Wi-Fiの通信速度の目安は?速度の調べ方や快適な速度に上げる方法を紹介
「Web会議中に画面がフリーズする」「動画を視聴しているとカクカクする」という悩みの原因は、Wi-Fiの速度に隠されている可能性があります。Wi-Fiの速度が用途に見合っていなければ、通信が安定せずインターネットを楽しめません。
そこで本記事では、Wi-Fiの速度目安を種類別・用途別にご紹介します。あわせてWi-Fiの速度を上げる方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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そもそもWi-Fiの速度とは?
Wi-Fiの速度とはつまり通信速度のことであり、「Wi-Fi電波の利用により1秒あたりに送受信できるデータの量」を指します。つまりWi-Fiの速度が速いほど、1秒あたりに送受信できるデータの量が大きくなり、インターネットを快適に使用できるということです。
逆にWi-Fiの速度が遅いと、Web会議で画面が固まったり、動画視聴中にカクカク途切れたりします。その場合はWi-Fiの速度を上げることで、ストレスのない環境を実現できます。
Wi-Fiの速度の単位はbps
Wi-Fiの速度は「bps(ビーピーエス)」という単位で表されます。bpsは"bit per second"の略で、1秒あたりに転送できるデータ量を意味します。
また、bpsの1,000倍になると「kbps(キロビーピーエス)」、bpsの100万倍になると「Mbps(メガビーピーエス)」、bpsの10億倍になると「Gbps(ギガビーピーエス)」という単位が用いられます。なお、Wi-Fiの速度を表す際によく用いられる単位はMbpsです。
一般的なWebサイトは、1ページあたりのデータ量がおよそ2~3MBあります。細かな計算は省略しますが、1MBのデータ量を1秒で受け取るために必要な通信速度は、およそ8Mbpsです。
ここで、閲覧したいWebサイトのデータ量を2MBと仮定しましょう。8Mbpsの通信速度を持つ回線なら2秒で表示できます。1秒で表示させたいなら、回線速度が16Mbpsあれば可能です。
見たいサイトを1~2秒で表示させるには、回線が10~30Mbpsあれば十分という計算になります。
Wi-Fiの速度は「上り」より「下り」が重要
通信には「上り・下り」があり、データのアップロードを「上り」、ダウンロードを「下り」といいます。
上りの速度が重要になるのは、メール送信・SNS投稿・動画投稿などを行う場合です。逆に下りの速度が重要になるのは、メール受信・Webサイトの閲覧・動画視聴・オンラインゲームなどを行う場合です。また、Web会議のように上りと下りの両方の通信を利用する場合もあります。
日常生活でインターネットを利用する際、上りよりも下りの通信速度によって影響を受けることが多いです。そのためWi-Fiの速度の目安を考える際は、下りの速度を重要視しましょう。
Wi-Fiの速度は理論値より「実測値」が重要
Wi-Fiにおける通信速度には、「理論値」と「実測値」があります。理論値は文字通り理想的な状態で期待できる速度を指し、実測値は障害物や環境などの影響を考慮したうえで測定された速度のことです。
ここで覚えておきたいのは、理論値通りの速度が出ることはほとんどないということです。そのためWi-Fiの速度について考える場合は、理論値ではなく実測値を確認しましょう。
なお、Wi-Fiには「11n」や「11ac」といった規格がありますが、これらの規格ごとに示されている「最大通信速度」はすべて理論値であり、実際の利用においてこの速度が出るわけではないので、注意が必要です。例えば、11nの最大通信速度は600Mbps、11acの最大通信速度は6.9Gbpsと表記されていますが、これはあくまでも理論値であり、実測値ではありません。
障害物や環境などの要因によっては、Wi-Fiの速度は理論値の半分以下になることもあります。そのため、Wi-Fiの速度を調べる際は実測値に注目してみてください。
Wi-Fiの速度は「ping値」にも注目
快適なWi-Fi速度の実現には、bpsであらわされる速度のほかにも大切なポイントがあります。それがping値と呼ばれる指標です。
