更新日:2024/08/02
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スイッチングハブとは?わかりやすく解説!

スイッチングハブとは?わかりやすく解説!

自宅でインターネットを利用していて、「ルーターのLANポートが足りない」と感じることはありませんか?そんなときにおすすめなのが、スイッチングハブという機器です。

しかし、スイッチングハブの機能や役割について、いまいち理解できないという方も多いでしょう。そこで本記事では、スイッチングハブとはどのようなものなのか、わかりやすく解説していきます。

スイッチングハブを導入する際の注意点や選び方も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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目次

スイッチングハブとは?

スイッチングハブとは?

ハブとは、複数のデバイスをケーブルで接続してネットワークをつくるときに、中継点としての役割を果たす機器のことです。そして、ハブのなかでも、特定の宛先にピンポイントで通信を送れるものを「スイッチングハブ」と呼びます。

スイッチングハブは、主にLANケーブルの差し込み口を増やすために用いられます。身近な例で言うと、コンセントのテーブルタップのような役割を果たすものです。

有線接続できるデバイスの台数を増やすことができ、LANポートの数が足りない場合に便利です。

スイッチングハブと類似する機器との違い

スイッチングハブと混同されがちな機器に、リピーターハブやルーターなどがあります。

それぞれの機器の役割や、スイッチングハブとの違いを詳しく解説しましょう。

リピーターハブとの違い

リピーターハブとの違い

リピーターハブはネットワークの構築においてスイッチングハブと似たような役割を持ちますが、最も大きな違いはその仕組みです。

スイッチングハブが宛先を判別して通信を送るのに対し、リピーターハブは送られてきたデータを一旦、接続されているすべてのデバイスに送信します。その際、目的のデバイス以外に送られたデータは無視され、結果的には宛先のデバイスにのみデータが送られます。

このように、スイッチングハブを用いても、リピーターハブを用いても、通信の表面的な結果としては変わりはありません。しかし、スイッチングハブは目的のデバイスに直接データを届けられるので無駄がなく、ネットワーク全体の負荷が軽くなるというメリットがあります。

また、スイッチングハブなら、デバイスAからデバイスBにデータを送るのと同時に、デバイスCからデバイスDにデータを送るといった複数同時通信も可能です。一方、リピーターハブはデバイス間でデータを送信しているとき、ほかのデバイス同士が通信を行うことはできません。

ルーターとの違い

ルーターとの違い

ルーターとは、複数のデバイスをインターネットに繋げるための機器です。デバイスにデータを送受信する際に、どのデバイスからデータがきて、どのデバイスにデータを送るのか、データの流れを管理して道案内をする役割を担います。

なお、パソコンやスマートフォンなどをインターネットに接続するためには、アナログ信号や光信号をデジタル信号(デバイスが理解できる信号)に変換するモデムやONUが必要です。そのため、ルーターは単独ではインターネットに接続できず、モデムやONUと組み合わせて使われます。

インターネットに接続するデバイスが1台であれば、モデムやONUに直接LANケーブルで接続すれば問題ありません。しかし、パソコンやスマートフォンなど複数のデバイスでインターネットに接続したい場合は、ルーターで接続できる台数を増やす必要があります。

一方、スイッチングハブは基本的に有線LANケーブルの差し込み口を増やしたい場合に用いられるもので、ルーターのようにインターネットに接続する機能はありません。そのため、モデムやONUとルーターをセットで用意したうえで、それらと組み合わせて使う必要があります。

スイッチングハブのメリット

スイッチングハブのメリット

自宅のネットワークにスイッチングハブを導入すると、次のようなメリットを期待できます。

  • 有線接続できる台数を増やせる
  • 通信速度が改善される可能性がある

一般的なルーターには、1〜4つのLANポートがついています。自宅で使用するデバイスの数が多い場合は、もともと備わっているLANポートだけでは足りないと感じる方もいるでしょう。

スイッチングハブを導入すれば、ルーターに有線接続できるデバイスの台数を手軽に増やすことができます。ルーターのLANポートの数に関係なく、デバイスを何台も繋げられるので、家族が多い場合などに重宝するでしょう。

有線接続は無線接続と比べて通信が安定しやすい傾向があります。これまでLANポートの数が足りず無線接続していたデバイスも、スイッチングハブを導入して有線接続すれば、インターネットをより快適に利用できるようになるでしょう。

また、スイッチングハブはリピーターハブとは異なり、目的のデバイスにのみデータを送信するため、通信速度が損なわれないのがメリットです。いま現在リピーターハブを使っていて通信速度が気になっている方は、買い替えを検討するのもよいでしょう。

スイッチングハブを導入する際の注意点

スイッチングハブを導入する際の注意点

スイッチングハブを導入する際は、次のポイントに注意しましょう。

  • 使い方によっては通信速度が落ちる
  • ループ状態にならないよう注意する
  • 配線まわりをしっかり管理する

それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。

使い方によっては通信速度が落ちる

スイッチングハブに別のスイッチングハブを繋ぐことを、カスケード接続といいます。スイッチングハブ1台ではLANポートが足りない場合に、さらにLANポートを増やすことが可能です。

しかし、このようにLANポートをたくさん増やすと、同時に通信するデバイスが増えることにより通信速度が落ちる場合もあります。同時通信しているデバイスが多いと、ネットワークを流れるデータ量が増え、通信に遅延が生じる可能性があるのです。

