映画「オズランド」西島秀俊インタビュー「努力は、きっと誰かが見てくれている」

2018/10/29

WRITERテキスト:トライアウト・黄田 駿/撮影(インタビュー):西島 渚/(舞台挨拶):トライアウト・中村光明

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映画「オズランド」西島秀俊インタビュー「努力は、きっと誰かが見てくれている」

メイク:亀田雅(The VOICE)
スタイリスト:TAKAFUMI KAWASAKI(MILD)

仕事に悩める人の背中をそっと押してくれる。そんなポジティブな魔法をかけてくれるお仕事エンターテインメント映画「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」が2018年10月26日に公開しました。今回は波瑠さん演じる主人公の波平久瑠美を支える、少し天然な頼れる上司の小塚役を務めた西島秀俊さんに単独インタビューを敢行。今までとは違った役作りや知られざる撮影時のエピソードを聞きました。また波瑠さんも登壇された舞台挨拶の模様もお届けします。

・予告動画

・作品情報

出演:波瑠 西島秀俊 岡山天音 深水元基 戸田昌宏 朝倉えりか 久保酎吉 コング桑田 中村倫也 濱田マリ 橋本愛 柄本明
監督:波多野貴文
脚本:吉田恵里佳
原作:小森陽一『オズの世界』(集英社文庫刊)
音楽:白石めぐみ
主題歌:「Wonderland」Dream Ami(rhythm zone)
挿入歌:「ストレイシープ」「匿名」神様、僕は気づいてしまった(ワーナーミュージック・ジャパン)
幹事・企画・制作プロダクション:ROBOT
製作:映画「オズランド」製作委員会
配給:HIGH BROW CINEMA ファントム・フィルム
2018/日本/DCP/カラー/シネマスコープ/105分
http://ozland.jp/

・「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」あらすじ

 (C)小森陽一/集英社 (C)2018 映画「オズランド」製作委員会

©小森陽一/集英社 (C)2018 映画「オズランド」製作委員会

夢と希望にあふれて、彼氏と同じ超一流ホテルチェーンに就職した波平久瑠美に言い渡されたのは、系列会社が運営する地方の遊園地グリーンランドへの配属辞令だった……! ふてくされながらも、“魔法使い”と呼ばれる風変わりなカリスマ上司・小塚慶彦と個性的すぎる従業員たちに囲まれる日々を過ごすうち、少しずつ働くことの楽しさ・やりがいに気づいていく。小塚に対して、憧れとも恋ともわからない感情を抱きだしたある日、久瑠美は小塚の秘密を知ってしまう……。

実在のモデルにお会いする不思議な体験をした

――秘密を抱えた公安捜査官や謎多き天才ドクターなど、知的でクールな役が続いていましたが、今作では少し天然で明るい小塚慶彦を演じられていました。今回の役柄と自分が似ているなという部分はありましたか?

周りの人たちには素の表情に近いよねって言ってもらうんですが、小塚はかなり変わり者なので、似ているとはあまり認めたくないですね(笑)。

――笑顔のシーンが多くて、とても印象的でした。今回の小塚というキャラクターは自然に演じることができましたか?

映画「オズランド」西島秀俊インタビュー。「努力は、きっと誰かが見てくれている」-画像-02

僕自身もこんなに笑ってたんだって驚きました。個性豊かな俳優陣に囲まれた楽しい現場でしたので、その雰囲気が表情に表れているのかもしれないですね。それに吉田恵里香さんの書かれた脚本がすごく瑞々しくて、生き生きとしたセリフだったので自然に演じられたんだと思います。

――小塚というキャラクターは、一見変わり者のように見えるけど、一本筋の通った人物のように思いました。そこは西島さんも意識されていたんですか?

波瑠さんの演じた波平が「なにこの人?」って思えるように、表面的にはかなりちゃらんぽらんでデリカシーのない人を演じていました。でもストーリーが進むにつれて、ちゃらんぽらんな行動の裏には意味があって、仕事に対して真剣に取り組む姿を見せられればと意識していました。

映画「オズランド」西島秀俊インタビュー。「努力は、きっと誰かが見てくれている」-画像-03

――熊本県に実在する遊園地のグリーンランドで撮影されたそうですが、印象に残っているエピソードはありましたか?

