骨折し、仕事を抱え入院したライターの2週間。マイク付イヤホン、延長コードを重宝

2018/08/24

WRITERテキスト:トライアウト・榊間信介/撮影:トライアウト・井上雅央

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骨折し、仕事を抱えて入院したライターの2週間。太る、オムツ、ネットは速度制限。本とマイク付イヤホンが便利!

こんにちは、ライターの榊間です。ファッションを中心にグルメやアートなど、幅広く執筆をしており、この「Zing!」でも書かせていただいています。私はどこか1つの媒体を専門に書いている訳ではなく、雑誌やウェブなど媒体もさまざま。それゆえに、締切が重なることもしばしば。私が入院したのは、まさにそんな佳境を迎えつつあった7月中旬のことです。軽度の足の骨折だったのですが、ワイヤーで固定するため手術が必要な箇所でした。「悠々自適な入院生活でも送ってやろう」と小説を購入したのも束の間。「ヤバい…仕事が間に合わない」と直感的に感じた私は、会社や病院と相談のうえ入院しながら仕事することを決意したのです。

初めての骨折→初めての入院ワークへ

暑さが厳しくなり始めた7月初旬。不慮の事故に合い足を痛めた私は会社を休んで病院に行きました。歩けていたので、捻挫程度だろうと思っていたのですが、病院に行ってみると「多分骨折しとるで」と、レントゲンを撮る前にベテラン医師から唐突に告げられました。医師の予告は悲しいかな、的中……。くるぶしの下あたりを骨折していました。しかも固定しにくい場所のため、手術が必要とのこと。入院期間は約2週間、全治までは約3カ月と診断されました。
バタバタと検査を済ませ、1週間後から入院することになった私は「入院中はヒマだろう」と呑気に考えていたのですが、入院準備を進めるうち仕事のスケジュールが入院期間に丸かぶりしていることに気付きました。幸いにも足以外は健康そのもの。そして個室での入院ということもあり「病院で仕事をするしかない!」と覚悟を決めたのです。

※今回は担当医師や広告代理店・編集プロダクションの株式会社トライアウトとライターがよく相談した結果、病院での仕事に許可が下りました。医師の判断、病棟のルール、傷病手当金の関係や就業規則など環境により判断が異なる可能性がありますので、当記事を参考にされる際も関係する方によく確認いただくようお願いいたします。

持参した仕事道具

病院に持参したのは「ノートパソコン」「外付けHDD」「マイク付きイヤホン」「えんぴつ」「消しゴム」「延長コード」の精鋭6種類。初入院だったため、知識はゼロ。シミュレーションを重ねた結果の最小限の準備でした。

持参した仕事道具

|ノートパソコンと外付けHDD

会社で支給されているノートパソコンと外付けHDD。実はこのパソコン、ひと昔前のモデルなので、かなり重く社外では極力使用していません。今回はやむを得ず緊急出動。あとはデータ保存用にHDDも。

|マイク付イヤホン

いつもはワイヤレスイヤホンを使用しているのですが、マイク付きの機能が大いに活躍してくれました。というのも足が不自由だと極力手は空けておきたいもの。これなら通話中も両手はフリーです。おまけに充電を気にせず使い続けられるので、消灯時間以外は常に装着していました。

|延長コード

パソコンを持って行くので念のため持参しましたが、これも役立ちました。手術してしばらくは、わずか一歩の移動でも厳しかったのです。

|えんぴつと消しゴム

編集作業も多いため、手描きラフの作成には必須。普段であれば、書いたラフをスキャナーでPDFに変換しクライアントに送りますが、今回は写メで代用。どうしても見にくいこともあり、上司が病院まで引き取りに来てくれました!

入院生活スタート まさかのオムツ

そんなわけで、仕事をすることを念頭に置いた入院生活がスタート。手術は翌日に行われるので初日は検査のみ。「個室って意外と広いな」「トイレは古いんだ」なんて、最初はまだまだ余裕でした。そしてPCもセットし、仕事をする体制も万全。特にすることも無くなったので、手術直前までは仕事を進めていました。

入院生活スタート まさかのオムツ

そして手術日でもある2日目。ほかの病気で手術経験はありましたが、何度やっても慣れないもので、さすがに緊張しました。手術後、麻酔が完全に抜けるまでは枕を使用できず、身動きが取れない状態。それに加えて慣れないベッドだったため、腰が痛くて痛くて……。もちろん足は激痛、そして若干熱もあるのでまったく眠れません。看護師の方が定期的に様子を見にきてくれますが、深夜になっても眠れない私を見て座薬を投入。これで2時間程度は眠ることができたのです。
翌朝起きると、痛みはかなり治まったのですが当然身動きはとれません。まず心配になったトイレですが「今日だけはカテーテルとオムツね❤」と、ベテラン看護師からのひと言。なんとも言えない絶望感が私を襲いました。オムツ生活からの脱却を願った結果、「松葉杖で安全にトイレに行けたらいいよ」との返答が。早速チャレンジをしたのですが、危なっかしくて「明日もオムツかな…」と追撃を食らう始末。先が思いやられる3日目の始まりでしたが、予想以上に回復が早く夕方頃には仕事を再開。そして翌日には無事オムツを脱ぐこともでき、早くも安定期に入ったのです。

