おかげさまで、eo光寄席も18回目を迎えることができました。皆さまのご愛顧のおかげ。感謝いたします。コロナ禍で、ことごとくイベントものは足が遠のいていましたが、ようやく回復の兆しが見えてきました。ぜひとも、上方落語の笑いで免疫力アップを。今回も、ハツラツとした若手から押しも押されもせぬ大看板まで、旬の顔ぶれが勢揃い。上方落語の真髄をお楽しみください。

開口一番は月亭 秀都（つきてい しゅうと）さん

東洋大姫路高校で野球部に在籍。ガッツの持ち主です。名前の由来は球種のシュートことと思っていましたが、本人曰く、サッカーの方。高座が好きで好きでたまらない。どんなところに出かけても、物怖じせずにガンガンとシュートを打ってでるような、語り口に好感が持てます。まだまだ高座では直球勝負ですが、楽しみな逸材です。今回は古典の昔話「桃太郎」でご機嫌を伺います。

二番手は桂 文五郎（かつら ぶんごろう）さん

桂文珍師匠のお弟子さんです。もう10年目。講談師の旭堂南海さんらと「上方書生節協會」を結成し「今蘇る書生節」の舞台にも登場。書生節とは明治初期に人気のあった流行歌（はやりうた）で、文五郎さんは器用にバイオリンで弾き語り。将来を見据えて、意欲的に芸の幅を広げようとするところが魅力でしょうか。今回は古典の「七段目」。歌舞伎好きの若旦那と小僧が登場して、珍妙な忠臣蔵を演ずるのがききものです。

中入り前は林家 菊丸（はやしや きくまる）さん

晴れて、令和4年度第77回文化庁芸術祭賞（大衆芸能部門）大賞を受賞しました。実力はまさに折り紙つき。師匠は四代目林家染丸ですが、2013年に上方落語の由緒ある名跡「林家菊丸」を襲名しました。よくぞ、この大看板を復活させたと落語界では大きな話題になりました。今年50歳。今、聞かなくてどうする、というのは大げさでしょうか。至芸をご堪能ください。

中入り明けは桂 吉坊さん（かつら きちぼう）

とにかく好奇心旺盛。噺家修行の年季明けから、舞台に役者として立ち、また映画にも出演。太鼓、笛、長唄、能楽の謡、小鼓を習得しつつ、それらを落語に生かす。落語のためとならば、なんでも貪欲に吸収していく芸熱心は、周囲の誰もが認めるところ。いよいよ、大きな花を咲かせる時…多芸多才をご堪能ください。

トリは桂 春蝶（かつら しゅんちょう）さん

いまさら、改めてご紹介するまでもないかもしれません。実父の二代目春蝶の名を継ぎ、東西はもとより日本中に上方落語の面白さを広める第一人者。伝統芸能に裏打ちされた話芸は、近年いっそう艶をまし、落語通も唸らせます。 円熟の話芸をこころゆくまでお楽しみください。