2014/04/24
P2Pファイル共有ソフト利用の危険性について
P2Pファイル共有ソフトとは、インターネットを通じてファイルを不特定で共有するための利便性を考えたソフトで、「WinMX」「Winny」「Share」「BitTorrent」「Gnutella」「Kazaa」「LimeWire」「eDonkey」「eMule」「Perfect Dark」などいろいろな種類があります。便利な反面、使い方によってはウイルスに感染したり、知らない間に自分が犯罪者になってしまうなどのさまざまな危険性もあるので注意が必要です。
気付かないうちにウイルス感染
P2Pファイル共有ソフトで、便利そうなアプリを見つけたのでインストールしてみたところ、実は裏でウイルスが仕込まれており、ウイルスに感染してしまった、というケースが発生しています。 ウイルス感染すると、以下のような危険が考えられます。
- 盗み出された個人情報が悪用されて金銭的な被害がもたらされてしまう。
- 自分のパソコンが「フィッシング詐欺」の発信元として使われてしまう。
- 遠隔操作ウイルスによって、外部からパソコンが不正に乗っ取られ、最悪の場合犯罪行為に利用されてしまう。
P2Pファイル共有ソフトでやりとりされるファイルは出所が信用できない場合も多く、どのような動作をするのかが不明なものも多く存在します。
信頼できないファイルの共有は、行わないようにしましょう。
知らないうちに著作権侵害の加害者に
P2Pファイル共有ソフトで共有されているファイルには、映画や音楽・ゲームソフトといった著作権で保護された著作物も多く含まれています。
そういったファイルの中には、不特定者の間でのファイル共有を認めていないものが多く、権利者に無断で公開されていることから著作権上問題となっています。
著作権者に無断で音楽や映像をインターネットで配信する行為(アップロードすること)は、刑事罰を科されるおそれがあるだけでなく、著作権者から民事上の責任を問われる可能性もあります。
ファイル共有ソフトでの著作権侵害については、著作権者が、アップロード者を訴える事例も発生しており、実際に賠償金の支払が命じられた事例も出ています。
【民事上の責任を問われた例】
- P2Pファイル共有ソフト「WinMX」を使って、著作権者に無断で音楽ファイルをアップロードした男性に対し、総額約540万円の損害賠償金および遅延損害金の支払いが命じられた。(2010年7月)
- P2Pファイル共有ソフト「WinMX」を使って、著作権者に無断で800を超える音楽ファイルをアップロードした2名が、著作権管理団体に対し、二度と同様の権利侵害をしない趣旨の誓約書の提出と、それぞれ約100万円の損害賠償金を支払うことで和解が成立した。(2009年9月)
【刑事罰の対象となった例】
- P2Pファイル共有ソフト「μTorrent(マイクロトレント)」を使用してインターネット上に音楽ファイルなどを公開していた大阪府内の男性5名が大阪地方検察庁に送致された。(2013年6月)
またP2Pファイル共有ソフトの中には、ダウンロードしたファイルが自動的に公開状態になり知らないうちに自分が「アップロード者(公開者)」となるものがあります。「自分は、ファイルをダウンロードしているだけだから問題ない。」と思っていても、自身が「アップロード者(公開者)」とされてしまうと著作権侵害をした当事者と判断されることもあります。十分な知識を持たずにP2Pファイル共有ソフトを利用することは非常に危険です。
なお、2010年1月からは、違法アップロードされたものであることを知りながら、音楽や映像をダウンロードする行為も著作権侵害と認められ、特に、2012年10月からは、違法にアップロードされた、本来有償で販売・配信されている音楽や映像データをダウンロードすると刑事罰が科されることとされています。
参考:政府広報オンライン(平成24年10月から著作権法が変わりました)
無料でダウンロードができるからといって、違法に公開された音楽や映像をダウンロードすれば、あなたも違法行為を行ったことになり、場合によっては刑事罰を科せられることもあります。アップロードされている音楽や映像が権利者からの許可を得ているかどうか信頼できないファイルのダウンロードは、できる限り避けることが大切です。
P2Pファイル共有ソフトの不適切な利用について、注意喚起を行っている団体もあります。どういう行為が問題となるのかを認識しておくことも必要です。
参考サイト
- CCIF(著作権侵害対策協議会)
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P2Pファイル共有ソフト上で、著作権者の許諾なく、著作物を流通させているアップローダーに対して、ISPを通じて、注意喚起を実施している団体。(2014年4月1日よりWinny、Shareに加え、BitTorrent、Gnutellaユーザーにも対象範囲を拡大。)
- ICSA(インターネットコンテンツセーフティ協会)
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インターネットを通じた児童ポルノの拡散を防止することを目的としている団体。 2014年4月1日より従来の児童ポルノブロッキングに加え、P2Pファイル共有ソフト上で、児童ポルノを流通させているアップローダーに対して、ISPを通じて、注意喚起を実施。
P2Pファイル共有ソフトを利用する行為自体は違法ではありませんが、P2Pファイル共有ソフトの利用には、さまざまな危険が潜んでいます。
気軽な気持ちでの使用は控えましょう。