更新日:2023/11/10
Wi-Fi

ルーターとは?Wi-Fiとの違いや選び方を初心者にもわかりやすく解説

ルーターとは?Wi-Fiとの違いや選び方を初心者にもわかりやすく解説

自宅で複数の機器をインターネットに接続するときは、ルーターが必要になります。当たり前のように使用されているルーターですが、「どのような役割の機器なのか」「なぜ必要なのか」をしっかりと理解できている方は少ないかもしれません。

本記事では、意外に知られていないルーターの基本的な知識を解説します。ルーターの使用方法や注意点も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ルーターとは

ルーターとは

ルーターとは、パソコンやスマートフォンといった複数の機器をインターネット回線に接続する役割をもつ機器のことです。

わかりやすくいうと、ルーターを使わないと1つのインターネット回線に1つの端末しか接続できないのです。

ただ単にインターネットに接続するだけであれば、モデムあるいはONUと端末をつなぐことで利用できます。しかし、モデムやONUには1台の端末しかつなぐことしかできません。

本来、インターネットに接続するためには、端末ごとにそれぞれIPアドレスが必要となります。IPアドレスというのは、ネットワークに接続されている端末に割り振られた番号のこと。しかし、インターネットサービスプロバイダーは通常「一度の接続につきひとつのIPアドレス」しか提供しないため、仮に2台以上の端末を直接ONUに接続しても、同時にインターネットを使用することはできません。

そこでルーターは、家の中にある端末それぞれに自宅内だけのIPアドレスを発行し、グローバルIPアドレスと変換する役割を担っています。インターネット側から見ると1つの家に 1つのIPアドレスが付与されているように見えますが、家の中では端末それぞれに個別のIPアドレスが付与されているので、複数の端末を同時にインターネットに接続できるようになります。

そのため、自宅でスマートフォンやパソコン、ゲーム機などさまざまな機器をインターネット接続するときにはルーターが欠かせないのです。

ルーターには、主に以下の2つの機能が搭載されています。

ルーティング処理 宛先となる通信機器のIPアドレスを照合し、ネットワークの最適な経路を導き出す。
フィルタリング機能 指定した条件に従って特定のパケットの通過を禁止する、あるいは優先的に通信させるパケットを選択する機能。ルーターに接続できるIPアドレスや端末などを制限し、セキュリティー性を高めることができる。

ルーターの種類

一口にルーターといっても、細かく4つの種類に分類できます。ここでは、ルーターの種類を詳しく解説します。

有線ルーター

有線ルーターは、文字通りパソコンやゲームなどの端末との接続をLANケーブルでおこなうルーターです。LANケーブルで直接接続するため、通信速度が速く接続状況が安定します。

この後紹介する無線LANと比べて、ルーター本体の価格が安いというメリットはありますが、スマートフォンが普及した今、あえて有線ルーターを選ぶ方はそう多くありません。

無線ルーター

無線ルーターは、自宅内のネットワークを無線化して、インターネットへの接続を可能とするルーターです。別名「Wi-Fiルーター」と呼ばれることもあります。無線ルーターの多くはLANポートが搭載されているため、LANケーブルによる有線での接続も可能です。

無線ルーターがあれば、スマートフォンやパソコンなどをワイヤレスでインターネット接続できます。近年は、デバイスだけではなく家中の家電をインターネットにつなげるIoTが普及しているため、無線ルーターの需要はますます高まっています。

モバイルWi-Fiルーター

モバイルWi-Fiルーターは、Wi-Fi経由でモバイル回線を利用し、パソコンなどをインターネットに接続するルーターです。持ち運びが可能な小型の機器で、データ通信ができるSIMカードを挿入して使用します。

1人暮らしの方やインターネットに接続する機器が少ない方の場合、モバイルWi-Fiルーターを自宅の固定回線と兼ねて使用することも可能です。

ホームルーター

ホームルーターとは、モバイル回線を使ってインターネット通信を行う、自宅に据え置くタイプのルーターです。コンセントに刺すだけでWi-Fiの電波が発生し、インターネットが使えるようになります。

ホームルーターと一般的なルーターの違いは、以下のとおりです。

  • ホームルーター:工事が不要で、SIMカードを差して使用する
  • ルーター(固定回線):回線工事が必要で、SIMカードを必要としない

ホームルーターは工事不要で簡単に使用できる反面、回線が不安定になったり速度制限が発生したりするというデメリットがあります。用途や目的に合わせて、ご自身に最適なものを選びましょう。