1日の流れと実際に行った仕事

そんな入院生活ですが、当然ながら規則正しい生活を送りました。朝は6時に起床、血圧や熱などを測定し、7時半に朝食。9時頃から点滴を1時間ほど、そのあとは12時の昼食までは自由時間です。17時頃には夕食と点滴。それ以外は基本的には何もすることはありません。痛みが引いてからはベッドに座りながらリサーチ、原稿、ラフ作成など、残っていた仕事を片付けていきました。日中はクライアントとやり取りすることもあるので「え、入院中なんですか!?」と驚かれることもしばしば。とはいえ、回復が遅れては意味が無いので、夜の作業(電話以外)は控えていました。基本21時には消灯なのですが個室だったこともあり、看護師さんも「しっかり休んでね」のひと言のみで強制的に電気を消されることもありません。何だかんだと22時くらいまでは毎日起きていました。

一日のスケジュール
一日のスケジュール

入院中のアレコレ

そんなこんなで、入院して8日目には点滴も終了。リハビリも開始するなど、順調に回復していきました。仕事の方も完璧とはいきませんが、何とか乗り切れそうなメドがついてひと安心。入院生活も安定はしていましたが、気になったことをまとめてみました。

|とにかくお風呂に入りたい!

手術してから抜糸するまでは決してお風呂に入れません。エアコンが効いている館内とはいえ、とっても辛いんです……。でも、とある看護師の方がそんな私を助けてくれました。なんと夜勤の看護師さん専用のシャンプー台を使わせてくれることに! これだけでも気分は爽快なのですが、熱いタオルまで持ってきてくれたので全身を拭くことができたのです。

|無制限Wi-Fiが欲しかった!

リサーチやデータ引用など、インターネットを駆使することが何かと多いライター業。入院中もポケットWi-Fiを使っていました。これまで連続して使ったことはありませんでしたが、1週間ほどで使用容量が7GBに到達。以降は速度制限という名のストレスを抱えながらインターネットを使用する羽目になりました。

|三食に加えておやつも食べる→太る

入院中は朝昼晩ご飯が出てきます。しかも病気ではないのでかなりのボリュームなんです。美味しいのですが、若干薄味なのは仕方ありません。しかしながら、味の濃いお菓子が恋しくなり「ダメだダメだ」と思いつつも、ついつい手が伸びてしまいます。2週間の入院生活で、丸っとしたわがままボディを手に入れたのは言うまでもありません。

|テレビよりも本

仕事でパソコンもスマホも使っていましたが、入院中はテレビを見る気があまり起きませんでした。有料だったこともあり、買い溜めていた小説や雑誌を読んだりと、アナログなものの方が何だか安心しました。

|個性豊かな看護師さんと掃除のおじさん

入院したのはアットホームな病院だったので、2週間もいれば看護師さんの顔も覚えます。皆さんとても親身になって接してくれましたが、個性的な方もちらほら。一番強烈だったのは深夜に遭遇した方です。強面な風貌に加え、少し怒りながら部屋に入ってきたので思わず「ヒッ」と声が漏れました。しかも汗だくだったので、もう恐怖しかありません。実際は優しい方でその時も用事の無いナースコールに怒っていただけのようです。
もうひとりは、毎日掃除をしてくれたおじさん。部屋に入ると必ず話しかけてくれるのですが、話題は今日の天気とおじさんが通う歯医者の2トピックスのみ。初めはかなり戸惑いましたが、だんだん聞くのが楽しみになってきました。それどころか、おじさんの私生活が気になるようになったのです。入院生活終盤は、そんな好奇心を必死に押さえ、聞き役に徹していました。

そして退院へ

治療も順調に進み、いよいよ退院の日。一度もしゃべったことがない給食のおばちゃんも「よかったね」と言ってくれるなど、晴れやかな気持ちに。そして家に帰り、まずはソファーに座った瞬間、本当に健康のありがたみを感じました。過酷な入院生活でしたが、「もう一回くらいなら」と、思ったのも事実。普段経験できないことや人との出会いが、そう思わせたのかもしれません。何とかこなした仕事も相まって、生涯忘れることのない日々になりました。

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