お酒を「飲まない」人のためのバー入門 ゲーム「VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)」などでバーに憧れた人へ

2018/01/17

WRITERインタビュー:Zing!編集部 ピーター/テキスト:トライアウト・堀家千晶/撮影:トライアウト・吉川寿博

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お酒を「飲まない」人のためのバー入門 ゲーム「VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)」などでバーに憧れた人へ

株式会社アクティブゲーミングメディア(以下AGM)が運営するゲームメディア「AUTOMATON」とZing! がコラボ! これから数回にわたってコラボ記事をお届けします! 「Zing!×AUTOMATON」コラボでは、今後もゲームにまつわる新しい視点や解釈を紹介したり、各分野のプロフェッショナルに1本のゲームを考察してもらったり……といった企画を検討中。「AUTOMATON」の「ゲーム」への知見と、新しい「視点」を考えるZing!それぞれの良さを活かし、ゲーム好きの方にもそうでない方にも役に立つ、新たな発見のある記事にしていきたいと思います。どうぞお楽しみに!
記念すべき第1弾は2017年発売の人気ゲーム「VA-11 Hall-A」などで、バーに興味を持った人に向けた「バー入門」をテーマに、それぞれの視点で取材します。Zing!サイドは「お酒を飲まない人でもバーを楽しめるのか?」という視点でバーに行ってお話を伺いました。結論としては、お酒を飲まない人でも結構バーを楽しめそうですよ! ぜひ興味を持ったら行ってみてください。

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「VA-11 Hall-A」はバーテンダーが主人公のビジュアルノベルゲーム

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まずは今回の記事のきっかけとなったゲーム「VA-11 Hall-A」について触れておきましょう。2017年11月16日にPS VITA®とPCで日本語版が発売になった「VA-11 Hall-A」は、未来の都市「グリッチシティ」を舞台にしたサイバーパンクテキストアドベンチャーゲームです。バー「ヴァルハラ」は日常に疲れた人々を癒す、都会のオアシス。プレイヤーは「ヴァルハラ」のバーテンダー「ジル」となり、様々な客の話を聞きながら、カクテルを提供します。

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客の希望通りのカクテルを出すか、まったく異なるカクテルを出すかはプレイヤー次第(アルコールを抜くこともできます)。提供するカクテルによって、物語は異なる展開を迎えます。個性豊かなワケアリ客や同僚たちに囲まれて、バーテンダーと1杯のカクテルはどんな物語を紡いでゆくのか……。美しくも儚い芸術的な世界観と、独特のゲームシステムが融合したゲーム性は海外でも高く評価され、満を持しての日本語版リリースとなりました。発売後、多数のファンアートがSNSに投稿されたり、小説家の間でも話題になったりと盛り上がっています。

「VA-11 Hall-A」以外のゲームでも、バーはよく出てきますよね。ゲーム以外でも、村上春樹さんの小説や、ジム・ジャームッシュ映画や、「デッドプール」にだってバーのシーンは出てくるし、なんかかっこいい……。ちょっと憧れる。でも、お酒を飲まない人がバーに行ってもいいんでしょうか? 行ったとしても、どう振る舞えばよいのでしょうか。悩むくらいなら行ってみた方が早い! ということで、バーに行ってバーテンダーの方にお話を伺いました!

芥川賞作家・玄月さんプロデュースの文学バー「Bar Liseur」

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「お酒の飲めないお客様も気軽にご来店ください。」

そんなホームページの一文を頼りに訪れたのは、南船場にある「Bar Liseur」。この店のバーテンダーを務めるのは、2000年に『蔭の棲みか』で第122回芥川賞を受賞した作家の玄月さん。壁一面に本が並んだ隠れ家的空間で、お酒とともに読書や会話を楽しめる、素敵なバーです。本に囲まれているおかげか、少し緊張が解れてきました……。この勢いのまま、さっそく本題に移りたいと思います!(本だけに……)。

お酒を飲まない人のためのバー入門

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――そもそもお酒を飲まない、飲めない人がバーに行ってもいいのでしょうか?

バーにもよるかもしれませんが、うちはまったくOKですよ。「文学バー」というコンセプトから、ブックカフェに近い気分で来店される方も多いので、他店に比べて飲まない人、弱い人や飲み慣れていない人の割合が高いかもしれません。

――そうなんですね。でもお酒を飲まない人ばかりだとお店に迷惑ではないですか?

