ルーターに記載のある「WAN」とはどういう意味?ネットワーク構成機器の基礎知識を解説!

ルーター本体を観察すると、「WAN」と記載されていることがあります。無線LAN・有線LANなどで「LAN」という言葉には馴染みがあっても、「WAN」が何を意味するのか分からないという方も多いでしょう。
そこで本記事では、ルーターに記載されているWANの意味や、LANとの違いを詳しく解説します。
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ルーターに書かれている「LAN」と「WAN」とは?

ルーターの本体には複数の差し込み口があり、「LAN」「WAN」と記載されたものもあります。両者の差し込み口はそれぞれ役割が異なるので、ケーブルを差し込む際は間違えないように注意が必要です。
LANとWANという言葉が何を意味し、それぞれの差し込み口にはどのような役割があるのか、以下で詳しく解説します。
LANとは

LANとは、Local Area Network(ローカルエリアネットワーク)の略称です。家庭やオフィス、学校など、限られた範囲で構築されたネットワークのことを指します。
ルーター本体の「LAN」と書かれた差し込み口は、ルーターとデバイスを接続して、ローカルエリアネットワークを構築するためにあるものです。
LANポートは通常複数あり、一般的には1台につき4つの差し込み口が備わっています。
LANの種類
LANには、有線LANと無線LANの2種類があります。
有線LANとは、ルーターとデバイスをLANケーブルで物理的に接続する方法です。つまり、「LAN」と書かれた差し込み口(LANポート)は、この有線LAN接続を行う際に使用されます。
一方、無線LANとは、目に見えない電波を使ってルーターとデバイスを接続する方法です。この場合はLANケーブルは必要ないので、LANポートも使用しません。
WANとは

WANとは、Wide Area Network(ワイドエリアネットワーク)の略称です。狭い範囲でのネットワークであるLANとは対照的に、WANは広範囲のネットワークのことを表します。例えば、私たちが日常的に使用している「インターネット」も、WANのひとつです。
そのほか、例えば企業では、離れた場所にある本社と支社のLANを接続する場合などにWANを用いることがあります。この場合のWANは、インターネットとは異なり特定のユーザーのみが利用できる状態です。
家庭においては、ルーター本体の「WAN」と書かれた差し込み口は、ルーターと光回線終端装置やモデムを接続するために用いられます。これにより、家庭内のローカルエリアネットワークをワイドエリアネットワークに接続して、デバイスをインターネットに接続できるようになります。
なお、ルーターによっては、差し込み口にWANではなく「INTERNET」と表記されている場合もあるでしょう。
LANとWANの違い
ここからは、LANとWANの違いをさらに深掘りしていきます。LANとWANの違いは、主に「ネットワークの範囲」「IPアドレス」「構成機器」の3点です。
ネットワークの範囲 | IPアドレス | 構成機器 | |
---|---|---|---|
LAN | 狭い範囲 | 主にプライベートIPアドレス | ハブやルーターなど |
WAN | 広い範囲 | グローバルIPアドレス | ルーターやゲートウェイなど |
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
ネットワークの範囲
LANのネットワークの範囲は、家庭やオフィス、学校など限定的です。基本的には数メートルから数キロメートル程度の、比較的小規模な範囲でネットワークを構築し、そのなかの機器やデバイス同士でデータをやりとりします。
一方、WANのネットワークは国や大陸をも越えた、非常に広範囲なものです。例えばインターネットは、世界中にある小さなLAN同士が結びつき、広大なネットワークを形成したものといえます。LANが地理的に近い範囲でデータをやりとりするのに対し、WANは物理的に距離が離れている場所ともデータをやりとりすることが可能です。
IPアドレス
LANとWANは、使用するIPアドレスも異なります。
IPアドレスとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなどをネットワークに接続する際、それぞれの機器に割り当てられる識別番号のことです。ネットワーク上における住所のようなもので、データの送受信先を指定する役割があります。
IPアドレスは、「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類に分かれます。
グローバルIPアドレスとは、簡単にいうとインターネットに接続するためのIPアドレスです。インターネットというと巨大なネットワークにおいて、データをやりとりする際の目印となります。
一方、プライベートIPアドレスとは、ローカルエリアネットワークを構築するためのIPアドレスです。家庭やオフィスなどのネットワーク上において、ルーターとデバイスや、デバイス同士でデータをやりとりする際の目印となります。
つまり、LANでは主にプライベートIPアドレスが用いられ、WANではグローバルIPアドレスが用いられるということです。
構成機器
LANやWANのようなネットワークには、さまざまな通信機器が含まれます。文字通り機器やサーバーを線でつなぎ、網(ネットワーク)を構築しているイメージです。
例えば、LANの構成機器は、主にルーターやハブなどです。一方、WANはルーターのほか、ゲートウェイなどで構成されます。
ネットワークの構成機器に関する基礎知識
ここからは、ルーターやONUなど、ネットワークの構成機器がそれぞれどのような役割を持つのか解説します。
ルーター