pingは「ピン/ピング」と読み、Packet Internet Groperの頭文字を組み合わせています。インターネット上で指定した相手との通信が可能か確認するコマンドで、データ送信から応答までの速度を示します。
ping値の単位は「ms(ミリセカンド・ミリ秒)」です。数値が低いほど、反応にかかるスピードが速くなり、快適にインターネットを利用できます。反対に数値が高いと反応に時間がかかります。回線自体の速度が速くても、ping値が高いとインターネットの使用感は快適とはいえないでしょう。
ping値はオンラインゲームや無料通話アプリ、高画質の動画視聴など、リアルタイムの応答が重要な場面に影響します。Wi-Fiの速度を確認する際は、ping値にも注目しましょう。
ping値について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
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Wi-Fiの速度の調べ方
Wi-Fiの速度を調べたい方は、無料のWebサービスを活用しましょう。
手軽な調べ方は、Googleのインターネット速度テストを利用する方法です。Googleの検索サイトを開き、「インターネット速度テスト」と検索してください。
検索結果の最初に表示された枠にある「速度テストを実行」のボタンをクリックします。しばらく待つと、インターネット回線の速度が「上り」「下り」それぞれで表示されます。
以上で、インターネット回線の速度計測が完了です。速度計測はパソコンとスマートフォンのいずれでも測れます。
【用途別】快適にインターネットを楽しむためのWi-Fiの速度目安は?
インターネットを快適に楽しむために必要なWi-Fiの速度は、用途によって異なります。例えば、LINEやメールの送受信のみ行う場合とオンラインゲームを行う場合では、必要な速度に約100倍の差が出ることもめずらしくありません。
そこで、ここからは快適にインターネットを楽しむためのWi-Fiの速度目安を用途別にご紹介します。こちらもネットの利用環境によって必要な速度に差が出てきますので、あくまでも目安として参考にしてください。
メールやSNSでのメッセージ送信
メールやSNSなどでのメッセージの送受信は、約500Kbps~1Mbpsの速度があれば十分に対応できます。
ただし、メッセージに添付されている画像や動画をダウンロードしたり、SNSのメッセージに画像や動画を添付して送信したりする場合は、500Kbps~1Mbpsでは不十分です。画像や動画をやりとりする場合は、1Mbps以上の通信速度が必要になります。
Webサイトの閲覧
Webサイトの閲覧には、約1〜10Mbpsの速度が求められます。このように速度目安に幅がある理由は、テキストを中心としたWebページと画像が多いWebページでは、必要な通信速度が異なるためです。
テキストを中心としたWebページの場合、数Mbpsあれば快適に閲覧できます。しかし、複数の画像や動画が掲載されているWebページの場合、サクサクと閲覧するには10Mbpsはほしいところです。
動画の視聴
動画の視聴には、約3〜25Mbpsの速度が必要です。YouTubeを例に挙げると、平均10Mbps程度の速度があれば安定して視聴できます。
ただし、動画を高画質で楽しみたい場合は、30Mbps以上の速度が必要になることも少なくありません。このほか、NetflixはHD画質の場合は3~5Mbps、高画質で楽しみたい場合は最大25Mbpsの速度が推奨されています。
ただし、4Kや8Kなど超高画質動画の場合はそれ以上の速度が必要になる場合があります。
Web会議
ZoomでのWeb会議を行うなら、約10~30Mbps以上あれば安心でしょう。Web会議に参加する機会の多い方は、円滑なコミュニケーションを図るためにも十分な速度を確保しておくのがおすすめです。
また、オンライン授業やオンライン面接に参加する場合も、10~30Mbps程度の速度が必要です。画面がカクカクしたり、音声が途切れたりすることのないように、今のうちに通信速度を確認しておきましょう。
オンラインゲーム
オンラインゲームを楽しみたい場合は、約30〜100Mbpsの速度が必要です。オンラインゲームは送受信するデータ容量が大きいため、高速な通信環境が求められます。
