テザリングのデータ通信量の目安は？データ通信量を節約する方法も解説

テザリングは、外出先でパソコンやタブレットをインターネットに接続したい場合に便利な機能です。

しかし、テザリングを利用するうえで、気になるのがスマートフォンの通信量。多くの場合、スマートフォンのプランにはデータ通信量の上限があります。テザリングを頻繁に利用するなら、「どのような利用の仕方で、どの程度のデータ通信量を消費するのか」把握しておきたいところです。

そこで本記事では、テザリング利用中に消費されるデータ通信量を用途別に紹介します。データ通信量を節約する方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

テザリングとは？

テザリングとは、スマートフォンなどのモバイル回線を共有することで、パソコンやタブレットなどほかの端末をインターネットに接続する仕組みを指します。スマートフォンなどのデバイスを、モバイルルーターのように使用するイメージです。

テザリング機能を使えば、スマートフォンしかインターネット環境がない場合でも、パソコンやタブレットをインターネットに接続することができます。たとえば、「外出先でパソコン作業がしたいのに、近くにWi-Fiスポットがない」といった場合に便利です。

なお、テザリング機能はほとんどのスマートフォンに搭載されていますが、通信キャリアやプランによってはオプション扱いとなっており、別途契約が必要になる場合があります。

テザリングの種類

テザリングは、接続方法に応じて以下の3種類に分けられます。

Wi-Fiテザリング

親機となるスマートフォンと、子機となるパソコンやタブレットなどをWi-Fiで接続する方法です。無線接続なのでケーブルの管理が不要で、複数のデバイスを同時に接続することもできます。また、通信速度も速い傾向があるため、容量の大きなデータも比較的ストレスなく扱えるでしょう。

ただし、Wi-Fiテザリングはバッテリーの消費が早いため、長時間使用しているとスマートフォンのバッテリー残量が大幅に減ってしまう可能性があります。出先でスマートフォンのバッテリーが切れるとなにかと不便なので、作業が長くなる場合は充電しながら使うのがおすすめです。

Bluetoothテザリング

親機となるスマートフォンと、子機となるパソコンやタブレットなどをBluetoothで接続する方法です。

Wi-Fiテザリングよりもバッテリー消費が少なく、バッテリーを節約したい場合に適しています。

ただし、Wi-Fiテザリングと比べると通信速度はやや遅いため、容量の大きなデータを扱う場合はあまりおすすめできません。また、デバイスがBluetoothに対応している必要があるため、そもそも利用できないケースもあります。

USBテザリング

親機となるスマートフォンと、子機となるパソコンやタブレットなどをUSBケーブルで接続する方法です。

親機と子機を物理的に接続するので、通信速度が比較的安定しやすいのがメリットです。

ただし、USBテザリングを利用するためには、外出先にもUSBケーブルを持ち歩く必要があります。それほどかさばるものではありませんが、Wi-FiやBluetoothと比べるとやや手軽さに劣るでしょう。

テザリングのデータ通信量の目安

テザリング使用時のデータ通信量は、通常のデータ通信と同程度です。ただし、パソコンはやタブレットでWebサイトを閲覧する際は、スマートフォンと比べてデータ通信量の消費が大きくなることがあります。これは、パソコン向けにつくられたWebページは、スマートフォン向けのものと比べて1画面あたりに表示される情報量が多いためです。

そのため、スマートフォンと同じ感覚で繰り返し利用していると、より早く通信量の上限に近づいてしまいます。

用途別のデータ通信量の目安は、以下の通りです。

用途	データ通信量（1時間あたり）
Webページの閲覧	約0.5GB
SNS （動画や画像が少ない場合）	約0.25〜0.8GB
動画視聴	約120MB〜約2GB
音楽視聴	約10～144MB
ビデオ会議（Zoom）	約0.6GB
オンラインゲーム （ゲームのダウンロードに必要なデータ通信量は含まない）	約100MB

Webページや、動画や画像の少ないSNSなどと比べて、動画・音楽視聴やビデオ会議、オンラインゲームなどはデータ通信量を大きく消費します。

なお、動画なら画質、SNSは画像・動画の量など、それぞれどのようなコンテンツを利用するかによって通信量は異なります。たとえば同じSNSでも、InstagramやTikTokのように画像・動画がメインのサービスは、X（旧Twitter）やFacebookなどと比べるとデータ通信量が多くなりやすいでしょう。また、オンラインゲームもゲームの種類や内容によってデータ通信量は異なり、1時間で約1GBのデータ通信量を消費する場合もあります。

テザリングのデータ通信量を節約する方法

テザリングはモバイルデータ通信を利用した機能なので、使うほどスマートフォンのデータ通信量を消費します。そのため、月々のデータ容量を使い切ることはほとんどないという方でも、テザリングを頻繁に利用していると上限に達してしまう可能性があります。

