの予定だったが、「NO MUSIC, NO LIFE」ポスターを見たレーベル担当者が「フィジカル盤があった方がいい」と判断。ポスターと同じ絵柄でCDジャケットが制作され、リリースされた。帯コメントは蓮沼執太。

曲タイトル「All those moments will be lost in time」とは映画『ブレードランナー』のラストシーンで凶暴なレプリカントが雨の中絶命する時の有名なセリフ。音源に耳を澄ますと、X JAPAN「The Last Song」のYOSHIKIのように、小さくそのセリフを囁く声が聴こえる。収録曲はdetune.によるポップソングとしての再構築や、Metaltronicaによるセルフリミックス、suzukiiiiiiiiii、youpy、柿本論理(mochilon) 、伊藤拓史と共演した京都METROでのライブ演奏など多彩。

ドキュメンタリー的なMVの撮影には、後にパープルーム予備校(大学)を立ち上げる美術家の梅津庸一らが参加しており、彼の立体作品も1カット写り込んでいる。(西島は2009年に梅津キュレーションの「zaimizamzima」展に参加 、展示会場の横浜ZAIMでYOSHIKIのピアノ曲を演奏している)。
リリースにあたり、ワタリウム美術館地下ミュージアムショップ「オンサンデーズ」でアイドルを真似て突発的に先行チェキ会を開催するが、集客はわずか7名。参加者から「平日開催で17時スタートはありえない」「握手、サイン、チェキの全部盛りはダメ。ルールを詳細に段階的に設定しないと乗れない」と強くダメ出しを受けることに。イベントは通称「ドすべりチェキ会」と呼ばれ、レギュレーションの大切さを学ぶ。

【2014年】

2014年2月6日、『すべてがちょっとずつ優しい世界』がメディア芸術祭推薦作に入賞したことから、急遽、六本木SuperDeluxe 「第17回文化庁メディア芸術祭受賞作品展 Sound and Vision」に出演。他出演者は、環ROY、森翔太、Z-machine(スクエアプッシャーとも共演した演奏ロボット)ら。バリトンサックス吉田隆一に加え、幽霊つながりで「Moe and ghosts」のフィメールラッパーMoeが飛び入り参加。この時のライブは2ndピアノEP『Ghosts in the Forest EP』に収録された。その夜の打ち上げでは「頭部」のみの登場で演奏をしなかったZ-machineに対する「演奏しないポンコツ」「人類は機械に勝った」というディスが飛び交った。

また、リハーサルでは森翔太の「仕込みiPhone」を装着しピアノを弾くことが試みられたが、腕が固定されまったく弾けずアイデアは却下された。この頃より、DJまほうつかい・ギター石塚周太・バリトンサックス吉田隆一によるトリオが固定化する。

8月13日、前作から1年ぶりに、ピアノ曲EP第二弾『Ghosts in the Forest EP』(WEATHER 062/HEADZ 195)をリリース。「森のおばけ」をイメージした、ライブではおなじみの即興性の高いユーモラスなピアノ曲。アニメーションによるMVは子犬(fu_mouのMVなどで活躍)との共同制作。EPには上記の「Sound and Vision」ライブテイクや、Metaltronicaのセルフリミックスとともに、ジャケットを担当したりと親交の深かったボカロP椎名もた(ぽわぽわP)による楽曲も収録。リミックスと言いつつ原曲は未使用、西島のマンガ諸作品からの引用と敬意(リスペクト)が散りばめられたオリジナルのボーカロイド曲だった。帯コメントは佐々木敦。

また「Ghosts in the Forest」は、RCC制作の「radiko」TVCMに起用され、また広島PARCOの展示告知に起用されるなど、DJまほうつかいにとって初めてのCM曲にもなった。

