杉並区・梅里公園の謎の物体を調査したら、50年前の一点もの遊具だった 「公園遊具の裏側」#4

2018/08/02

WRITER木藤富士夫

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(c)木藤富士夫/kito fujio

東京都杉並区梅里公園の謎の遊具
東京都杉並区梅里1丁目1番55号
環七通りにある公園だが、ちょっと奥まったところにあり、更に梅里アパートで公園は隠れているので見つけにくい。公園には最新の遊具もあるのだが、謎の物体の存在感がたまらない。

公園遊具といえば、タコ滑り台の他にもシュールすぎる遊具をたまに見かける。動物でも恐竜でもなく、または乗り物でもない、全く未知なる物体の遊具だ。中でも印象的なのは杉並区・ 高円寺の近く梅里公園にある物体。平べったいところと、にゅるっとでた頭?が特徴的で宇宙から落ちてきた未確認生物の様で、一見するとただのオブジェだ。この公園にはブランコなどの遊具があり、進んでこの謎の物体で遊んでいる子供は見たことがない。これは遊具ではなくオブジェなのか? 謎の物体をよく見てみると足をかける場所があり、緩やかな坂になっている部分もあるので、これは遊具に違いない。

(c)木藤富士夫/kito fujio

真相を知りたく梅里公園に急行して遊具を調べると、遊具の下の部分に「サカヱ工業」と書いてある。すぐにネットで検索して見つけたサカヱ工業に電話をしてみたが、遊具メーカーではなく研磨圧縮機などを作るメーカーだった。それならば、と次に杉並区のみどり公園課に問い合わせをしてみた。みどり公園課の方からは「遊具の詳しいメーカーは不明だが、公園は昭和42年に開園した」という情報を得ることができた。遊具もその当時に設置されたのこと。つまり1960年代にはサカヱ工業という会社があり、その会社が謎の物体を設置したわけだ。約50年前の出来事なので、もしかしたら社名を変更しているのでは?と思い「サカヱ」の第2検索ワードに「公園」を入れて検索してみると、遊具メーカー・株式会社サカヱが出てくるではないか! またまたすぐに問い合わせをしてみると、こちらの会社が当時はサカヱ工業という名前で営業していたとのこと。ようやく見つかりました! そしてこれはオブジェではなくて、当時の造形職人が作った遊具だった。

40~50年前は古い学校の手洗い場のイメージがある(古い学校の手洗い場などにも使われた)人造石研き出しと言う製作方法でつくられた遊具が日本のあちこちにあった。工場で生産される量産型の遊具と違い、職人さんが手作業で作り出した一点ものだ。今では老朽化や公園整備などによって数が減ってきている。もしかしたら、自分はこの当時の一点物の遊具に強く惹かれているのかもしれない。量産された遊具も素晴らしいデザインが多いが、一点ものの遊具はその場所に行かなければ会えない。この数少なくなりつつある貴重な遊具をこれからも全国で探していきたい。

(c)木藤富士夫/kito fujio

埼玉県さいたま市南区根岸東児童公園
埼玉県さいたま市南区根岸2-21-3
恐竜をテーマにした公園。小さい遊具で 、卵から生まれた恐竜をモチーフにした遊具と大きい恐竜の骨の遊具がある。骨の恐竜の遊具の真上は桜の木があるので春には桜と骨のマッチングが楽しみな公園。

新潟のタコ滑り台はこちら

タコ滑り台の撮りづらさとは

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    木藤富士夫

    フォトグラファー。
    1976年生まれ。神奈川相模原出身。法政大学卒業後、3年の会社員を経たのちに、2005年よりフリーランスとして活動を開始。屋上遊園地をおさめた写真集『屋上遊園地』、日本各地の公園遊具を撮影した写真集『公園遊具』を発表。独自の視点と風合いを持つ作品は、国内だけでなく海外でも話題を集めている。
    http://fujio-panda.com/

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