Wi-Fiの通信速度が遅いと、オンラインゲーム中にタイムラグが生じたり、画面が飛んだりすることがあり、快適にゲームを楽しめません。オンラインゲームのタイプやタイトルによって必要な速度が異なりますが、基本的には高速なWi-Fi環境の構築が必要になります。
他社記事のご紹介:Crazy Raccoonうゅりる選手にeo光10ギガコースで高画質フォートナイトを試してもらった
Wi-Fiの速度を上げる方法8つ
インターネットを快適に使用するには、用途に応じたWi-Fi速度が必要です。そのためWi-Fi環境に満足していない方は、先ほどご紹介した用途別のWi-Fi速度目安を参考にして、Wi-Fi環境を構築し直すことをおすすめします。
そこで、ここからはWi-Fiの速度を改善したい方に向けて、Wi-Fiの速度を上げる方法を8つご紹介します。今すぐできる方法も紹介しているので、さっそく試してみましょう。
1.Wi-Fiルーターの位置を変える
Wi-Fiの速度を上げる簡単な方法として、Wi-Fiルーターの位置を変えることが挙げられます。
電波は壁や家具、床暖房といった障害物があると弱まる傾向にあり、カバーできる範囲も狭くなりがちです。また、電波には通り抜けしやすい材質と通り抜けしにくい材質があります。
比較的影響の少ない木材やガラスであれば電波が通りますが、コンクリートや金属は電波に大きな影響を与えるため、簡単には通り抜けできません。
Wi-Fiの速度を上げたい方は、Wi-Fiルーターを障害物の影響を受けにくい場所に設置し直したり、パソコンやスマートフォンなどの接続機器の近くに置いたりしてみましょう。
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2.中継機を設置する
「1階にいるとつながるのに、2階に上がるとWi-Fiがつながりにくくなる」「部屋の隅のほうでは接続が悪くなる」と感じている方は、中継機を設置することで改善できるかもしれません。
中継機とは、Wi-Fiを利用できる範囲を広げてくれる機器のことです。例えば、メインルーターを1階に設置し、中継機を2階に設置すれば家中快適にWi-Fi接続ができるようになります。
メインルーターのみ設置している場合は、中継機の導入を検討してみるのがおすすめです。
3.メッシュWi-Fiを導入する
中継機でもWi-Fiの速度が改善されない場合は、メッシュWi-Fiの導入を検討してみましょう。メッシュWi-FiとはWi-Fiを網の目のように張り巡らせた通信形態のことで、メインルーターのコピーのような役割を担う「サテライトルーター」を複数台設置して利用します。
メッシュWi-Fiと中継機の大きな違いは、メインルーターにかかる負担の大きさです。中継機の役割は文字通りメインルーターの中継ですが、メッシュWi-Fiで利用するサテライトルーターは、メインルーターのネットワーク接続の負担を分散してくれます。そのため、中継機よりも高速かつ安定した通信が可能になります。
メッシュWi-Fiについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
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4.家電の位置を見直す
電波は壁や家具だけでなく、家電の影響も受けます。こうした現象を電波干渉といい、Wi-Fiの電波と家電が発する電波がぶつかり合うことで通信が不安定になります。
Wi-Fiと電波干渉を起こしやすい家電は、以下の5つです。
- 電子レンジ
- IHクッキングヒーター
- テレビ
- 固定電話のコードレス子機
- Bluetooth機器
電波干渉を避けるには、家電をWi-Fiルーターから離れた場所に設置し直すのがベストでしょう。
特に電子レンジやBluetooth機器は、多くのワイヤレスLANで使用されている2.4GHz帯の周波数を使用しているので、電波干渉が起こりがちです。家電を移動させることが難しい場合は、Wi-Fiルーターの位置を見直すなどの対策を講じましょう。
5.不要な端末は接続を解除する
複数の端末をWi-Fi接続している場合は、不要な端末の接続を解除することでWi-Fi速度が速くなる可能性があります。
Wi-Fiルーターには同時接続できる端末台数の上限があり、上限を上回ると速度が低下したり、接続が不安定になったりします。そのためWi-Fiの高速通信を求めている方は、接続端末の数をできるだけ少なくすることで速度改善を狙いましょう。