※画像は「eo光多機能ルーター eo-RT100」
ルーターは、異なる複数のネットワークを中継する機器のことです。家庭内に設置されるインターネットルーターとしては、複数のデバイスでインターネットを利用できるようにする役割も持ちます。
前述の通り、ネットワーク上でデータをやりとりするためには、IPアドレスという識別番号が必要です。しかし、回線契約によって提供されるIPアドレスは1つのみなので、そのままの状態では、デバイス1台しかインターネットに接続できません。
家庭用インターネットルーターには、デバイスにIPアドレスを割り当てる機能が備わっています。それぞれに住所を与えることで、スマホやパソコンなどの複数のデバイスをインターネットに接続できるようになるのです。
また、無線LAN機能が備わったルーターを「無線LANルーター」や「Wi-Fiルーター」と呼ぶこともあります。機器によっても異なりますが、基本的には有線LANと無線LANの両方に対応している場合が多いでしょう。
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光回線終端装置(ONU)

ONUとは、Optical Network Unitの略称で、日本語では「光回線終端装置」と呼ばれます。
現在主流なインターネット回線である「光回線」では、ガラスやプラスチックなどでできた光ファイバーケーブルを用いて接続します。しかし、光ファイバーケーブルから伝送される光信号は、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器では認識することができません。
そこで、自宅に引き込んだ光ファイバーケーブルから送られてくる「光信号」を「デジタル信号」に変換するのが、ONUです。そのため、光回線でインターネットを利用するためには、ONUの設置が必須といえます。
なお、集合住宅の場合、配線方式によっては建物の共有スペースにONUを設置するので、宅内にはルーターのみを設置することもあります。
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ホームゲートウェイ

※画像は「eoホームゲートウェイ(無線ルーター機能)」
ホームゲートウェイは、インターネット接続に必要な機能を1つに集約した機器です。
WANを構成する「ゲートウェイ」とは別物ですが、家庭内のネットワークとインターネットをつなぐゲートウェイにあたるといった意味合いで、「ホームゲートウェイ」と呼ばれています。
ホームゲートウェイには、ONU機能、ルーター機能、光電話アダプター機能などが集約されています。ホームゲートウェイが1台あれば、それぞれの機器を個別に設置する必要はありません。
なお、場合によってはONU機能のないホームゲートウェイが支給されることもあります。ホームゲートウェイの搭載機能は提供事業者によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
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スイッチングハブ

スイッチングハブは、LANケーブルの差し込み口である「LANポート」の数を増やすために用いられます。コンセントのテーブルタップのような役割を持ち、有線LANで接続するデバイス数を増やすことができます。
ルーターのLANポートの数には限りがあるので、元々備わっている数では足りない場合に便利です。
スイッチングハブに別のスイッチングハブを接続すれば、LANポートの数をさらに増やすことも可能ですが、同時に通信するデバイスの数が増えると通信速度が低下する恐れもあります。また、スイッチングハブを導入すると配線が複雑になりやすいので、誤ったケーブルをつないでしまったり、配線まわりがゴチャついたりしないよう注意が必要です。
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中継機

中継機とは、無線LANルーターから発せられる電波を中継し、電波が届く範囲を広げるための機器です。電波は障害物や距離などの影響を受けやすく、家の中に電波が届きにくい場所ができてしまうことがあります。
電波状況が悪いと、通信速度が低下したり、通信が途切れ途切れになったりと、何かと不便です。中継機を導入すれば、こうした不便を解消し、家中どこでも快適なインターネット環境を目指すことができます。
ただし、中継機の場合、デバイスの接続先を親機(ルーター)から中継機へ、中継機から親機へと切り替える場合、手動で設定する必要があります。
そこでおすすめなのが、メッシュWi-Fiです。メッシュWi-Fiとは、親機(ルーター)と子機を組み合わせて、ネットワークを網目のように張り巡らせる通信形態のことです。メッシュWi-Fiでは接続先の切り替えが自動で行われるので、デバイスを持ったまま移動してもシームレスにつながります。
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まとめ
ルーターに記載されている「WAN」とは、Wide Area Network(ワイドエリアネットワーク)の略称です。インターネットのような広範囲のネットワークを指し、家庭内のLANをWANに接続することでインターネットを利用できるようになります。
ネットワークはルーターやONUなど、さまざまな機器により構成されます。機器の性能や機能は提供元の通信事業者により異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
例えば、関西圏を中心に光回線サービスを提供する「eo光」では、ONU機能付きホームゲートウェイのレンタルサービスを行っています。ONU、ルーター、eo光電話アダプターを1台に集約し、無線も有線もかんたんに接続可能です。
また、eo光では、メッシュWi-Fiのレンタルサービスも行っています。eo光ネットの月額料金に+550円で、メッシュWi-Fiの子機2台をお使いいただけます。
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