10月7日、千代田アーツ3331で開催された宇川直宏主宰DOMMUNE「ele-king TV 特集APHEX TWIN」に出演。APHEX TWIN13年ぶりのアルバム『Syro』発売記念の企画で、APHEX TWINのアルバムと同名で90年代半ばを舞台にした青春群像の単行本『I Care Because You Do』の刊行があっての起用。他出演者は、初音ミク開発者クリプトン・フューチャー・メディアの佐々木渉、野田努、三田格、政治学者・五野井郁夫。久しぶりのDJプレイはAPHEX TWINへの愛情が溢れすぎてしまい、冒頭15分は隠れていたり、ターンテーブルの上でダンボールで作った犬小屋を回したり(ともに第一回フジロックへのオマージュ)、ミキサーの上をリモコン戦車が走ったり、WindlickerのMVを真似て「ロゴ入りビニ傘」をさして踊ったり、やりたい放題。この時ターンテーブルに乗せて回転させたダンボール製の「犬小屋」は、同年オン・サンデーズにて数週間展示された。タイムラインでは「酷い」「酷すぎる」「酷さが逆にAPHEX TWINらしい」と評判になったが、それ以降DJ依頼の声はかからず。セットリストは以下。

  1. 1.On/Aphex Twin
    2.Pulsewidth/Aphex Twin
    3.Alberto Balsalm/木下美紗都と象さんズ(live at 渋谷La.mama/2013.8.11)
    4.mirror mirror (bombs BiS)/Vampillia
    5.Come to Daddy/Aphex Twin
    6.Silent Jealousy(intro)/X
    7.windowlicker/Aphex Twin
    8.はなはず☆じぇーむす!! OP[そうあい?4Seasons]/imoutoid
    9. Richard’s Hairpiece (Remix By Aphex Twin)/Beck
    10.PAPAT4 [155] [pineal mix]/Aphex Twin
    11.aisatsana [102]/Aphex Twin
    12.Lornaderek/Aphex Twin
    13.windandwindows(VOLCALOID IS MY DAUGHTER MIX)/DJまほうつかい
    14.Milkman/Aphex Twin

この頃から、音楽家の「アーティスト写真」について自覚的になり、スピッツやmiwaらを撮った写真家かくたみほに撮影を依頼。数年分のアー写をまとめて撮影する。また、このイベントのために『Syro』仕様のアー写も作成。さらにMaltine Recordsと渋谷慶一郎との「ステッカー」をめぐるトラブルを(無関係な立場ながら)平和的に解決すべく、自ら「DJまほうつかいアー写ステッカー」を作成し配布する。最終的に数年後シールは渋谷慶一郎に手渡しされ、「アー写ステッカー・プロジェクト」は一旦完結した。

DJまほうつかいアー写

10月19日、EPリリースの関連イベントとしてタワーレコード渋谷店にて「DJまほうつかい presents まほFes in 渋谷~森のおばけとハロウィンの夜~」を開催。翌年急逝する椎名もたとの最後の共演となった。

【2015年】

2015年5月、「紙巻オルゴール漫画」 という形態で「Last Summer」「Before I Forget」の2曲をリリース。オルゴールは資源が枯渇した世界でも再生可能な音楽装置であり、映画『マッドマックス』にもそんなシーンがあったことを思い出し、参加を快諾。

8月12日、全13曲からなる初のソロピアノ・フルアルバム『Last Summer』(WEATHER 066/HEADZ 207)をリリース。それまでの2枚のEPとは異なり全曲がピアノソロ。初回出荷分300枚にはナンバリングされたドローイングが付いた。老舗音楽批評誌「ミュージックマガジン」で岡村詩野に 9 点と評価されるなど、音楽的にも評価を得る。折りたたまれたジャケットを広げるとポスター大になるデザインは、小沢健二『犬は吠えるがキャラバンは進む』をイメージ。収録曲は以下。

1. improvisation
2. Don't Be So Sad
3. Don't Let Me Meltdown
4. Last Summer
5. windandwindows
6. Ghosts in the Forest
7. Asaki-Yume-Mishi
8. I Know What You Did Last Summer
9. blacksheep
10. Misery
11. Alpha Centauri
12. improvisation
13. New Song

