「打ち上げ花火~」「聲の形」「ポンヌフの恋人」…涼しい部屋で観よう!花火のシーンが美しい映画6選

2018/08/06

WRITERテキスト:トライアウト・黄田 駿

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「打ち上げ花火~」「聲の形」「ポンヌフの恋人」…涼しい部屋で観よう!花火のシーンが美しい映画6選

照り付ける陽射しが肌に突き刺さる、うだるような酷暑の夏。夏の花火大会に行きたいけど、この暑さでは外に出るのはイヤ……という方もいるのでは。
そんなときはクーラーの効いた部屋でせめて花火シーンが美しい映画を観ませんか? 映画好きライターがおすすめの6本をピックアップしてみました。
※一部「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」「聲の形」「ポンヌフの恋人」「八日目」「薄氷の殺人」「ブルーバレンタイン」のネタバレを含むので注意ください。


「ポンヌフの恋人」

c 2018 leoscarax.com. All Rights Reserved.(amazon.co.jpより)

パリの中心に架かるポンヌフ橋を舞台に、路上生活をする男女のラブストーリー。閉鎖中のポンヌフ橋に隠れて暮らしていた孤独なホームレスの青年、アレックス(ドニ・ラヴァン)。彼は毎日酒を煽る自堕落な生活を送っていた。そんなある日、失恋のショックを抱え、さらに失明の可能性のある眼病を患った画家志望の女学生ミシェル(ジュリエット・ピノシュ)と運命的な出会いを果たすのだった。アレックスは美しいミシェルと恋に落ち、二人っきりの路上生活が始まる。現実から目を背けた幸せな日々も束の間、ミシェルは自分を探す家族からのラジオアナウンスを耳にする。運命に翻弄されながら、彼らは甘く激しい恋の坩堝に飲まれていくのだった。

ポイント「二人の愛の深さを表現するダイナミックな花火」

撮影が難航し、当初の4倍の予算と3年もの月日を費やしたいわくつきの今作。ストーリーの舞台となるポンヌフ橋は、撮影途中で撮影できなくなり、巨額を投じて忠実なセットを建設。紆余曲折の末に完成した映画は、大絶賛で迎えられ、結果としてレオス・カラックス監督の名を世界中に轟かせました。最大の見せ場は、打ち上げ花火をバックに橋の上で二人が情熱的に踊り狂う場面。パリ中を照らすようはダイナミックかつスリリングですが、釘付けになるほど美しく胸に響きます。

「聲の形」

c大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会 (amazon.co.jpより)

ガキ大将の石田将也(CV:入野自由)はクラスの中心となって、イタズラや危険な遊びをして日々を過ごしていた。ある日、西宮硝子(CV:早見沙織)がクラスに転校してくる。彼女は自己紹介の際、おもむろにスケッチブックを取り出し「私は耳が聞こえません」と説明するのだった。好奇心を抱いた将也は硝子に積極的に関わるようになるが、次第にエスカレートしクラス全体を巻き込むイジメへと発展してしまう。結果、クラスに馴染めない硝子はまた転校することに。それがきっかけで今度は将也がイジメの対象となってしまうのだった。それから5年後、高校生になった将也は小学生の時に伝えられなかった想いを伝えるため、硝子に会いに行く。

ポイント「ショッキングなシーンと美しい花火の絶妙なコントラスト」

2015年、このマンガがすごい!オトコ編で1位を獲得した、大今良時による同名漫画が原作の長編アニメーション映画。「人が互いに気持ちを伝えることの難しさ」をテーマに、メガホンを取ったのは「けいおん!」や「たまこラブストーリー」を手掛けた山田尚子監督。ナイーブな問題を牛尾憲輔の繊細な音楽と美しい情景描写で切り取っています。この作品に花火が登場するのは物語の終盤。アニメーションならではの煌びやかな花火とショッキングなシーンのコントラストが見事で思わず見入ってしまいます。心にグサッと刺さるシーンの連続ながら、温かな気持ちで迎えるラストシーンは号泣必至です。

関連:「リズと青い鳥」山田尚子監督「彼女たちの言葉だけが正解だと思われたくなかった」
https://eonet.jp/zing/articles/_4101959.html

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

c2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会 (amazon.co.jpより)

「打ち上げ花火は横から見たら丸いのか? それとも平べったいのか?」。他愛ない会話で盛り上がるクラスメイト。そんな花火大会を前にした夏休みの登校日。典道(CV:菅田将暉)は、友人であり恋のライバルでもある佑介(CV:宮野真守)、思いを寄せる大人びた同級生のなずな(CV:広瀬すず)と、それぞれの願いをかけて50mの競泳対決をすることに。典道は勝負に敗れ、なずなは勝った佑介を花火大会へと誘うのだった。しかし、約束の時間になっても現れない佑介。裏切られたことを知ったなずなは、駆け落ちしようと典道を誘う。彼女は母親の都合で転校することになり、一緒に逃げてくれる相手を探していたのだった。しかし、その思いも儚く彼女は母親に連れ戻されてしまう。なずなを救えなかった典道は、「もしも、あのとき俺が……」と、もどかしい思いからプールで拾った不思議な玉を投げつける。すると、水泳対決の直前にまで時間が巻き戻っていたのだった。

原作は「リリイ・シュシュのすべて」「花とアリス」の岩井俊二。脚本は「モテキ」「バクマン。」の大根仁。そして総監督を務めるのは「魔法少女まどか☆マギカ」の新房昭之。最高峰のスタッフが結集した2017年の夏を象徴するアニメーション映画です。賛否の多い今作ですが、アニメーションスタジオ「シャフト」による独創的で華麗な映像美が秀逸なんです。中でも物語終盤の花火のシーンは一見の価値あり。現実と虚構の境界がわからなくなるような演出には思わず息を飲んでしまいます。難解なストーリーですが、単純に美しい映像と音楽に酔いしれてみるのもオススメです。

