IPv4・IPv6の違いは?IPv6が速いわけではない!?
光回線の案内やネット接続の説明書などでよく目にする「IPv4」や「IPv6」。これらはインターネットの通信規格・ルールのこと。「IPv4」「IPv6」の「v4」「v6」は「バージョン4」「バージョン6」という意味で、従来の「IPv4」に加え「IPv6」が最近は利用されてきています。
この記事では「IPv4」と「IPv6」について、解説していきます。
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IPv4・IPv6とは?ネット通信のルールとIP・IPアドレスの関係
「IP」とはインターネットプロトコル(Internet Protocol)の略称で、インターネットに接続するスマホやパソコンがデータを送受信する方法を定めた通信規格、ルールのこと。
インターネットに接続するスマホやパソコン等の機器には「IPアドレス」という固有番号が割り振られます。これはいわばインターネット上の「住所」のようなもの。IPアドレスは「192.168.XX.XX」のように数字で表されます。
これまでは「IPv4」が主流でしたが、この「住所」(数字)のパターンが枯渇してきたことで、事実上無限ともいえる数字の組み合わせがある「IPv6」が登場します。現在のインターネットでは「IPv4」「IPv6」が混在した状態になっています。
IPv4とIPv6の違い
「IPv4」と「IPv6」の最も大きな違いは、IPアドレスの表記方法と利用できるIPアドレスの個数です。
「IPv4」のアドレス総数は2の32乗、約43億個の機器をインターネットに接続させることが可能になっています。
しかし近年のインターネットの普及などによって、アドレス数が不足し始めました。そして生まれたのが次世代の通信規格ルールである「IPv6」なのです。
この「IPv6」のIPアドレスの総数は約340潤(かん※
)個。膨大な量の「住所」が用意できるため、事実上無限に近い数の機器をインターネットに接続することができます。
現在では、ほとんどの携帯会社がIPv6での利用を始めており、コンテンツ側もIPv6の対応を進めています。
※1潤は10の36乗。
IPアドレスの規格 | IPアドレスの例 | IPアドレスの個数 |
---|---|---|
IPv4 | 115.115.2.2 | 約43億通り |
IPv6 | 1202:0ab5:000:0006:01cd:0005:0000:0006 | 約340潤(かん)通り |
また、通信時のセキュリティ強度にも違いがあります。IPv4ではオプション扱いだったデータを暗号化する技術が、IPv6では必須化され、セキュリティ強度が高まっています。
両者は接続方式にも違いがあるので、以下で詳しく解説していきましょう。
IPv4・IPv6の接続方式
インターネットの接続方式は、主に以下の2種類に分けられます。
- PPPoE方式(ピーピーピーオーイー方式)
- IPoE方式(アイピーオーイー方式)
PPPoEは「Point-to-Point Protocol over Ethernet」、IPoEは「IP over Ethernet」の略称で、どちらもイーサネット(Ethernet)を使って通信することを表しています。
イーサネットとは、端末をネットワークに有線接続する際に用いられる通信規格です。イーサネットで使用するケーブルとしては、LANケーブルや光ファイバーケーブルなどが挙げられます。
IPv4はPPPoE方式のみですが、IPv6はPPPoE方式とIPoE方式の両方に対応しています。ここからは、それぞれの接続方式について詳しく解説していきましょう。
PPPoE方式
インターネット接続を「ダイヤルアップ接続」や「ISDN」などの電話回線を用いて行っていた、1990年ごろに普及した方式です。前身となる「PPP」という規格に修正・拡張を加えたことで、IPアドレスの割り当てが可能となりました。
IPoE方式
PPPoEとは異なり、開発段階からイーサネットを使用する前提で作られた方式です。アクセスしてきた回線に対する回線認証で、シンプルにインターネットに接続できます。
「IPv4 over IPv6」について
IPoE方式はIPv4の対応方式に含まれていないため、基本的にはIPv6のサイトしか閲覧できません。しかし、現在はIPv4とIPv6が混在している状態なので、それでは不便を感じることも多いでしょう。
そこで開発されたのが、「IPv4 over IPv6」です。
基本的な通信規格はIPv6ですが、IPv4のWebサイトのデータをIPv6のデータ方式で包み込むことで通信することで、IPv4のサイトも閲覧可能となっています。この技術を、「トンネリング」といいます。
またアクセス回線からプロバイダまで一貫してサービス提供している事業者では、契約の種類によって「IPv4」と「IPv6」の通信が両方提供されていることがあります(デュアルスタック方式)。この場合、トンネリングの必要なく、Webサイト・Webサービスの方式が「IPv4」か「IPv6」かを自動判別して切り替えられて通信するため、遅滞なくインターネットを利用できます。
IPv4とIPv6はどちらを選ぶべき?
IPv6は新しい規格なので、IPv4よりも通信速度が速いと思われがちです。しかし、あくまでIPv6はIPのバージョンの一つであり、IPv4より通信速度が速いというわけではありません。
「IPv6=通信速度が速い」というイメージが定着しているのは、IPoE方式と組み合わせて利用することで、回線の混雑を回避できる場合があるためです。IPv4や、IPv6×PPPoE方式の組み合わせであっても、事業者により回線増強が行われていれば、通信速度は安定します。
IPv6そのものに通信速度への影響はないものの、サイトや端末によっては、IPv6のアドレスからのアクセスを優先するところもあります。一方で、前述のとおりIPv4にのみ対応しているケースも多いため、IPv4とIPv6は共存すべきです。
実際に、現在はIPv4とIPv6が混在している状態なので、両方の接続に対応できる方式が望ましいでしょう。例えばeo光ネットでは、IPv4アドレスとIPv6アドレスを同時に利用できる「デュアルスタック方式」を採用しています。これにより、どちらに対応している端末やサイトなのかを気にすることなく、インターネットを気兼ねなく楽しめます。
IPv6に接続されているか確認する方法
使用中の回線がIPv6に接続されているか知りたい場合は、「スピードテスト」や「端末の設定」で確認するのがおすすめです。
スピードテストで確認する
IPv6接続に対応したスピードテストを利用する方法です。IPv6アドレスやIPv4アドレスでの回線速度や、プロバイダ情報などをチェックできます。
端末の設定で確認する
端末の設定画面から、IPv6のアドレスが表示されているか確認する方法です。利用中の端末に合わせて、それぞれ以下の手順で確認しましょう。
▼パソコン(Windows 11)の場合
- Windowsマークを右クリック
- 「設定」を選択
- 「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」→「ハードウェアと接続のプロパティ」の順に選択
- IPv6アドレスの項目が表示されているか確認
▼パソコン(macOS)の場合
- メニューバーからAppleメニューを開く
- 「システム環境設定」を選択
- 「ネットワーク」を選択し、「詳細」をクリック
- 「TCP/IP」を開き、IPv6アドレスが表示されているか確認
- IPv6アドレスが「2400:」や「2407:」などから始まっている場合は接続されている
▼iPhone(iOS)の場合
- 設定アプリから「Wi-Fi」を選択
- 「接続中のネットワーク名」の右側にある「i」マークを選択
- 「IPV6アドレス」の項目にIPアドレスが表示されているか確認
▼Androidの場合
- 設定アプリからWi-Fiネットワークの一覧を開く
- 接続中のWi-Fiネットワークを選択する
- IPv6アドレスが表示されているか確認する
(「:(コロン)」で8つに区切られたアドレスならIPv6)
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