8月15日には、静岡県クレマチスの丘のヴァンジ彫刻庭園美術館の夏の恒例イベント「CANDLE NIGHT」に出演。「CANDLE NIGHT 2015 CONCERT / EXHIBITION すべてがちょっとずつ優しい世界」と題し、美術館内への絵画作品の展示と、ピアノコンサートを同時開催。サポートは石塚周太、吉田隆一、映像でALiが参加、演奏の合間には松井みどりとのトークも。DJまほうつかいにとって過去最大規模のコンサートとなった。


イベントのために新曲「Clematis(クレマチス)」を書き下ろしたが、この曲を木下美紗都がリハーサルなしの飛び入りで歌唱。コンサートを美しく締めくくった。と同時に「鍵盤と偶像」以来再び「歌もの」の可能性を考え始める。

『Last Summer』のジャケットとなった絵画作品「3月のぼうや」は現在ヴァンジ彫刻庭園美術館所蔵。翌年、同美術館で開催された展覧会「生きとし生けるも/ALL LIVING THINGS」にも出展作家の一人として参加し、展示のためのシンポジウムでもピアノ演奏を披露するなど交流が続く。

そんな中、サクライケンタと茉里によるアイドルユニット「いずこねこ」を主役にした映画『世界の終わりのいずこねこ』の制作に共同脚本と「ミイケ先生」役での出演で参加。映画は2015年に3月に一般公開された。映画撮影時に後に「ひめとまほう」を結成する姫乃たまとニアミスしている。

10月、渋谷PARCOで開催された「シブカル祭。2015」のために、写真家の飯田エリカとともにスピンオフ短編映画『レイニー&アイロニーの少女コレクション』を制作。脚本と、ピアノによるサントラを手掛ける。出演者は、永井亜子、緑川百々子、伊東笑(新人)。タイトルからわかるように、澁澤龍彦の著書『少女コレクション叙説』を参照しつつ現代の渋谷に生きる「少女」の儚さを言葉とピアノで描き出した。

この頃、CD-Rプライベートレーベル「DJMR」こと「DJまほうつかいレコード」を設立。手焼き、手包み、非マスタリング、ワンコイン、会場限定販売、即廃盤がコンセプトで、そもそもはライブ打ち上げの飲み代を捻出することが目的だった。音源制作もデザインも製造(CD-Rを焼く)も本人が行うDIY精神は、APHEX TWINの個人レーベル「REPHLEX」の影響。日々の多様な音楽的興味のはけ口となり、結果的に2017年現在までに様々な音源33作をハイペースにリリース。タイトル一覧は以下。

[DJMR-0000]DJまほうつかい前史
[DJMR-0001]Live at 京都METRO
[DJMR-0002]Metaltronica is Still Alive
[DJMR-0003]なんでもありLIVE
[DJMR-0004]IKKI FES 2014
[DJMR-0005]windandwindows4時間27分16秒(データCD-R)
[DJMR-0006]Happy Xmas EP
[DJMR-0007]鍵盤と偶像
[DJMR-0008]DJまほうつかいの少女コレクション序説
[DJMR-0009]鍵盤と偶像II
[DJMR-0010]レイニー&アイロニーの少女コレクション サウンドトラック
[DJMR-0011]買ってはいけない!ひめとまほう
[DJMR-0012]ぼうやのアルバム
[DJMR-0013]Drum & Piano
[DJMR-0014]ボサノバ計画~BOSSA NOVA 2017~
[DJMR-0015]ひめとまほう
[DJMR-0016]真夏のスケープゴート
[DJMR-0017]真夏のスケープゴート(タオル付き「イルクジ夏セット」)
[DJMR-0018]CANDLE NIGHT EP(非売品)
[DJMR-0019]イメージアルバムディエンビエンフー(復刻盤非売品)
[DJMR-0020]リオ五輪
[DJMR-0021]みつばちのささやき
[DJMR-0022]みつばちのささやき秋トート付き限定盤
[DJMR-0023]ボサノバを歌う女の一生
[DJMR-0024]Metaltronica Mixtape
[DJMR-0025]Catacombe~異類婚のエスノグラフィー・サウンドトラック~
[DJMR-0026]Noise Nakamura Plays Jazz Standards(非売品)
[DJMR-0027]Catacombe
[DJMR-0028]Catacombe缶バッジ+サントラ付き限定盤
[DJMR-0029]きゅきゅきゅqtμt
[DJMR-0030]Night
[DJMR-0031]ひらめき☆マンガ教室かいこう!
[DJMR-0032]ひめとまほう作詞集~ヘルニアの夜~
[DJMR-0033]歌バカ