ルーターとWi-Fiの違い

ルーターは、先述した通りモデムとつないで2台以上のデバイスをインターネットに接続する機器のことです。ルーターには、端末との接続にLANケーブルが必要な有線のものと、LANケーブルが不要な無線のものがあります。
対してWi-Fi(Wireless Fidelity)とは、無線LANの規格のひとつです。

Wi-Fiを使うためには、Wi-Fiルーターが必要です。
Wi-Fiルーターを使うと、ワイヤレスでスマートフォンやパソコンといった機器をインターネットと接続して使用できるようになります。

ルーターはよくWi-Fiと混同して使われがちですが、そもそも、ルーターは「機器の名称」でありWi-Fiは「規格の名称」であるため、両者はまったくの別物です。

無線の通信規格にはWi-Fiの「IEEE802.11a」や「IEEE802.11n」といったものがあるほか、BluetoothやNFC、WiMAXなどの規格もあります。通信規格によって周波数帯や通信速度が異なりますが、こうした規格のうち、「11ax」「11ac」「11n」「11a」「11g」「11b」と記載されている6つの規格がWi-Fiと呼ばれているのです。

一般的に、Wi-Fiルーターと無線ルーターは同じ機能を持った機器を意味します。

ルーターとモデム・ONU・ハブの違い

ルーターと混同しやすい機器として、「モデム」や「ハブ」が挙げられます。ここでは、各言葉の違いをみておきましょう。

モデム・ONUとは

モデムは、電話回線やケーブルテレビ回線のアナログ信号をデジタル信号に変換するための機器です。なお、光回線の場合は、モデムではなく「ONU(光回線終端装置)」を使用し、光信号をデジタル信号に変換します。

モデム・ONUとルーターは、根本的な役割が異なります。モデム・ONUはアナログ信号もしくは光信号とデジタル信号を相互に変換する装置であるのに対し、ルーターは複数のデバイスをインターネットに接続する際に必要な装置です。

モデム・ONUが信号を変換し、ルーターがデータを各デバイスに割り振ることで、複数の端末を同時にインターネットに接続することができます。

そのため、パソコンやスマートフォンなど複数のデバイスを同時に接続する場合、以下のようにそれぞれの機器を組み合わせる必要があるでしょう。

  • 電話回線やケーブルテレビ回線の場合:モデム+ルーター
  • 光回線の場合:ONU+ルーター

ただし、ONUのなかにはルーター機能が搭載されたものもあり、その場合は別途ルーターを用意する必要はありません。

モデム・ONUとルーターは非常に似ていますが、見た目で区別することが可能です。

  • モデム・ONU:電話回線や光回線と接続するコネクタがある
  • ルーター:LANポートが複数ある

なお、モデムやONUは固定回線を使用する場合のみ必要となります。モバイル回線を使ってインターネット通信を行うホームルーターは、モデムやONUを必要としません。

ハブとは

ハブとは、ルーターに接続できるデバイスの数を増やしたり、LANケーブルの距離を伸ばしたりするために使用する機器です。電気のコンセントにおける「電源タップ」のような役割があり、ルーターにハブを繋ぐことで、LANケーブルによって有線接続できる台数を増やすことができます。

ルーターとハブは見た目が非常によく似ていますが、その役割は大きく異なります。ルーターは、複数のデバイスでインターネットを利用するために不可欠なものです。一方、ハブは、ネットワークの構築に必須のものではなく、あくまでインターネットを便利に利用するために+αで用いられます。

なお、現在市販されているルーターにはハブ機能が搭載されているものが多く、そのままでも複数台のデバイスを有線接続することが可能です。多くのルーターには、基本的に4つのLANポートが備わっています。

ルーターの入手方法

インターネットを使用するときに欠かせないルーターは、どこから入手できるのでしょうか。ルーターの2つの入手方法を解説します。

回線事業者からレンタルする

回線事業者によっては、ルーターをレンタルすることが可能です。「自分でルーターを選ぶことが難しい」「どのようなルーターがいいのかわからない」という場合は、レンタルを選択肢に入れるとよいでしょう。

