レイテンシとping値の違いとは?数値が悪くなる原因と改善方法

インターネット回線の快適性に関する話題では、通信速度のほかに「レイテンシ」や「ping値」といった言葉が登場することがあります。
レイテンシとping値は同一視されがちですが、実は本質的には別のものです。本記事では、レイテンシとping値のそれぞれの概要や、両者の違いについて詳しく解説します。
レイテンシやping値を改善する方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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レイテンシとは?

ネットワーク関係における「レイテンシ」は、通信の待ち時間や遅延時間を意味します。ユーザーがサーバーに要求→サーバーが要求を受け付ける→サーバーから応答が返されるという、一連の処理が行われるまでの時間を指すものです。
例えば、Webサイトを閲覧するときは、ユーザーがサーバーに「Webサイトを開く」という要求を送る→サーバーが要求を受け取る→サーバーが要求を処理し、Webサイトの表示が開始されるという順番に処理が行われます。
レイテンシは、この「Webサイトを開く」という要求が送られてから、Webサイトの表示が開始されるまでの時間を表すものです。
レイテンシの数値は、低ければ低いほど、それだけユーザーの要求に対して応答がスピーディーに返されるということを意味します。反対に、レイテンシの数値が高い場合は、ユーザーの要求に対して応答が返ってくるのが遅く、不便を感じることもあるでしょう。
例えば、オンラインゲームでは、レイテンシの数値が高いと、ユーザーの操作がゲーム内での動きに反映されるまでの時間が遅く、ゲームの快適性や勝敗に影響が出る可能性があります。
そのため、レイテンシは通信速度と同様に、インターネットの快適性を測るうえで重要な指標となります。
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ping値とは?

pingとは、ネットワーク機器の応答を調べるプログラムのことです。
パソコンに対してpingを実行すると、「サーバーから応答が返ってくるまでにかかった時間」を計測できます。また、pingを実行して得られた値のことを「ping値」といいます。
ping値はms(ミリ秒)という単位で表され、数値が低ければ低いほど、サーバーから応答が返ってくるまでの時間が短いということです。インターネットの用途によっては低いping値が求められることもありますが、WebサイトやSNSの閲覧であれば、ping値は30〜50msあれば快適性に問題はないとされています。
レイテンシとping値の違い

前述の通りping値とは、pingというコマンドを実行して、「サーバーから応答が返ってくるまでにかかった時間」を数値化したものです。そして、レイテンシとは、ユーザーが要求を送ってから応答があるまでの時間を指します。
両者は本質的には別物ですが、ping値はレイテンシを数値化したものとも考えられます。そのため、レイテンシの値としてはping値が用いられるのが一般的です。
レイテンシ(ping値)と通信速度の違い
多くの場合、インターネットの快適性を確認する際は「通信速度」が重視されます。
インターネットの通信速度とは、単位時間あたりに送受信できるデータ量のことです。
通信速度はbps(bit per second)という単位で表され、1秒間に何bitのデータ送受信ができるかを示しています。1秒間に送受信できるデータ量が多いほど、一度に多くのデータをやりとりすることが可能です。
そのため、インターネットの通信速度はbpsの数値が高ければ高いほど速く、快適にインターネットを利用できるということになります。
一方、レイテンシ(ping値)はmsという単位で表され、ユーザーが要求をしてから応答が返ってくるまでの待ち時間を示すものです。また、レイテンシ(ping値)は数値が低ければ低いほど遅延時間が短く、快適にインターネットを利用できるということになります。
このように、レイテンシ(ping値)と通信速度はまったく異なるものです。しかし、どちらもインターネットの快適性を示すものなので、自宅のインターネット回線の状態をチェックする際や、回線の乗り換えを検討する際は重要な指標となります。
レイテンシ(ping値)の測定方法

インターネットの通信速度を測定するサービスのなかには、レイテンシ(ping値)を測れるものも多くあります。サービスによって「レイテンシ」として表示される場合もあれば、「ping値」として表示される場合もありますが、基本的にはどちらを参照しても問題ありません。
例えば、Googleのスピードテストでは、ユーザーが要求を送ってから応答が返ってくるまでの時間がレイテンシとして表示されます。

Googleのスピードテストの利用方法は、以下の通りです。
- Googleの検索ボックスに「スピードテスト」と入力して検索する
- 検索結果のページ上部に表示される「速度テストを実行」ボタンを押す
- 通信速度やレイテンシが表示される
会員登録やアプリのインストールなども必要なく、手軽にレイテンシを計測できるのでおすすめです。
レイテンシ(ping値)を重視すべき場面