年末、12月21日下北沢Garden「MOOSIC LAB & SPOTTED 2015 YEAR-END PARTY!」に、姫乃たま×DJまほうつかいのユニット「ひめとまほう」名義で出演。「鍵盤と偶像」を思いついて以来、DJまほうつかいは日々密かに作詞作曲「歌モノ」の制作を開始。デモ音源を聴いたアイドル専門ライター岡島紳士の呼びかけで、「ひめとまほう」が結成された。リリース先を探したがどこからも挙手がなく、始めたばかりのレーベル「DJMR」からのリリースが決定。レーベル運営は急速に本格化する。
またこの頃、DJまほうつかいは「一人YOSHIKI」と称して独力でドラムレッスンをスタート。ドラムスティックはSEX MACHINEGUNSシグニチャーモデルを使用。

【2016】

2016年5月、ひめとまほう1stシングル「ひめとまほう」をタワーレコード限定CD-Rとしてリリース。インディーズアイドル枠であれば、手焼きCD-Rでも流通・販売可能ということで、プレスはせず、手包み、手焼きのDIYを貫く。5月22日には初の主催イベント「ひめとまほう presents 夜会」を荻窪velvetsunにて開催。直前に女性シンガーソングライター刺傷事件が発生し、姫乃のもとにテレビ取材陣が押し寄せ、イベント中に地上波の取材が数件入る事態に。DJまほうつかいがドラムを叩いたこの日の混沌としたライブ音源は2nd「真夏のスケープゴート」に収録。

国際交流基金の呼びかけで「マンガ・北斎・漫画―現代日本マンガから見た『北斎漫画』」 に作品を出展。北斎がドビュッシーに影響を与えたエピソードから「海」をテーマにした即興ピアノ曲も制作した。

「サントリーふんわり鏡月」のWEB広告を担当し、やはりここでもピアノ曲を提供。広義のCM音楽。

7月には2nd「真夏のスケープゴート」、11月には3rd「みつばちのささやき」をリリース。2nd以降グッズ付き初回限定特典を制作するようになり、グッズ制作がスキルアップしていく。

一方、『Last Summer』に続く2ndソロピアノは密かに進行。作曲、録音、マスタリングまでの行程が終了し、仮タイトル『Nighty-Night』やジャケットのヴィジュアルも決定。スピンオフ的な短篇マンガも執筆したが(ヴァンジ彫刻庭園美術館『生きとし生けるもの』展カタログに収録)、リリースのめどが立たず、当面「寝かせる」状態にあった。

この頃、DJまほうつかいは「ボサノバ」研究を開始。カフェボサ、夜ボサ、ジブリボサというTSUTAYAのボサノバコーナーの充実ぶりに驚き、世に溢れる「ボサノバ枠」の探求をしたくなったことがきっかけだった。神保町「温室」において定例イベント「魔法のサウダージ」を9月にスタート。ギター&バリトンサックスという編成で、DJまほうつかいの楽曲をボサノバ的に演奏する企画。またボサノバ研究の延長で、DJまほうつかいは少しずつギターを弾き始める。愛機は息子の誕生日プレゼントとして購入した子供ギター。