無料キャンペーンを実施していたり、月々100円前後でルーターをレンタルできる場合は、購入するよりもレンタルしたほうが費用を抑えられる可能性があります。

eo光では、Wi-Fiが利用できる無線ルーター機能のレンタルサービスを提供しています。eo光ネットと同時お申し込みで、月額105円(税込)が12カ月無料となるキャンペーンを実施中です。

市販の製品を購入する

「ゲームをするから速度を重視したい」「とにかく高性能なルーターが欲しい」という場合は、市販の製品を購入することも可能です。ルーターは、家電量販店やネットショップなどが豊富に取り扱っており、幅広い選択肢から選べます。

ただし、市販の製品は非常に種類が多いため、選ぶ際はルーターに関する知識が必要になります。自分で選ぶのが難しい場合は、レンタル製品を活用したり専門スタッフに相談したりすることがおすすめです。

ルーターを選ぶときのポイント

快適にインターネットを使用するためには、使用環境や用途に合ったルーター選びが重要となります。とはいえ、ルーターの選び方といわれても、どのようなポイントをチェックすればいいのかわからない方がほとんどでしょう。

ルーターを選ぶ際は、以下の4つのポイントをチェックすることが大切です。

  • ルーターの通信速度
  • 使用環境
  • 接続する機器の数
  • ルーターの性能

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

ルーターの通信速度

ストレスなくインターネットを使用したいなら、ルーターの通信速度を必ずチェックしましょう。通信速度が速いルーターを選べば、動画視聴やオンラインゲームもサクサク快適です。

その際、自分が契約している回線の最大通信速度に合わせることも大切です。たとえ最大速度5Gbpsのプランを契約しても、1Gbpsまでしか対応していないルーターを選んでしまうと、1Gbps以上の速度を出すことはできません。

反対に、速度が速いルーターを選んでも、回線自体の速度が遅ければルーターの性能を発揮することはできないため、それぞれの最大通信速度をしっかりとチェックすることが重要です。

また、通信速度にこだわる場合は、無線LANルーターが対応している規格もしっかり確認しましょう。無線通信にはいくつかの規格があり、それぞれ最大通信速度が異なります。

ルーターの通信速度

日常生活で使用するなら、IEEE802.11n以上の規格に対応したものであれば問題ないでしょう。

なお、無線LANルーターの無線通信速度は、以下の3つの要素に左右されます。

要素 概要
アンテナ
  • アンテナが多いほど高速になる
  • アンテナの最大数は8本
バンド数
  • 使用できる電波の数を指す
  • 5GHz帯&2.4GHz帯の「デュアルバンド」と、5GHz帯&5GHz帯&2.4GHz帯の「トライバンド」がある
  • トライバンドは多くの機器をつなげても速度が落ちにくい
規格
  • 新しい規格になるほど速度は速くなる
  • IEEE802.11n<IEEE802.11ac<IEEE802.11ax<IEEE 802.11beの順で速い

使用環境

ルーターによって、適している使用環境は異なります。ご自宅の使用環境に合わせてルーターを選ぶことも大切です。

ルーターの商品説明を見てみると、目立つ場所に「戸建て用」「マンション向け」「ワンルーム向け」など、想定使用環境が記載されています。ルーターを選ぶときは、必ずその内容を参考にしましょう。

また、ルーターを設置する階数とインターネットを使用する部屋の階数が異なる戸建ての場合は、通信が不安定になることがあります。この場合は、中継機やメッシュWi-Fiの設置によって電波の範囲を拡げることがおすすめです。

接続する機器の数

ルーターは、性能によって接続できる機器の数が異なります。接続可能台数をオーバーすると通信速度が落ちてしまうため、少し余裕を持たせておくと安心です。

特に、テレビやスマートスピーカーなどの家電をインターネット接続する場合は、あっという間に接続台数が増えてしまうため、自身が接続したい台数を確認するようにしましょう。

ルーターの性能

ルーターは製品によって性能が大きく異なり、それぞれに独自の強みがあります。例えば、以下のような高性能なルーターがあります。

  • ゲームがサクサク動く超高速ルーター
  • 網目状にWi-Fi環境を構築できるメッシュWi-Fi
  • 混雑を避けて高速通信を実現するIPv6接続が可能なルーター