プランの上限に達すると通信制限がかかってしまうので、データ通信量はなるべく節約したいところです。テザリングを活用しつつデータ通信量を抑えるなら、次のような方法がおすすめです。

バックグラウンドでの通信を制限する

パソコンなどのデバイスでは、目に見えて起動しているアプリケーション以外にも、バックグラウンドで更新プログラムがインストールされたり、ファイルが同期されたりと、さまざまな動作が行われています。

テザリング利用中にバックグラウンドで上記のような動作があると、その分データ通信量が消費されてしまうため注意が必要です。そこで、テザリングを使用する際は、バックグラウンドで自動更新や同期が起こらないよう設定を変更するとよいでしょう。

Windowsなら、テザリングの使用中は従量制課金接続を設定するのがおすすめです。従量制課金接続の設定をすると、Windows Updateで優先度の高いプログラムのみがダウンロードされたり、Windows ストアからのアプリのダウンロードが一時的にストップしたりなどと、データ通信量の節約につながります。

Macの場合は、テザリングの使用中はApp Storeの自動アップデートをオフにしておきましょう。テザリング使用中にソフトウェアアップデートが起こるのを防ぎ、データ通信量を抑えることができます。

データ通信量の多い用途は控える

動画やオンラインゲームなどは送受信されるデータ量が多いため、テザリング中はなるべく控えるようにしましょう。作業の合間の息抜き程度であれば問題ない可能性もありますが、あまり長時間行っているとデータ通信量がかさんでしまいます。

また、ソフトウェアのダウンロードも多くのデータ通信量を必要とするため、Wi-Fi環境で行うのがベターです。外出先での作業に使用したいツールなどがある場合は、あらかじめ自宅でダウンロードしておくとよいでしょう。　

テザリングがあれば自宅に光回線は不要？

現在、インターネット回線として主流なのが、光ファイバーを用いた光回線です。光回線は通信速度が速く、安定性も高い傾向があるため人気があります。ただし、自宅に光回線を導入する際、多くの場合は開通工事が必要です。

一方、テザリングはスマートフォンさえあれば手軽にインターネットに接続できるので、なかには「自宅でもテザリングで十分なのでは？」と考える方もいるでしょう。しかし、テザリングはモバイルデータ通信を利用するため、契約しているプランのデータ容量の上限に達すると通信制限がかかってしまいます。

スマートフォンと比べてパソコンやタブレットはデータ通信量が大きくなることがあるため、テザリングを頻繁に利用していると、すぐに通信上限に達してしまう可能性があります。そのため、自宅でもテザリングを使用するなら大容量のプランが前提となり、通信費がかさむ原因にもなるでしょう。

また、5G通信であれば光回線と同等の速度が出る場合もありますが、4G通信では光回線ほどの通信速度は期待できません。さらに、USB以外の接続方法は有線接続ができないため、光回線と比べて通信の安定性も下がってしまいます。同時接続できるデバイスの台数も少ないため、家族みんなでインターネットを利用する場合は不向きです。

加えて、スマートフォンの機種によっては、通話中はテザリング機能を利用できない場合もあります。

光回線の導入がおすすめなケース

光回線はモバイル回線と比べて通信速度が速く、通信が安定しやすいのがメリットです。そのため「動画やオンラインゲームを快適に楽しみたい」「自宅からビデオ会議に参加する機会が多い」など、通信速度と安定性にこだわりたい方には光回線が向いています。

また、光回線はテザリングと比べて接続可能台数が多い傾向があり、家族みんなでインターネットを利用したい場合にもおすすめです。複数台を接続しても安定しやすいため、自宅でIoT家電を活用したい方にも適しています。

光回線を導入すれば、外出先で使用するデータを自宅でダウンロードしておけるため、結果的に外出先でのデータ使用量も抑えることができます。

テザリングだけでも十分だと思われるケース

パソコンやタブレットなどを利用することがほとんどない場合は、テザリングだけで事足りる可能性もあります。

基本的に自宅でインターネットに接続することが少なく、ごくまれに利用したい程度であればテザリングをスポット的に使う方が通信費を抑えやすいでしょう。

まとめ

スマートフォンのテザリング機能を活用すれば、パソコンやタブレットなどをいつでも・どこでも気軽にインターネットに接続できます。ただし、テザリング使用中はスマートフォンのデータ通信量を消費するため、動画視聴やオンラインゲームなどデータの送受信量が多い用途はなるべく控えた方がよいでしょう。

通信制限を気にせずインターネットを利用したいなら、光回線の導入がおすすめです。テザリングと比べて通信速度が速く、安定しやすいため、快適にインターネットを楽しめます。

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