【2017】

2017年1月、東浩紀が主催するゲンロンスクールで西島大介がさやわかと共に講師を務める「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」の募集が始まり、PRとして「校歌」を制作。即日定員に達し、受講生は増員された。また後に一部受講生らと教室内に「けいおん部」を設立。校歌のカバーやリミックスが生まれる。

また同月、掲載誌休刊につき長い間「未完」だった長編『ディエンビエンフー』が『ディエンビエンフー TRUE END』として新連載開始。「トゥルーエンド」に代表される分岐やジャンルの越境が大きなテーマとなり、個展のタイトルへとつながる。

2月、ひめとまほう4th「Catacombe」を緊急リリース。これはDJまほうつかいが石塚周太のサポートの元に劇伴を手がけたSF映画『異類婚のエスノグラフィー』の主題歌であり、初めてギターで作詞作曲した楽曲。スプリット盤としてMeison ette Meisonのカバーバージョン「Catacombe」も収録し、曲提供の醍醐味を知る。

音楽活動、マンガ家活動ともに順風満帆と思われたが、しかし同月下旬、突如椎間板ヘルニアを発症。一時期は強烈な痛みのために立つことも歩くこともできず、夜寝ていても激痛としびれで目が覚めるという状態に。全てのライブ予定をキャンセルし、ほとんど完成していたソロピアノ2nd『Nighty-Night』およびひめとまほう1stアルバム『姫と魔法』のリリースを無期延期。自室に引きこもり、人に会うことすらやめてしまった。

この年、中咽頭がん治療を経た坂本龍一はアルバム『async』をリリース。YOSHIKIは激しいドラミングの影響から悪化した頚椎間板ヘルニアを緊急手術。敬愛する二人の活動を横目に、DJまほうつかいは手術に頼らず、ニュージーランドの理学療法士が考案した「マッケンジー体操」というストレッチで椎間板ヘルニアを長期的に治療することを選択。

givemepain

Give me some more pain.
The Most Beautiful Sound Next To Silence.

痛みの中、沈黙の次に美しい音楽を探している。そんな言葉を頭に浮かべながら約9ヶ月のリハビリ治療、音楽的な空白を経てリリースされたのが真っ白いジャケットの7inch盤『Girl/Boy EP』だ。

ジャケットを彩る「ぼうや sculpture 枝をもって」は、3Dプリンターを活用した立体作品。お尻の底面にはレコード軸と同じサイズの穴が空いていてターンテーブルの上で回すことができる。解説は吉田隆一。収録曲は以下。

bouya

[Girl Side]
1. Last Summer
2. I Know What You Did Last Summer
3. windandwindows(My Girl Mix)

[Boy Side]
1. My Boy
2. Clematis
3. All those moments will be lost in time(Tiny Boy Mix)

先行発売会場にして個展「トゥルーエンドを探して In Search of the TRUE END」の展覧会場であるAWAJI Cafe & Galleryでは、復活コンサートとなる「DJまほうつかいピアノコンサート in AWAJI~復活の夜~」を開催。また、『Girl/Boy EP』とは異なる最新曲2曲をすでに完成させているという。痛み/沈黙を経て、活動休止/復活したDJまほうつかいがどんな表現を見せてくれるのか、注目したい。

  • 西島大介/DJまほうつかい
  • プロフィール

    西島大介/DJまほうつかい

    漫画家。音楽活動の名義は「DJまほうつかい」。2004年『凹村戦争』でデビュー。『世界の終わりの魔法使い』『すべてがちょっとずつ優しい世界』など作品多数。「月刊IKKI」休刊により未完となった『ディエンビエンフー』が双葉社「月刊アクション」に移籍。完結を目指し『ディエンビエンフー TRUE END』第1巻を2017年8月10日刊行。「ゲンロン ひらめき☆マンガ教室」主任講師も務める。


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