柄本明さん演じる園長の「ゴミはお客さまが楽しんでくれた証だから」というセリフがあるんですが、実際のグリーンランドの園長さんも役柄と同じように麦わら帽子を被って真っ黒に日焼けされていて、その言葉をおっしゃりながら掃除されてたんです。僕の演じた小塚にもモデルがいて、自分が演じたキャラクターのモデルになった方とお会いするというのは不思議な体験でした。ただ小塚のモデルになった方は、男前で素敵な方でしたけどね(笑)。

――実際にお会いされて、より役に深みが増していったんですね。

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そうですね。インカムを付けて撮影に向かおうとした時に、ご本人が「そのイヤホンの中にも毎日のように笑いと涙のドラマが詰まってるんです」とおっしゃっていて熱い気持ちが伝わってきました。ただクランクインして数日が経った頃にお会いしたので、そうとも知らず変わり者っぽく演じていたため申し訳ない気持ちでいっぱいでした(笑)。

――今作のサブタイトル「笑顔の魔法おしえます。」にちなんで、西島さんの笑顔になる魔法はありますか?

なんだろう。小中学校の頃からの友達はそれぞれ別の仕事をしていますが、未だに仲が良いです。みんないい歳をしたおじさんなのに中身は全然変わってなくて(笑)。彼らと話している時は自然と笑顔になれる気がしますね。

――本日はお忙しい中、ありがとうございました。


西島秀俊さんの単独インタビューはここまで。続いては波瑠さんと西島秀俊さんが登壇した舞台挨拶の模様をお届けします。

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――(司会者)今回それぞれの役を演じるに当たり、気をつけたことはありますか? まずは波瑠さんからお願いいたします。

波瑠:私が演じた波平久瑠美は、東京生まれ東京育ちの新入社員で、年上の彼氏と同じ会社に入社が決まってキラキラした社会人生活が待っていると思っているんです。ですが、配属されたのはまさかの田舎の遊園地。映画の舞台となるグリーンランドには素敵な先輩がたくさんいて、学べることばかりの恵まれた環境なんですけれど、東京でカッコ良く働くのに憧れていた彼女は不満だらけで……。

西島:波瑠さん、上映前ですよ?(笑) ストーリーを頭から話してるけど大丈夫?

波瑠:あれ、見てないんでしたっけ?(笑) 何話したらいいか分からなくなっちゃった。えっと、この映画には悪い人は1人も出てこないんです。なぜ波平が不満を持つかと言うと彼女の中に原因があるので、周りの人たちが意地悪な先輩に見えないよう気をつけながら演じさせていただきました。

――西島さんはいかがでしたか?

西島:僕は波瑠さん演じる波平の先輩である小塚というキャラクターを演じたんですが、グリーンランドは温かい魔法がかけられたような遊園地だったので、その雰囲気を映画でも感じてもらえたらと思っていました。

――今回は熊本に実在するグリーンランドで撮影されたそうですが、心に残っている撮影時のエピソードはありますか?

波瑠:この撮影を通して、西島さんはよく笑う人なんだって思いました。

西島:グリーンランド関係ないよね?(笑)

波瑠:そうでしたね(笑)。営業中にお邪魔させてもらって撮影していたんですが、お客さんも従業員の方もいやな顔一つせず受け入れてくれて、西島さんも言った通りグリーンランドはすごくアットホームな遊園地だなと印象に残っています。

西島:この話は俳優同士で一回も話してないんですけど、みんなどこかで熊本を応援したいという思いがあってこの映画に参加してたと思うんですが、逆に僕たちの方がエネルギーをもらいました。エキストラの方が毎日来てくださって楽しみながら撮影に参加してくれたので、自分たちだけで作ったというより熊本の皆さんと映画を作れたというのが幸せな記憶ですね。

――映画の中にはおふたり以外にも個性的な登場人物がたくさん出演していますが、特に注目してほしい人はいますか?

波瑠:私は柄本明さんです。何役って言ったらネタバレになっちゃいますかね?

西島:それはいいんじゃないかな(笑)。園長以外にないと思うよ。

波瑠:そうですね(笑)。柄本さんが園長役だったんですが、麦わら帽子を被って首にタオルを巻いてる姿がすごくお似合いで。グリーンランドはとっても広いので、私たちは撮影ポイントまで車で移動してたんです。スタッフさんが気を使って、「役者さんは奥に乗ってください」って言ってくださるんですけど、柄本さんは絶対に助手席に乗るんです。でも全然バレなかったんです。バレなかったのは園長としてグリーンランドに溶け込んでいたからだと思うんですけど、さすがだなという気持ちでした。

西島:そうだった、ずっと助手席に乗られてたね! ボブ・ディランも助手席しか乗らないらしいですよ。

――そうなんですね、そのこだわりがカッコいいですね。続いては西島さんにお伺いできればと思います。

西島:僕も柄本明さんなんですけど。というのも、近所のレンタルビデオ店で柄本さんとよくお会いしていて。僕がDVDを探していると、視線をビンビンと感じて、振り向くと柄本さんが仁王立ちしてることがよくあって(笑)。「これ面白いよ、観た?」っておすすめしてもらった作品を借りたりしていたんですけど、共演したのは今回が始めてなんです。緊張しながら柄本さんにご挨拶に行ったら、「(グリーンランドに)なんでいんの?」って(笑)。台本も読まれてたはずなのに、あれは何だったんだろうって未だに不思議です。波瑠さんも言われなかった?

