看護師でコスプレイヤーで旅オタク!?多趣味すぎるロップイヤーさんの場合「オタ女子おしごと百科」第4回

2018/07/09

WRITER劇団雌猫

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看護師でコスプレイヤーで旅オタク!?多趣味すぎるロップイヤーさんの場合「オタ女子おしごと百科」第4回

「いつもオタク現場にいるあの人、一体なんの仕事をしているんだろう?」
ソシャゲに延々お金を注いだり、推しているアイドルのツアーに合わせて全国を飛び回ったり……。すべてを惜しみなく推しに注いでいる彼女たちはいったいどんなお仕事をして、時間とお金をやりくりしているの?
この連載では、劇団雌猫が、日々趣味と仕事の両方にいそしむオタク女子たちにインタビュー。「仕事とオタ活の両立」の工夫や、知られざる「オタ活に向いた仕事」をひもといていきます。

【本日のゲスト】

  • ロップイヤーさん
  • ロップイヤーさん(30歳)

    看護師として働くコスプレイヤー。コスプレだけでなく2.5次元舞台、アイドル、カメラ、旅行、ディズニーなどあらゆる「沼」に浸かっており、毎日充実。最近はMCU(マーベル作品の世界・シリーズの総称)映画を観るのにも忙しい。

夜勤は連続17時間!ハードすぎる看護師の日常

——ロップイヤーさんのお仕事は看護師。誰でも一度はお世話になったことがあると思いますし、ドラマなどでもよく見る職業ですが、そもそもどうやってなるんでしょう?

ロップイヤー:看護師になるには、看護師国家試験に受かる必要があります。そして、受験資格を得るためには、大学の看護学部や医療福祉系の専門学校などを修了しなければなりません。私は、中学卒業後に看護科のある5年一貫の高専に進学して、その後試験に合格して、看護師をやってます。

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——高専から看護科を選んだ、ということは、子供の頃から看護師になりたかったんですか?

ロップイヤー:いや、それが違うんですよ。本当は舞台芸術が学べる学校に進学したかったのですが、あまりにも倍率が高くて。悩んでいるときに幼馴染が「いっしょに看護系に行こうよ」と言うので進路を決めたのですが……蓋を開けたら、看護系のほうが倍率が高くて大変でした(笑)。
入ってからも、覚えることがすごく多くて。学生時代の教科書を積み上げたら、床から天井を2往復できるくらいの厚さありますよ。

——想像以上にハード! 看護師さんという仕事自体も、非常に多忙なイメージがあるのですが、今はどういうスケジュールで働いているんでしょうか?

ロップイヤー:1日のスケジュールはこんな感じです。日勤か夜勤かでだいぶ違いますね。

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——夜勤って、17時間も連続で働くんですか! ずっと患者さんのケアをしているわけではなくて、他にもいろいろやることがあるんですね。

ロップイヤー:患者さんの日常生活のお世話は、もちろん重要な仕事です。でも、デスクワークも結構あります。看護記録をつけないといけないし、日々の業務の情報交換のために、さまざまな委員会——医療安全委員会とか感染対策委員会とか―—に参加してる時間も結構ありますね。その他、関心のあるテーマについての研究活動や論文執筆も行っています。

——めまぐるしいですね……。

ロップイヤー:おかげさまで体力には自信があります。「2時間だけ睡眠とって起きる」といった能力も身につくので、イベント直前に徹夜して衣装製作を間に合わせるのも余裕です!

——そんな利点が(笑)。

「ぜひあなたも」と言われて始めたコスプレイヤー業

——ロップイヤーさんはコスプレイヤーなんですよね。

ロップイヤー:はい。人生で初めてコミケに行ったのが13歳の冬だったのですが、ホールですれちがったお姉さんたちが「ベルサイユのばら」合わせでコスプレをしていたんですよ。「すごい!」って思わずつぶやいたら「ぜひあなたも」と声をかけられまして……それで自分もやってみようと思ったんです。

——え、エモすぎる! 今まで聞いたコミケエピソードのなかでもっともエモいです。

ロップイヤー:そのお姉さんたちのコス、本当にクオリティが高かったんです。写真も何も残っていないのが残念。さすがに最初からそこは目指せないので、『HUNTER×HUNTER』のシズクみたいな、ほとんど衣装をつくらないでも大丈夫なキャラから始めて、徐々にステップアップしていきました。
地方の小さな即売会にコスプレ参加するところから、次第に運営スタッフとしてコスプレをするようになって、そこから友達も広がって……。

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——ロップイヤーさんにとって、コスプレのいちばんの魅力はなんですか?

ロップイヤー:「めっちゃ萌えたから二次創作書いて同人誌出す!」という人はたくさんいますよね。コスプレもそれと同じで、自分のキャラクター愛の表現なんです。衣装やウィッグをどれだけオリジナルに忠実につくれるか、そしていかに理想のシチュエーションで写真を撮れるか……ということに喜びを感じます。

——お写真拝見したことありますが、細部や構図へのこだわり方が素晴らしいですよね。

ロップイヤー:でも最近、頻度はちょっと下がってますね。一時期は月3〜4回コスプレの予定が入っているときもありましたが、社会人になってからは多くて月1くらいかな。

希望休をいかしながら聖地巡礼&海外ディズニーへ

——そもそも、看護師さんってシフト勤務で、土日がお休みというわけではないですよね。趣味の予定調整に困るんじゃないですか?