席数が多くないこともあって、烏龍茶1杯で2時間も3時間も粘られれば商売的には困りますが(笑)。それはお酒を飲める人でも同じです。うちのメニューは基本的にアルコールとソフトドリンクでたいした金額の差はないので。

――読書に没頭すると、ついつい長居してしまいそうですね。

よくそう言われますが、実際には黙々と読書をする人は少ないんですよ。全体の1~2割ぐらい。お酒を飲みつつ、本を肴に語りたい方が多いようです。愛読書をお薦めしたり、本の感想を言い合ったりね。接客するうちにお客さまの本の好みを覚えてしまって、別のお客さまと引き合わせたりすることもありますよ。ここで出会って結婚したカップルもたくさんいますから。

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――なんて素敵なマッチングサービス! 話を戻しますが、お酒を飲まない人はバーで何を注文したらいいのでしょうか。

うちはオレンジジュースなどのソフトドリンクのほか、コーヒーに紅茶、中国茶や韓国茶も用意しています。女性にはお茶が人気ですね。ノンアルコールカクテルもジンジャーエールにライムを利かせた「サラトガクーラー」などメニューには4種類。お好みのフレーバーでつくることもできます。

――ノンアルコールカクテルでも好みに合わせてつくってもらえるんですか?

もちろんですよ。私は独学でやっているので、そんなにスゴイものはつくれませんが、例えば「柑橘系が好き」「爽やかな香りの……」「元気が出そうな一杯!」など、お客さまの「飲みたい!」リクエストにはできるだけ応えられるように頑張ります。アルコールが使えないので、普通のカクテルよりバリエーションは少なくなってしまいますが……。

――ノンアルコールなのに、リクエストまでするのは申し訳ない気が……。

そんな気遣いは不要ですよ。むしろ積極的にバーテンダーに言うべきです! 飲みたいものを飲んで楽しんでもらうのが一番ですからね。

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――それってリズールさんだけじゃなく……?

オーセンティックなホテルのバーだったら、一流のバーテンダーがもっとしっかりとリクエストに応えてくれると思いますよ。

――ちょっと安心しました。お酒を飲める人と一緒にバーに行く場合、飲まない人は飲める人に次のお酒を勧めるとか気を遣ったほうがいいんでしょうか?

うーん、そんなことはないと思いますけどね。男性同士の場合は、飲みたい人は勝手に飲んでいますし、女性同士だと全員飲まなくなっちゃったりしてね。お酒を飲まない人は飲む人のペースなんて分からないでしょうし、気を遣わなくていいんじゃないですか。

――なるほど。変に気を張らずに、飲み物と会話を楽しめばいいんですね。リズールさんにはさらに「本」という楽しみもあるわけですが、何か「本」と「バー」の素敵な関係ってありますか?

例えば、小説に出てきたお酒を試してみるとか? 森見登美彦さんのファンは「電気ブラン」を見ると喜びますよ(笑)※

※森見登美彦の小説『夜は短し歩けよ乙女』および『有頂天家族』には、「偽電気ブラン」と呼ばれる、電気ブランを真似てつくられた酒らしきものが出てくる。

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これは「I.W.ハーパー」の12年モノ。池澤夏樹さんの小説『マシアス・ギリの失脚』で、ゲイのカップルが静かに語り合いながら毎晩一本空けるんだけど、結構高いんだよね、このお酒(笑)。

――へー! それは面白いですね。飲んでみることはできなくても、そういうお話が聞けるだけで、より理解が深まりますね。「あのふたり、意外と金持ちだったんだな」とか(笑)。ところで、ノンアルコールカクテルって、家でもつくれるものなんでしょうか。

つくれますよ。フルーツジュースや柑橘、あとはグレナデン・シロップ※ぐらいあれば十分じゃないですか。コンビニには置いていないかもしれないけれど、スーパーや酒屋さんに行けば買えますよ。

※ザクロの果汁と砂糖からなるノンアルコールの赤いシロップ。

――なるほど! ノンアルコールでもおいしいカクテルは結構つくれるものなんですね。せっかくなので、そのグレナデン・シロップを使ったノンアルコールカクテルをつくっていただけないでしょうか?

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では、こんな感じでいかがでしょうか。名前ですか? そうですね。では「燃えるサンセット」で。冬は夕日のキレイな季節ですからね。

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「燃えるサンセット」
パインジュース/グラス3分の1
クランベリージュース/グラス3分の2
グレナデン・シロップ/適量
レモン/8分の1個

――さっぱりしていておいしいです! 少しずつ赤く染まっていく様子が本当に夕日みたいです。味はもちろん、目でも楽しめるのがいいですね。バーの方針や雰囲気にもよるのでしょうが、お酒が飲めなくても、飲まなくてもバーを楽しめるんだということが分かりました。バーって、バーテンダーの方や他のお客さんとの一期一会の出会いやコミュニケーションが面白い空間なんですね。ぜひまた伺いたいと思います! 今日はありがとうございました!


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・「PS VITA」は、株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントの登録商標または商標です。

  • Shop info

    Bar Liseur

    住所:大阪府大阪市中央区南船場4-11-9 コムズビルB1F
    電話:06-6282-7260
    営業時間:18:00~24:00
    定休日:月・火曜
    システム:ノーチャージ


  • Profile

    玄月

    小説家。1999年、『おっぱい』で第121回芥川賞候補。2000年『蔭の棲みか』で第122回芥川賞受賞。現在は執筆の傍ら、大阪・南船場で文学バー「リズール」を経営している。

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