波瑠:私は「はじめまして」でしたもん。言われるとすれば、「誰?」でしょうね(笑)。

西島:そうだね(笑)。

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――面白いエピソードの数々ありがとうございました。今作はお仕事エンターテイメントと定義されてますが、この作品を通して感じられたお仕事の極意はなんですか?

波瑠:ん~、喜べるのも辛くなるのも自分次第なのかなと思いますね。波平自身が体験することなんですけど、この映画を通して皆さんにも感じ取ってもらえたら嬉しいです。

西島:波平は自分なりに努力するんですが、彼女は努力したって誰も見てくれないと思っているんですね。でも実は周りの人たちはその頑張りをちゃんと見てくれている。僕自身も体験したことなんですけど、本人は誰も見てくれてないと思っていても、意外と周りの人たちはちゃんと見てくれていることってよくあると思うんです。腐らずに努力すれば誰かがちゃんと認めてくれる、というのが仕事の極意かなと思います。

――やる気のみなぎるような極意、ありがとうございました。続いては波瑠さんにお伺いします。波平のファッションの変化にも注目してほしいとのことなんですが、どういったところがポイントですか?

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波瑠:そうなんです。働くことに憧れを抱いていた波平だからこそビシッとスーツを着こなしたかったんじゃないかなと私は思っていて。他のスタッフは遊園地で動き回ったり汚れるからワークパンツだったり動きやすいボトムスを穿いてるんですね。でも東京から来たというプライドがある波平はそれを全面に出してくるだろうなと思って、衣装さんと相談して、最初は周りの人とちょっと違うオシャレなパンツを穿いてます。波平の心情とファッションの変化にも注目してもらえたらなと思います。そういえば、西島さんも可愛いペンを持ってましたよね?

西島:そこ触れます?(笑)

波瑠:撮影中にずっと嬉しそうにカチカチしてたのに、プロモーションで全然話さないじゃないですか!

西島:ストーリーに全然関係ないですよ? 変わり者の小塚を演じるに当たって、衣装合わせの時に持ち道具さんにストーリーがありそうな可愛いペンを持ってきてほしいと頼んだんです。それで持ってきてくれたのが、ペン先がピカッと光るもので、それが嬉しくて色んなシーンでピカピカ光らしてたんですけど、カメラマンに「それ光らしてるけど、昼間にやっても全然映らないから!」って言われて(笑)。それからも無駄だとわかっていながら、アイデアが閃いた時なんかはずっと光らせていました。

波瑠:魔法使いですからね(笑)。

西島:そうです、魔法使いですから。あっ、という時はペン先を光らせられるんで、そこも注目してもらえたら嬉しいです(笑)。すごく気に入ってたんですけど僕があまりにやりすぎるもんだから、小道具さんに「電池切れたら、東京まで買いに戻らないとダメなんでやめてください」って怒られました(笑)。

波瑠:だから最後の方に光らないようにセロテープを張られてたんですね(笑)。

――皆さんもペンを気にしながら見て頂ければと思います。それでは映画がより楽しみになる注目ポイントを教えてください。

西島:光るペンじゃダメだったってことですね?(笑) そうですね、クランクイン初日が豚のサチコとのシーンを撮影したんですが、とても暑い日でサチコがなかなか水場から上がってきてくれなくて苦労しました。これが初日なんだなと思いながら観てもらえたらと思います。

波瑠:今作の舞台になったグリーンランドは、実際に熊本にありますし、西島さんが演じられている小塚さんや柄本さんが演じた園長のモデルになった実在の人物がいるんです。私はそのことを知ってから一層楽しく観られるようになったので、そこにも注目して楽しんでもらえたらと思います。

――最後にこれから映画を観られる皆さんにメッセージをいただければと思います。まずは西島さんからお願いいたします。

西島:波瑠さん演じる波平が色んな壁にぶつかりながら一生懸命頑張っていく姿が清々しくて、見終わった後に明日から頑張ろうと思えるような作品です。個性豊かなキャラクターにまた会いたいなと思ったら劇場に足を運んでくだされば僕たちは待っていますし、何ならグリーンランドに行けばモデルになった方たちがいますので、熊本にもぜひ足を運んでいただければと思います。

波瑠:先ほども仕事の極意でお話したことなんですけど、辛い出来事でも視点を変えると喜びに感じられることも多かったりしますし、それは誰にでもできると思うんですね。この映画はこれから働くぞっていう若い人たちだけじゃなく、ベテランの方の背中も押してくれるメッセージがある作品なんじゃないかと思っています。前向きになれる作品なので、ぜひ楽しんで観ていただければと思います。

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