ロップイヤー:月に9〜10日は休みがあって、そのうち月3日は希望休を提出できるんです。基本的にはこの希望休と有給休暇を利用して、趣味の予定日をおさえています。ただ、野外でのイベントや撮影だと、せっかく前々から予定をとっておいたのに、当日天候に左右されて中止になることも多くて……。コスプレの頻度は抑えて、今は海外旅行に時間とお金を割いています。

——また新たなる趣味の話が。どれくらい行ってるんですか?

ロップイヤー:去年は6回くらい行ったかな? 2ヶ月に1回のペースで海外に行き、その合間に国内にも行ってます。

——もはや「旅オタク」と言えるレベルですよね。そんなに旅行が好きなのは、いつからなんですか?

ロップイヤー:それこそオタクだから、ヨーロッパへの憧れがあるじゃないですか。なんとなく(笑)。

——言いたいことはわかります(笑)。我々が10代のころは『ヘタリア』ブームもありましたしね。

ロップイヤー:そうそう。ヨーロッパに限らず世界のものをいろいろ見てみたい気持ちはずっとあって、小さいときの夢が「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターだったくらいなんです。

——かわいい夢!

ロップイヤー:でもそんなに裕福な家庭に生まれたわけでもないので、家族で海外旅行には行ったことがなくて。そんなときに高専の研修旅行で、オーストラリアの病院や老人施設に行ける機会があったんですね。実費はかかるんだけど、親に頼みこんで参加させてもらったら、本当に楽しくて。
看護科での最後の一年、受験勉強もしながら、レポートも書きながら、研究やりながら、現場の実習も行きながら、めちゃくちゃバイトをしてお金を貯めて、卒業旅行でヨーロッパ周遊を実現しました。そこでタガが外れて(笑)、今では毎月飛行機に乗るような生活をしています。

——そんなにたくさん旅行していて、飽きたりしないんですか?

ロップイヤー:全然飽きないですね。ハマった作品の「聖地巡礼」も好きなんです。水泳アニメ「Free!」の舞台になった岩美(鳥取県)では、コスプレ姿で街をめぐることもできました。交差点に立ってる警察官さんが「岩鳶高校水泳部か?」なんて声かけてくれて、すごく楽しかった。

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あとは、海外でコスプレの材料を調達したりもします。

——えっ、どこで?

ロップイヤー:台湾とか東南アジアとかは、きれいな柄の布が安く手に入るんですよ。市場でレースや造花を大量に買って帰ることもありますね。
旅行といえば、最近は「海外ディズニーパークめぐり」にも精を出していますね。私、ディズニーも好きでして。

——また新たな「沼」の話だ……。

ロップイヤー:海外パークって、カリフォルニアに2つ、フロリダに4つ、パリに2つ、上海、香港にもあって、ハワイには宿泊施設が1つあるんです。そのうえで豪華客船で楽しめる「ディズニー・クルーズ・ライン」というのもある。私は、カリフォルニア以外のパークはすべて制覇しました。

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——世界各地にあるディズニーのパークを訪れるってことですよね。日本のパークにはないものがいろいろあるんですか?

ロップイヤー:敷地が広大でアトラクションのバリエーションも違っているのですが、私がうれしいのは、キャラクターとゆっくり会えることですね。「グリーディング」というんですが、舞浜よりも並ばずにグリーディングできるので、それが一番の目当てです。
ショーやパレードを見るのにも何時間も待つ必要がないし、日本よりも多彩なキャラクターにスポットが当たっているし。舞浜だと、イベント限定だったり、全く出てこなかったりするキャラも結構いるんですよ。「プリンセスと魔法のキス」のティアナとか、「メリダとおそろしの森」のメリダとか……。そういう要素を楽しみつつ、パークごとの違いを味わっています。

オタク継続に「収入の安定」は不可欠

——掘れば掘るほど新しい話題が出てきますが、いったんお仕事の話にもどりましょう。オタクに対して、看護師という仕事をおすすめするなら、どういうポイントがあるでしょうか?

ロップイヤー:やっぱり、収入が安定していることはオタクにとって大きなメリットだと思います。専門資格なので一度取ると食いっぱぐれません。OLを何年かやってから看護師になったという人や、子供ができて主婦になったあとに看護師になったという人もいますよ。お休みが不定期にはなるけれど、どこにいても、どういう状況でも働きやすい職業だと思います。

——転職してくる方もいるんですね! 