どうしても複数の端末をWi-Fi接続したい場合は、メッシュWi-Fiの導入がおすすめです。メッシュWi-Fiは複数の端末を同時接続しても、高速かつ安定した通信を実現できます。
6.利用する時間帯を変える
同じWi-Fiを利用していても、時間帯によって速度が遅くなることがあります。例えば、金曜日の夜や土日など、ユーザーが集中しやすい時間帯に速度が遅くなることも少なくありません。一方、通信速度が速くなりやすい時間帯は、多くの人が学校や会社に行っている平日の昼間です。
平日の昼間にインターネットを利用できる方は、一度試してみてもよいでしょう。
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7.Wi-Fiルーター自体を見直す
Wi-Fiルーターや家電の位置、接続端末を見直しても速度が改善しなかった場合は、Wi-Fiルーター自体を見直すのもひとつの手です。
Wi-Fiルーターには複数の規格 があり、規格によって通信速度が大きく異なります。古いタイプWi-Fiルーターを長年使用している方は、Wi-Fiルーターの買い替えも視野に入れてみてください。
8.回線事業者を見直す
Wi-Fiの速度に満足していない方は、この機会に回線事業者を見直してみるのもおすすめです。回線事業者によって回線の仕様や設備、サポート体制もさまざまですので、回線事業者を変更することでWi-Fi速度が上がる可能性もあります。より高速で安定した通信環境を提供している回線事業者を探してみましょう。
速度・安定性を重視するなら固定回線+Wi-Fiルーターのセット利用がおすすめ
「より安定的かつ快適にWi-Fiを使いたい」という方には、固定回線とWi-Fiルーターの併用をおすすめします。
固定回線はホームルーターやモバイルルーターなどの無線回線とは違い、家まで光ファイバーの線が引かれているため、エリアや基地局の位置・気象など環境の影響を受けにくくなっています。
そのためベースが固定回線であれば、比較的安定してインターネットを利用することができるでしょうます。
また、固定回線にWi-Fiルーターをプラスしておけば、スマートフォンはWi-Fiに接続し、オンラインゲームなどの大容量の通信を行うパソコンは有線で接続するなど、用途に合わせて最適な使い方を選ぶことも可能です。
インターネット回線の選び方
インターネット回線には、さまざまな種類があります。代表的な回線の種類と特徴を下表にまとめました。
普段の使い方や重視したい点を押さえて選択し、快適なインターネット環境を手に入れる参考にしてください。
※ 表示の速度は目安です。インターネット回線の速度は、機器の性能や周辺環境、同時接続する端末数など、さまざまな要因により変化します。
※横スクロールできます
回線の種類 | 通信速度 (下り理論値) | 工事の要不要 | 持ち運び可否 | メリット・注意 |
---|---|---|---|---|
光回線 | ~10Gbps | 必要 | 不可 | 動画視聴、オンラインゲームを含むヘビーな使い方にも対応可能 |
ケーブルテレビ回線 | ~1Gbps | 必要 | 不可 | ケーブルテレビと契約すれば、プロバイダー契約は不要 |
モバイル回線 (5Gホームルーター) | ~4.2Gbps | 不要 | 不可 | 機器をコンセントにつなぐだけで利用できる |
モバイル回線 (5Gポケット型Wi-Fi) | ~4.2Gbps | 不要 | 可 | 通信可能エリア内なら、持ち歩いての利用が可能 |
まとめ:Wi-Fiの通信速度が気になる方は乗り換えも検討してみよう
Wi-Fiの速度とは1秒あたりに送受信できるデータの量を示し、速度が速くなるにつれてインターネットを快適に利用できるようになります。
また、快適にインターネットを利用するためのWi-Fiの速度目安は用途によって異なります。Zoomなどを使ったWeb会議に参加したり、オンラインゲームを楽しんだりする場合は、高速かつ安定したWi-Fi環境の構築が必要です。
Wi-Fiの速度を改善するためにさまざまな方法を試したものの、速度が上がらなかったと悩んでいる方は、Wi-Fiルーターの買い替えや回線事業者の乗り換えを行うことで改善する可能性があります。
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