このようなルーターは、高性能な分価格が高くなります。

高性能なルーターを購入することが必ずしも得策というわけではありません。大切なのは、ご自身の使用状況に応じた製品を選ぶことです。

なお、データ通信量の大きい高画質動画の視聴時やオンラインゲームのプレイ時は、回線の速度や安定性が重要となるため、無線接続よりも有線接続がおすすめです。

ルーターの選び方については、当サイトの別記事で詳しく解説しています。自身にあったルーターを選ぶためにも、こちらの記事も合わせて参考にしてください。

ルーターの設置方法

ルーターは、以下の手順で設置します。

  1. インターネット回線を契約する
  2. ルーターをレンタルもしくは購入する
  3. 壁から出ているケーブルとモデム(あるいはONU)をつなぐ
  4. モデム・ONUとルーターをLANケーブルでつなぐ
  5. 端末からルーターにアクセスして初期設定を行う
  6. インターネットを使用したい機器にLANケーブルやWi-Fiをつなぐ

なお、ルーターの設定を行う際は、プロバイダーから送付される書類に記載されている情報が必要になります。紛失しないように注意しましょう。

ルーターを使用するときの注意点

最後にルーター使用時に押さえておきたい注意点をみておきましょう。代表的な3つの注意点をご説明します。

置き場所に気をつける

無線でインターネットを使用する場合は、ルーターの置き場所にも気をつけなければいけません。

Wi-Fiの電波は、コンクリートや木材などの遮蔽物により弱まってしまいます。部屋の隅や棚の中などに設置すると電波が弱まるので、接続が不安定になり通信速度が低下する可能性があります。

理想的なルーターの置き場所は、部屋の中央かつ床よりも少し高い位置です。間取りの問題で部屋の中央に設置することが難しい場合は、できるだけ見通しのいい場所に設置しましょう。

セキュリティーに気をつける

家庭用のルーターを経由してサイバー攻撃を仕掛けられることがあるため、インターネット使用時は、セキュリティー面に気をつけなければいけません。

推奨されるセキュリティー対策方法としては、以下のようなものが挙げられます。

  • ルーターの接続を管理するIDやパスワードを複雑なものにする
  • セキュリティーサービスを導入する
  • 最新のファームウェアにアップデートする

「サイバー攻撃は一般人には無縁なことだ」と思われるかもしれませんが、カメラや端末が乗っ取られ、不正利用された事例は少なくありません。また、クレジットカードの番号を悪用されて高額請求されたり、ウイルスに感染させられたりする被害の報告事例もあります。

特に、テレワークをしている方は会社の情報漏えい対策に配慮する必要があります。家庭用のルーターであっても、しっかりとセキュリティー対策を行いましょう。

定期的に再起動する

「通信速度が遅い」「何度も途切れる」などルーターの調子が悪いと感じたら、再起動を行ってみてください。ルーターを再起動してリセットすることで、通信速度や接続状態が改善される可能性があります。

通常、ルーターは電源を入れっぱなしで接続したまま使用します。その影響で、熱がこもりやすくなったりアクセスログが蓄積されたりして、一時的に不具合が生じることがあるのです。

なお、不具合が頻発する場合や再起動しても改善されないときは、ルーターが寿命を迎えている可能性があります。この場合は、ルーターを交換したほうがスムーズに問題を解決できる可能性があります。

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ルーターの主な役割は、複数の端末をインターネットに接続できるようにすることです。ルーターを使わないと1つのインターネット回線に1つの端末しか接続できません。ルーターには4つの種類が存在しており、使用環境や使用目的によって適している種類が異なります。ルーターを選ぶときは、基本的な知識を身につけたうえで、ご自身に合ったものを選ぶことが大切です。

ルーターは家電量販店などで購入する以外にも、インターネットサービスプロバイダーからレンタルすることで入手できます。「どれが自分に合っているかわからない」「難しくて選べない」という場合は、ルーターのレンタルサービスを活用することがおすすめです。

関西圏で光回線を提供するeo光ネットでは、サクサク接続できる高速回線とともに、多機能ルーターレンタルサービスを提供しており、以下のような特長があります。

  • 複数台つないでも余裕のハイスピード
  • ハイビジョン映像を複数同時再生してもスムーズ
  • 回線へ接続して電源を入れるだけで、自動的にインターネットへ接続
  • 通信の暗号化で情報を保護
  • 外部アクセスからネットワークを隠す機能を搭載
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