ロップイヤー:冒頭でも話したように、学校での勉強にはお金も時間もかかるので、誰にでも勧められるわけではないのですが。
それから、平日昼間の時間が空けやすく、問屋街での買い物がしやすいというのもポイントです。問屋は土日休みだから(笑)。

——ピンポイント過ぎるメリットだ。

ロップイヤー:さらにピンポイントな利点をあげると、コミケの救護スタッフができます! 私も今やっていまして。

——あー! そうか。救護スタッフさんって、看護師や医者の方がボランティアで行っているんですよね。

ロップイヤー:そうそう。業務に支障のない範囲でコスプレを楽しみながら活動しています。参加者の救護活動がメインですが、事前のインフルエンザ等の疾病予防、熱中症対策の注意喚起や啓発も活動のうちです。医療学会風同人誌を作って、同業同士で交流できるのもいいんですよ。いろいろな病院の話や自分の知らない看護の話が聞けて、非常に勉強になります。
あとは逆に、オタクであることが仕事に役立っている部分もあって。

——なんですか?

ロップイヤー:小さい子が入院してきたときに「プリキュア」の絵を描いてあげられる!

HUGっと!プリキュア きせかえマグネットえほん (講談社 Mook(おともだちMOOK))amazon.co.jpより

——あー、なるほど(笑)。

ロップイヤー:中高生のちょっとツンとした子でも、その子がオタクなのを発見して「いいよね、そのマンガ」と話しかけるところからコミュニケーションが生まれたり。

「やりがい」を求めすぎても続かない

——仕事と趣味が接近してきた。どちらも精力的に取り組んでいるロップイヤーさんですが、ぶっちゃけ仕事と趣味だと、どっちが大事ですか?

ロップイヤー:それはもう、趣味ですよ。やりがいはもちろんあるんですけど、この仕事は稼ぐ手段と割り切った方が上手くいく気がします。

——それはどうしてでしょう?

ロップイヤー:患者さんが元気になっていく姿を見るのはうれしいし、自分のアドバイスで前向きになっていく患者を支えていけるというのは、この仕事ならでは。
ただ、入れ込みすぎてしまうと、途中でつらくなっちゃうんじゃないかな。患者さんに怒られたり、場合によっては殴られたりといった目にあうこともあります。それに、日々人の生死と向き合う仕事ですから、それらを受け止めすぎてしまうと、自分が潰れてしまう。

——そうですよね。

ロップイヤー:自分が傷つかないためには、いい意味でリアリストな視点……「他の仕事同様、お金を稼ぐための手段なんだ」という意識があったほうが、私はいいと思っています。

——ずっと看護師を続けたいと思っているんですか?

ロップイヤー:今すぐ辞めることはありませんが、他の仕事をしてみたい気持ちもあるんですよ。進路を選ぶときに、舞台芸術の勉強をしたかった話をしましたよね? そちら方面には今も関心があります。あと、学生時代には写真館でアルバイトしていたくらいカメラも好きなので、撮影やデザインにかかわる仕事もやってみたいなあ……とか。「ものづくり」に対するあこがれは強いです。

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——それこそ資格はもうとってますから、戻りたいと思ったらいつでも看護師に戻れますしね。

ロップイヤー:そうそう! 救護スタッフをやっているように、看護師としての資格をいかしながら医療現場以外の部分にシフトしていくのもアリかもしれないな、ってことも考えています。

——パワフルなロップイヤーさんの生き方に、なんだか元気をもらえました。ありがとうございました!

★ロップイヤーさんの主な浪費

「他人にとっては無駄に見えるかもしれないけれど、本人にとっては真剣で愛のあるお金の使い方」それが、劇団雌猫の定義する「浪費」です。さて、ロップイヤーさんの愛ある「浪費」は……?

1)コスプレ(1回2万円〜5万円)
AKB48の篠田麻里子さんが卒業するときに、ソロ曲の衣装をつくってコンサートにコスプレしていったときがいちばん大変でした。二次元の場合は「形さえ合ってれば布は個人のイメージでOK!」なんですが、AKBの場合現実に衣装が存在しているので、同じ布を探さないと満足できず……。東京中を駆け回りました。

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写真はシュガーラッシュMVの高橋みなみさんver.の衣装

2)RICOH THETA V(5万円)
ワンショットで360度が撮影できてしまうという最新カメラ。カメラ好き、旅行好きとしてこれは買わないと!と思い、動画も撮れるモデルを手に入れました。

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とある審神者の本丸合わせの時の写真

3)海外ディズニーパークめぐり(1回5万円〜20万円)
パーク自体の入場料は8000円くらいですが、飛行機やホテル代、ついでにパーク周辺の観光も加わるのでそこそこのお値段に。フロリダに行ったときは20万円くらいかかりました。同じ趣味の人を誘うときもあれば、一人でパーク入りすることもあります。
少しでも興味ある人におすすめしたいのが、上海にある「上海ディズニーリゾート」。アトラクションも設備も世界最新だし、日本からも近い!火薬の制限が日本より緩いから、花火がバンバン上がって派手です(笑)。

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週の半分は出張!

本業・副業・趣味を満喫する

(メインイラスト:kamochicさん)

  • 劇団雌猫
  • プロフィール

    劇団雌猫

    平成元年生まれのオタク女子4人組。「インターネットで言えない話」をコンセプトに、オタク女子たちが胸のうちを告白した同人誌「悪友」、その書籍化となった『浪費図鑑―悪友たちのないしょ話―』(小学館)が話題。20〜30代女性の幅広い共感を得ている。

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