なお、LANポートに繋いでいる台数が多くても、同時通信する台数が少なければ問題はありません。

ループ状態にならないよう注意する

ネットワーク配線にループが起こり、ブロードキャスト(一斉配信)用のデータや信号が無制限に転送され続けることを「ブロードキャストストーム」といいます。ブロードキャストストームが起こるとデータの転送に使用可能な帯域を使い果たし、最終的にはネットワークがダウンしてしまいます。

ブロードキャストストームを防ぐためには、ネットワークにループ構成を作らないことが大切です。ネットワークループが起きるパターンはいくつかありますが、スイッチングハブの導入により、誤ってループ構成ができあがってしまうことがあります。

例えば一般家庭で多いのが、同じスイッチングハブ内のLANポートに、LANケーブルの両端を繋いでしまうというケースです。また、スイッチングハブを複数導入すると配線が複雑になり、気づかないうちにループ構成ができてしまうこともあります。

配線まわりをしっかり管理する

スイッチングハブを導入すると、多くのデバイスを有線接続できるようになります。しかし、そうすると多数のLANケーブルや機器を接続することになるので、配線が複雑になりがちです。

配線まわりがごちゃごちゃしていると、見た目も悪いだけでなく、断線や転倒などのリスクも高まってしまいます。 LANケーブルの繋ぎ間違えによるネットワークループも起こしやすくなるので、スイッチングハブを導入する際は、配線のレイアウトを十分検討し、適切に管理することが大切です。

スイッチングハブを選ぶ際のチェックポイント

スイッチングハブを選ぶ際のチェックポイント

スイッチングハブにはさまざまな種類があるため、どの製品を選ぶか迷ってしまう方も多いでしょう。スイッチングハブを選ぶ際は、次のようなポイントをチェックするのがおすすめです。

  • LANポートの数
  • 転送速度
  • PoE対応
  • 静音性
  • 電源タイプ
  • 本体の素材
  • 付加機能

それぞれのチェックポイントについて、以下で詳しく解説します。

LANポートの数

LANポートとは、LANケーブルの差し込み口のことです。つまり、LANポートの数によって、合計何台のデバイスを接続できるのかが決まります。

パソコンやスマートフォン、タブレットなど、インターネットに有線接続したいデバイスの数に合わせて選びましょう。

転送速度

転送速度とは、スイッチングハブと各デバイスがデータのやりとりをする際の速度のことです。数字が大きいほど、データを高速でやりとりできます。ただし、表示されている速度はあくまで理論上の最大速度であり、実際の速度は環境により異なる場合があります。

LANケーブルでの有線接続にはイーサネットという規格があり、スイッチングハブも製品によって対応している規格が異なります。それぞれの規格ごとの転送速度は、以下のとおりです。

  • 10BASE-T(最大10Mbps)
  • 100BASE-TX(最大100Mbps)
  • 1000BASE-T(最大1Gbps)
  • 2.5GBASE-T(最大2.5Gbps)
  • 10GBASE-T(最大10Gbps)

これから新しく導入する場合は、少なくとも1000BASE-T以上を選ぶとよいでしょう。

PoE対応

PoEとは、コンセントではなくLANケーブルによって電源を確保するシステムのことです。

PoEに対応しているスイッチングハブなら、電源コンセントがない場所でもデバイスに電力を供給できます。例えば、ネットワークカメラやWi-Fiアクセスポイントなどと組み合わせればコンセントを確保する必要がなく、設置場所の自由度が高まります。

静音性

静音性を重視するなら、ファンレスタイプのスイッチングハブを選びましょう。

ただし、ファンレスタイプは放熱性が低くなるので注意が必要です。音が気にならない環境であれば、基本的にはファン付きのほうが故障しにくいのでおすすめです。

電源タイプ

スイッチングハブには、電源が内蔵されたタイプと、外部電源としてACアダプターが必要なタイプがあります。

内蔵タイプは電源ケーブルの途中にボックス状のものがないので、コンセント周りをすっきりさせられるのがメリットです。一方、外部電源が必要なタイプはアダプターが内蔵されていない分、本体がコンパクトなのが特徴です。

本体の素材

本体が金属製素材でできたスイッチングハブは、放熱性に優れています。

一方、本体がプラスチック製のものは金属製と比べて放熱性は劣るものの、安価で手に入りやすいのがメリットです。

付加機能

以下のような付加機能が搭載されている製品を選ぶと、インターネットをより快適に利用できる可能性が高まります。

  • ループ検知・遮断機能:ネットワークループを検知したり、通信を遮断して「ブロードキャストストーム」を防止したりする機能
  • PoEオートリブート:PoE対応のデバイスがフリーズした場合に、検知して再起動させる機能
  • QoS(Quality of Service):データの優先順位や通信速度を制御して、ネットワークのパフォーマンスを安定化させる機能

まとめ

スイッチングハブとは、LANポートを増設する「ハブ」の一種です。コンセントでいうテーブルタップのような役割を果たし、有線接続するデバイスの数を増やすことができます。また、かつて主流だったリピーターハブとは異なり、特定の宛先にピンポイントで通信を送れるのが特徴です。

ルーターのLANポートの数が足りないと感じる場合は、スイッチングハブの導入を検討してみましょう。製品によりLANポートの数や規格が異なるので、有線接続したい台数や求める転送速度などに合わせて、ご自宅にぴったりのものを選んでみてください。

スイッチングハブの導入など、ネットワーク環境の改善を図るなら、契約している回線事業者やプロバイダーを見直すのもおすすめです。

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