レイテンシ(ping値)は低ければ低いほど快適性が増しますが、一般的な用途であればレイテンシがそれほど必要ないケースも多くあります。
一方で、次のような用途でインターネットを利用する場合は、レイテンシを重視するほうがよいでしょう。
オンラインゲーム
パソコンやスマートフォンなどでオンラインゲームを楽しみたい場合、レイテンシ(ping値)は約30ms以下であるのが望ましいとされています。とくに、FPSや格闘ゲームなどのオンライン対戦ゲームは一瞬の動きが勝敗を左右するため、レイテンシ(ping値)は15ms以下が理想的です。
反対にレイテンシ(ping値)が高い状態でオンラインゲームをプレイすると、ラグが生じて勝敗に影響が出る可能性があります。
ビデオ会議
自宅でビデオ会議をする場合も、レイテンシ(ping値)が重要です。レイテンシ(ping値)が高い状態でビデオ会議をすると、会議画面に動きや音声が反映されるまでの時間が遅くなり、相手とのやりとりがスムーズにいかなくなってしまいます。
これからビデオ会議の機会が増えそうな場合は、自宅のレイテンシ(ping値)が高くないかあらかじめチェックしておきましょう。
オンライントレード
オンライントレードとは、インターネットを通じて株をはじめとした金融商品の取引をすることです。パソコンやタブレット、スマートフォンなどを利用して、株の売買を手軽に注文できます。
オンライントレードでより多くの利益を得るためには、株価やレートがリアルタイムで変動していくなか、ベストなタイミングを逃さずに売買を注文する必要があります。
そのため、レイテンシ(ping値)が高すぎると「注文」という要求に対する応答速度が遅くなり、せっかくのチャンスを逃してしまう可能性も考えられます。金融取引ではときに大きなお金が動くからこそ、オンライントレードで取引をする方は自宅のレイテンシ(ping値)をしっかり確認しておきましょう。
動画視聴
オンラインゲームやビデオ会議などと比べると、それほどではありませんが、動画視聴もレイテンシ(ping値)の影響を受けやすいとされています。特に高画質の動画を視聴する際は、レイテンシ(ping値)が高いと映像がカクカクしたり、音が遅れて聞こえたりすることがあります。
動画を視聴する場合は、レイテンシ(ping値)が15〜30ms程度あれば問題ないでしょう。
レイテンシ(ping値)が高くなる主な原因と改善方法

レイテンシ(ping値)が高くなる原因としては、主に次のようなものが考えられます。
- 通信機器やLANケーブルの不具合
- 不要なアプリやブラウザが動いている
- 電波状況が悪化している
- ルーターとデバイスの距離が離れている
- インターネットの回線品質の問題
それぞれの原因と対処法について、以下で詳しく解説します。
通信機器やLANケーブルの不具合
ルーターや接続しているデバイスなどに不具合が起こると、遅延時間が長くなることがあります。特に、ルーターやデバイスを長時間起動させたままでいると、不具合が起こりやすいので注意しましょう。
通信の一時的な不調は、通信機器の不具合が原因のことが多く、再起動すると症状が改善するケースも少なくありません。
また、ルーターとデバイスを有線接続している場合は、LANケーブルの状態やスペックを確認することも重要です。LANケーブルには「カテゴリー」と呼ばれる規格があり、古い規格のLANケーブルを使うと遅延時間が長くなりやすいとされています。古いLANケーブルを使い続けていて、通信速度やレイテンシ(ping値)に影響がでている場合は、新しい規格のものへの買い換えも検討しましょう。
不要なアプリやブラウザが動いている
不要なアプリが動いていたり、ブラウザをいくつも開いていたりすると、遅延時間が長くなることがあります。
不要なアプリやブラウザは、なるべくこまめに閉じるようにしましょう。
電波状況が悪化している
ルーターとデバイスを無線接続している場合は、電波状況の悪化により通信が不安定になり、レイテンシ(ping値)にも影響が及ぶ場合があります。
電波は、そのほかの機器から発せられる電波や障害物の影響を受けやすいので、ルーターの設置場所を見直すことで状況が改善する可能性もあるでしょう。
例えば、電子レンジなど、Wi-Fiと同じ周波数帯を使っている家電のそばには、Wi-Fiルーターを置かないようにしましょう。同じ周波数帯の電波を発する機器同士が近くにあると、電波同士が干渉して通信が不安定になる場合があります。
また、電波は障害物に当たると減衰してしまうので、壁や背の高い家具なども避けるようにしましょう。
Wi-Fiで使われる周波数帯は、主に5GHzと2.4GHzの2種類です。
5GHzは電波干渉の影響を受けにくい、2.4GHzは障害物の影響を受けにくいと、それぞれ特徴があるので、周囲の状況に合わせて使い分けるのもおすすめです。
ルーターとデバイスの距離が離れている
無線接続の場合は、ルーターとデバイスの距離が離れていると、通信が不安定になる可能性が高まります。
デバイスをルーターに近づけるか、ルーターの設置場所を見直して、なるべく近い位置で操作するとよいでしょう。
また、中継機やメッシュWi-Fiを導入するという方法もあります。中継機とは、Wi-Fiの電波を中継して、デバイスがある場所まで電波を届きやすくするためのものです。
一方、メッシュWi-Fiとは、親機(Wi-Fiルーター)と子機のルーターを組み合わせて、Wi-Fiの電波を網目のように張り巡らせる通信形態のことをいいます。どちらも役割としては似ていますが、メッシュWi-Fiは接続先の切り替えが自動で行われるので、親機の接続範囲から子機の接続範囲に移動した場合も、インターネットが途切れることなくシームレスにつながります。
インターネットの回線品質の問題
レイテンシ(ping値)は、インターネット回線の品質の影響も受けます。ここまで紹介した方法を試しても数値が高い場合は、回線の乗り換えも検討しましょう。
インターネット回線を乗り換えるなら、光回線がおすすめです。そのほかの回線方式と比べて通信速度が速く、大容量のデータを送受信する場合も快適にインターネットを楽しめます。
まとめ
レイテンシとは、ユーザーの要求に対して応答があるまでの待機時間のことです。一方、pingはコマンドの一つであり、実行すると「サーバーから応答が返ってくるまでにかかった時間」を計測できます。
そのため、pingを実行することで得られた数値(ping値)をレイテンシの値として扱うケースが一般的です。
レイテンシ(ping値)の値が低い場合は、ルーターの不具合や電波状況の悪化などが原因になっている可能性があります。また、レイテンシ(ping値)は回線品質によっても左右されるので、状況が一向に改善されない場合は回線を乗り換えるのも選択肢の一つです。
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