「八日目」

cPan-Europeenne Production, HomeMade Films, TF1 Films Production, RTL-TVI, Working Title, D. A. Films. (amazon.co.jpより)

エリートビジネスマンのアリー(ダニエル・オートゥイエ)は妻と娘に家出され、苛立ちを抱えながら車を飛ばしていた。そんなある日、犬を轢いてしまい、飼い主でありダウン症の青年ジョルジュ(パスカル・デュケンヌ)を同乗させることに。ジョルジュは大好きなママに会いに行くため、施設から抜け出した、と言うのだった。ジョルジュとアリーはママの家を探して旅に出るが、行く先々でトラブルに遭う。やっとの思いでママの家を見つけたが、彼女は亡くなっていた。ジョルジュは絶望するアリーを慰め、施設へ戻ることを決意するのだった。

ポイント「アリーの優しさがつまった夜空を彩る花火」

24年間のキャリアの中で、たった4本しか作品を残していないベルギー出身の鬼才ジャコ・ヴァン・ドルマル。彼の手腕は「八日目」でも遺憾なく発揮され、ダウン症のジョルジュが天使のように描かれています。プールの上を歩く、歌い出すネズミとリズムに合わせて踊るスニーカーにパンツなど、妄想と現実が交差する幻想的なシーンがヘビーなストーリーを和らげています。そんなファンタジックな世界観の中でも、ひと際印象的なのがアリーの娘であるアリスのために閉鎖された遊園地で夜空に花火を打ち上げるシーン。ジョルジュのピュアな行動と胸を打つ台詞の数々にホロリと泣かされる一本です。

「薄氷の殺人」

c2014 Jiangsu Omnijoi Movie Co., Ltd. / Boneyard Entertainment China (BEC) Ltd. (Hong Kong). All rights reserved. (amazon.co.jpより)

世紀末の混沌に覆われた1999年、中国の華北地方。6つの都市にまたがる15カ所の石炭工場で、切断された男性の死体が次々と発見された。容疑者は追い詰められた末に銃撃戦となり死亡してしまう。真相は闇の中に葬られ、捜査を担当していた刑事のジャン(リャオ・ファン)も心と身体に深い傷を負ってしまう。それから5年。警察を辞め、警備員として働き酒浸りの日々を送っていたジャンは、警察が5年前と似た手口の事件を追っているという情報をつかみ、独自に調査を開始する。調査を進める中、連続殺人事件の捜査線上に、若く美しいウー(グイ・ルンメイ)が浮かび上がる。悪人に法の裁きを下すという元刑事の使命感はなく、妻と職を奪った個人的な復讐心に憑りつかれるジャンだったが、彼もまたウーに惹かれてしまうのだった。

ポイント「不器用な愛を表現する白昼の花火」

斬新なアングルや極彩色の色彩設計、セリフの少なさなど、サスペンスをベースにしつつも作家性を重視した中国発のフィルムノワールです。妖艶なファムファタールを演じるグイ・ルンメイの美しさや秀逸なストーリーもさることながら、第64回ベルリン国際映画祭で最優秀作品賞となる金熊賞を受賞したゆえんともいえるのが、中国映画界の至宝、ディアオ・イーナンによる映像美。中でも原題の白日焔火(白昼の花火)を表現したラストシーンは必見。雪の積もる白昼の街中に次々と放たれる打ち上げ花火。誰が打ち上げているのか分からない花火に騒然となる街。それを見上げ、優しく微笑むウー。言葉はなくともその表情だけで深い愛が分かるシーンなんです。また夜ではなく、昼の明かりに溶けていく花火は儚くも心に迫るものがあります。

「ブルーバレンタイン」

c2010 HAMILTON FILM PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED (amazon.co.jpより)

引っ越し屋のバイトをしていたディーン(ライアン・ゴズリング)は、仕事中に医学生のシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)と出会い一目惚れする。名前すらも教えないほどガードの堅かったシンディだったが、ディーンの猛アタックの末、付き合うことに。しかしシンディは元彼の子供をその身に宿していた。そんな困難を乗り越え、二人はゴールイン。結婚7年目を迎え、娘と共に3人で暮らすも些細なことで喧嘩が絶えなくなり、愛し合っていた二人の仲は冷めきっていた。互いに不満を募らせながらも平穏な生活を取り繕う二人だったが……。

ポイント「儚く散る花火と二人の思い出が重なり合う至極のエンドロール」

過去と現在が交錯し、愛の始まりと終わりを描いた物語。殺人や事故といったショッキングなシーンはありませんが、日常にあふれる男女のすれ違いを描いたトラウマ恋愛映画。そのため、この作品はカップルや夫婦で観ることはオススメしません(笑)。そんな今作に花火が登場するのはエンドロール。7月3日から4日にかけての24時間を描いたストーリーで、アメリカの独立記念日に打ち上げられる花火を二人の幸せだったころの写真と重ね合わせています。美しい時間は永遠には続かず、一瞬で儚く散ってしまう。そんなストーリーと花火が見事にマッチし、涙腺を揺らします。

切なく散りゆく別れや燃え盛る愛など、さまざまな感情を描き出す花火。日本では夏の風物詩という印象ですが、海外では独立記念日などに打ち上げることも多いようですね。ノスタルジックな花火の映画で、ゆったりとしたひと時を過ごしてみてください。


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